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~オリンピックの「サウンド」を世界に届けたい~

RAMSAが挑戦する新時代のサウンドシステム

史上最多である33競技339種目が実施された東京2020オリンピック・パラリンピック。その42会場すべてに設置されたのが「RAMSA」ブランドの音響システムです。音楽による演出をはじめ、場内のアナウンスやスピーチ、審判のコールなど、明瞭でクリアなサウンドが各会場で響きました。

RAMSAは「原音に忠実な音質と信頼性の両立」というコンセプトをもとに挑戦を繰り返しながら発展させてきた音響機器です。1979年の誕生以来、過去12回に渡りオリンピック・パラリンピックに納入されてきたRAMSAの歴史とテクノロジーをご紹介いたします。



RAMSA Line Array Speaker Systems TOKYO 2020 Behind the Scenes

 

「創りだす音をあまねく世界中へ」がパナソニックの由来


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業務用音響機器システムイメージ

1954年に誕生したHi-Fiスピーカー「8PーW1」が、パナソニックにおける音響機器の原点です。当時の社名は松下電器産業であり、国内では「ナショナル」というブランド名を使用していましたが、その名がアメリカでは商標登録されていたため、「8PーW1」の輸出にあたり新しい名前が必要になりました。

そこで生み出されたのがラテン語の「Pan(汎、あまねく)」と「Sonic(音)」の組み合わせ。「当社が創りだす音をあまねく世界中へ」という想いが込められています。「8PーW1」は優れた音質から20年以上も現役で愛されることになり、パナソニックというネーミングもアメリカのオーディオ愛好家を中心に広まっていきました。

東京1964オリンピックでは、各競技場に設置する音響設備の約7割を当時の特機部門の松下通信工業が納入。それまで培ってきた音響機器の技術をベースにして、本格的に設備用の音響機器の開発に力を入れることになるきっかけとなりました。

 

オリンピックを支え続ける業務用音響システム

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より進んだ音響システムを目指してはじまった「RAMSA」


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1970年代、海外からのアーティストが日本でコンサートを行う場合は、まだ海外製の音響機器を使用するのが一般的でした。そんななか松下通信工業は、1977年にまったく新しい音響システムの開発を決断。音を電気信号に変換するマイクロフォンから、音量や音質を調整するミキサー、その信号を増幅するアンプ、信号を音に変えるスピーカーまで、全てを一貫して生産し、システム全体の整合性を追求するという壮大なプロジェクトでした。

コンセプトは「より進んだミュージックサウンドの探求」。その英訳である「Research of Advanced Music Sound and Acoustics」の頭文字を取り「RAMSA」と名付けたのです。


「RAMSA」のお披露目イベントに選んだのが、1979年開催の伝説的なロック・フェスティバル「Japan Jam」でした。江ノ島の海岸沿い、約3万平方メートルという国内では前例のない広大な特設会場に音を響かせるため、新開発のスピーカーが山のように積み上げられました。

砂混じりの潮風が吹くなか、開催2日間の連続使用という非常に厳しい環境。夜になりスポットライトが点灯すると、野外用電源供給車両のブレーカーが落ちる寸前になるなど、数々のトラブルを乗り越えて鮮烈なデビューを果たしました。同年「RAMSA」ブランドの音響機器、全22機種を同時に発売しています。

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最新のRAMSAのサウンドシステムについて

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オリンピックのサウンドを変えた「ラインアレイスピーカー」誕生


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「RAMSA」の音響システムが初めてオリンピックに登場したのは、プロオーディオの本場であるアメリカでした。アンプやスピーカーといった個別の製品に競合するメーカーはアメリカ国内にも数多く存在していましたが、システム全体を一括で製造する総合力により納入が決まりました。そうしてロサンゼルス1984オリンピック・パラリンピックが開催されると、設備用音響システムとして「RAMSA」は国際的に高い評価を獲得。それ以後の大会でも正式に納入されることになりました。

長野1998冬季オリンピック・パラリンピックでは、7競技68種目ほぼ全ての舞台に「RAMSA」の音響システムを納入。雪国でも優れた性能を発揮する全天候型スピーカーが活躍しました。ソルトレイク2002冬季オリンピック・パラリンピックでは、マイナス10度から20度という極寒のなか、15会場に音響システムを設置。凍結による故障を防ぐために、使用場面以外でも24時間通電してかすかなノイズを流すといった工夫をするなど、積み上げてきた技術と経験で迫力のあるサウンドを届けています。


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2004年、ギリシャの首都であるアテネでのオリンピックは、1896年の第1回開催以来108年ぶりとなる記念すべき大会であり、「RAMSA」にとっても大きな転換期となりました。この大会で初めて登場したのが、パナソニックで開発したRAMSAのラインアレイスピーカー「WS-LA1」です。音響条件の悪い空間でも明瞭かつ遠方まで高品位なサウンド届けることのできるラインアレイスピーカーはスタジアムにおいて会場のどの場所で聴いても高い明瞭性と遠達性を実現しました。

アテネ2004の33会場に納入した「RAMSA」のスピーカーは約1800台。108年前と同様に会場に選ばれたパナシナイコスタジアムにも44台のラインアレイスピーカー「WS-LA1」が設置され、オリンピックの聖地を高品質のサウンドで満たしました。

 

RAMSAのラインアレイスピーカーの詳細と開発秘話

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東京2020の会場に音を響かせた数々の名機


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オリンピックスタジアムでの開閉会式セレモニーをはじめ、多くの競技が無観客での開催となった東京2020。入場行進する205の国と地域を代表するトップアスリートを迎えたのは勇壮な楽曲群でした。世界中で愛されている日本発のゲームミュージックが選手たちを鼓舞したのです。

オーケストラのような複雑で起伏の激しい音色も、繊細かつダイナミックに表現できる「RAMSA」の音響システムが、その性能を最大限に発揮しました。客席向けに常設していた248台の大型ラインアレイスピーカー「WS-LA4WP」に加え、トラックやフィールド向けに仮設で約40台を追加で納入。セレモニーに最適化させた音響システム構築により、行進する選手たちに臨場感たっぷりの美しい音色を届けました。


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3x3バスケットボールをはじめ、スケートボード、BMXフリースタイル、スポーツクライミングといった多くのアーバンスポーツが新競技として採用された東京2020。試合展開や登場選手に合わせた楽曲をスポーツDJがセレクトするなど、競技と音楽が密接に結びついているのも革新的でした。

そのメイン会場となった有明アーバンスポーツパークには、空間にクリアなサウンドを響かせるラインアレイスピーカー「WS-LA500AWP」に加え、表現力の高さに定評がある2ウェイバスレフ形スピーカー「WS-AR200」を設置。無観客でも選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、音楽の力で会場を盛り上げました。

 

東京2020の音響システム構築の舞台裏

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ハードウェアのポテンシャルを最大限に引き出す音響シミュレーションソフトウェア「PASD」


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設置場所の空間や環境に合わせて、効率よく明瞭な音を届けることができるラインアレイスピーカー。その性能を最大限に引き出すためには、専門家による高精細な音響シミュレーションと調整が欠かせませんでした。何台のスピーカーをつなげ、どのような角度に固定し、設置場所はどうすれば良いのか……事前設計だけでなく現場での調整にも、プロフェッショナルの知識と経験が必要になります。

その膨大なノウハウを集約したソフトウェアを、最新型のラインアレイスピーカー「WS-LA4WP」や「WS-LA500AWP」に合わせて開発しました。パナソニック音響シミュレーションソフトウェアの英文である「Panasonic Acoustics Simulation Designer」の頭文字を取り「PASD」と名付けています。


半世紀以上に渡り音響機器を開発し続け、設計、施工、運用、保守まで、トータルでサポートをしてきたパナソニックの強みを活かして開発された「PASD」。このシミュレーション技術の進化により、設計や設営の時間を大幅に短縮しながら、音響システムのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能となりました。東京2020の開催に向けて一新された「RAMSA」の羅針盤とも言える存在です。

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音響シミュレーションソフトPASDとは?

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理想的な音響空間を目指すRAMSAの挑戦 東京2020の「サウンド」を届けたパナソニックの設備用音響機器システム

「創りだす音をあまねく世界中へ」という想いを掲げながら、設備用音響システムの分野を牽引してきたパナソニック。無料ダウンロードできる資料では、ラインアレイスピーカーの構造や開発秘話、音響シミュレーションソフトウェア「PASD」を活用した最新の音響システムについて、より詳しくご説明いたします。「RAMSA」が実現した理想的な空間音響とは? 東京2020の現場からの声と合わせてお届けいたします。

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