2022年1月19日

レッツノートの生産を支える実装機と独自システム

2020年に始まった新型コロナウイルスの拡大を受け、世界はこれまでに経験したことのないパンデミックへの対応を迫られています。人々の生活は一変し、「巣ごもり需要」が増加、在宅勤務等の多様な働き方や、リモート教育、デジタル取引も加速されました。

在宅勤務を経験した多くの人たちは、自宅でも業務ができると確信し、そのライフスタイルを継続したいと考えています。 企業はそのような従業員の要望に応えるためにノートパソコンを中心とした職場環境の整備を進めています。

パナソニックのレッツノートは、長年「どこでも」働く人々をサポートしてきました。今年、誕生から25周年を迎え、これからは「どこでも」だけでなく、「いつでも」「誰とでも」働ける新しいワークスタイル「ハイブリッドワーク」をサポートすることで、より快適な在宅勤務の実現を目指しています。


レッツノート25年の取り組みとこれから求められるニーズ

レッツノートでは、表層的なスタイリッシュさを追い求めるのではなく、時代に合わせた「ニーズの本質」を捉えることを大切にしています。以前は、時代に合わせてデザインを変えていきました。「仕事で使いやすいもの」という本質が分かってからは、デザインは変えずに、お客様との商談や外出でレッツノートを持ち運ぶビジネスパーソンのために、機能性と操作性を高めるようにしました。持ち運びが負担にならない軽さ、安心して持ち運べる頑丈さ、内蔵バッテリーだけで1日中仕事ができる長時間駆動の3点こそが、技術、企画部門と一緒に磨き上げてきた特徴です。

歴代のレッツノート
歴代のレッツノート

最新モデルのFVシリーズと旧モデルとの比較
最新モデルのFVシリーズ(左)ではディスプレイ接続部分のヒンジが見えないようドロップヒンジを採用し、すっきりした外観に。

今コロナ禍で多くの企業が在宅勤務を推奨するようになり、対面でのコミュニケーションはノートパソコンを使ったWeb会議やテキストチャットに置き換わりました。この働き方の変化を踏まえて、ビジネスパーソンが快適に在宅でも働けるよう進化させたのがFVシリーズになります。Web会議でも声が聞き取りやすい新設計のスピーカーを搭載し、大きなサブディスプレイが用意しづらい自宅でも十分に作業しやすいように、14型のディスプレイサイズを採用。また、マウスなしでも操作しやすい大口径のホイールパッドで、作業性を向上させました。パナソニックは、ユーザーが求める「ニーズの本質」を捉え、それに応えられるソリューションをどん欲に、スピーディに追求してお客様にこれまでと同様に寄り添って参ります。


レッツノートの生産を支えるのがパナソニックのプリント基板表面実装機!!

レッツノートを生産する神戸工場にはパナソニックのプリント基板表面実装機がずらりと並んでいます。パナソニックの実装機はノートパソコンの内部プリント基板に2000個以上の電子部品を組み込みます。小さな電子部品1個でもプリント基板に組み込む位置がずれれば、完成品の品質に大きな影響を与えます。まず、一枚一枚の基板を管理するために、QRコードを基板に印刷します。その後、スクリーン印刷機で、プリント基板に電子部品を固定するための「はんだ」と呼ばれる合金を塗ります。その後、はんだ検査装置にて印刷ができたことを確認してから、実装機が1秒間に約27個の部品を基板に組み込みます*。パナソニックの実装機は最適、最短な実装位置を計算して、高速で正確に部品を基板に取り付けていきます。その後、部品外観検査装置を使って自動で部品の実装位置を確認、リフロー炉と呼ばれるオーブンにいれ、熱を使って部品をはんだ接合します。

*設備スペック最大速度で取り付けした場合

パナソニックのプリント基板表面実装機

生産を止めずに自動補正、高精度実装が可能なパナソニックの独自システム

神戸工場ではレッツノートの生産品質を高めるために、APC(アドバンスト・プロセス・コントロール)と呼ばれるパナソニック独自のシステムを導入しています。設備の熱膨張によるはんだ印刷のズレを、生産中にラインを止めずに自動補正するソフトAPC-FB(フィードバック制御)です。また、はんだ印刷位置が基板自体のばらつきによって変わっても実装機がそれを瞬時に実装位置を自動で補正、部品を狙った位置に正しく装着するAPC-FF(フィードフォワード制御)もあわせて使われています。更に、最近では、高い実装精度の維持を目的に、実装済部品外観検査機(AOI)から実装機へフィードバック補正を行うAPC-MFB2(マウンターフィードバック制御)を導入しています。このソリューションにより生産ラインが自動で印刷精度・装着精度を高いレベルで維持・安定化を実現できるようになりました。さらに、材料(はんだ、基板)のバラツキに対するロバスト性を向上させることで不良を出さない高品質生産を実現しています。パナソニックは20年以上にわたり、部品ごとの検証ノウハウを活用し、最適な実装方法と効果的なセルフアライメントを組み合わせ、安定した良品生産を実現します。パナソニック神戸工場では、APCシステム導入前は生産を止めて検査に多くの工数を割いていました。現在はこの機能を搭載することで検査時間を短縮でき、レッツノートの生産性向上と良品生産に役立っています。


APC(アドバンスト・プロセス・コントロール)図解

関連する製品

モジュラーマウンター NPM-WX,WXS

モジュラーマウンター
NPM-WX,WXS

多様な供給部に対応し、生産形態を拡大。実装フロアの省人化でスループットを向上。

詳細はこちら

APC System

APC System

実装後の外観検査機とマウンターとがつながることで、実装精度の確保とばらつき要因の特定が可能に。

詳細はこちら

統合ライン管理システム iLNB

統合ライン管理システム
iLNB

Panasonic設備・他社設備・上位システムを「つなぐ」ことで、ライントータルでの生産最適化。

詳細はこちら

実装MESシステム PanaCIM-EE

実装MESソフトウェア
PanaCIM-EE Gen2

実装フロア全体を一元管理し、実装に関する各作業におけるQCD向上支援。

詳細はこちら

お問い合わせ

ご相談窓口
各種ご相談は、下記までお問い合わせください。
受付時間 9:00~17:00(土日、祝日、年末年始、弊社所定の休日を除く)