健康経営の重点取り組み
-健康意識とヘルスリテラシーの向上
睡眠と運動を起点としたヘルスリテラシー向上
健康データ分析から見えた課題
当社では健康診断、ストレスチェック等のデータを分析し、健康状態と生産性指標の関係を検証しています。その結果、適正な生活習慣を実践している従業員ほど、パフォーマンスが高く、ワーク・エンゲージメントが高い一方で、プレゼンティーイズムが低いことが確認されました。特に、適正習慣数が0個の従業員と5個の従業員を比較すると、パフォーマンスは36%向上しており、健康行動が生産性に大きく関係していることが明らかとなりました。
睡眠と運動が生産性向上の鍵
生活習慣ごとのパフォーマンスへの影響を分析した結果、最も影響が大きかったのは睡眠であり、次いで運動であることが分かりました。睡眠で十分な休養が取れている従業員は、取れていない従業員と比較してパフォーマンスが高く、プレゼンティーイズムが低く、ワーク・エンゲージメントも高い傾向が確認できました。また、運動習慣についてもパフォーマンス指標への影響が大きいことが確認できました。
これらの結果から、睡眠と運動に関する正しい知識を身につけ、自ら健康行動を実践できる社員を増やすことが重要であると考えます。
ヘルスリテラシー向上の取り組み
一人ひとりが健康の重要性を理解し、自律的に健康行動を実践できるよう、睡眠をはじめとした健康情報の発信やオンライン研修、健康イベントなどを継続的に実施しています。また、健康に関する知識の習得だけでなく、自身の健康状態を客観的に把握し行動変容につなげられるよう、自分自身の睡眠行動を振り返るアンケートを定期的に実施しています。
従業員が「知る」だけではなく、「気づき」「行動する」ことを重視し、健康習慣の定着を支援しています。こうした活動を通じて、一人ひとりのヘルスリテラシー向上と、自立的な健康づくりを実践するヘルスオーナーシップの醸成を目指しています。
行動変容を後押しする環境整備
知識習得だけでは行動変容につながりにくいことから、学んだ内容を実践しやすい職場環境づくりも推進しています。運動オフィスの導入により業務の合間に気軽に身体を動かせる環境を整備するとともに、カームダウンルームを設置し、心身をリフレッシュできる場を提供しています。
健康行動を「意識して頑張るもの」ではなく、「自然に実践できるもの」とすることで、睡眠改善や運動習慣の定着を支援し、ヘルスリテラシー向上によって得た知識を日常行動へとつなげています。
取り組みの成果
意識変容の効果測定は生活習慣の改善意思を持つ社員の割合で確認、また行動変容は適正習慣数の平均値で確認しています。2025年度は2020年度と比較して、改善意思割合※、適正習慣数ともに増加しています。
※定期健康診断の問診票で、改善意思割合「運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか」に「近いうち(概ね1ヶ月以内)に改善するつもり」「既に改善(6ヶ月未満)」「既に改善(6ヶ月以上)」と回答
女性特有の健康課題への理解促進、女性が働きやすい環境づくり
当社は、働くすべての仲間が尊重され、持っている力を最大限発揮できるよう、社内の様々なマイノリティギャップを解消する取り組みを行っています。当社のジェンダーバランスは、男性社員が80%を超えており、女性社員の活躍を支えるためには「女性特有の健康課題」を男女問わず全社員で正しく理解することが重要と考え、女性特有のヘルスケアに関する健康リテラシーを向上させ、自律的なライフプラン設計や様々な家族の在り方を支援し女性が働きやすい職場環境づくりを行っています。
女性特有の健康課題への理解促進のための研修
毎年、マネージャーへの新規昇格者に対してDEI研修で「更年期」「月経」「PMS」などに関して学び、ジェンダーの区別なく女性の健康に対しての理解を深めます。(2025年度対象者数147名、参加者数127名、参加率86.4%)
卵子凍結費用助成
2023年10月より卵子凍結に対する助成制度を導入しました。本制度は、当社で働く女性社員が卵子凍結を一つの選択肢として、自分自身の成功・働きがいの実現に向けた自律的なライフプランを設計することで、より幅広いチャンスを選択できるようにするためのものです。具体的には、社員が卵子凍結を行うクリニックに対して支払う採卵・凍結費用40万円を上限に補助します。また、卵子凍結に関する理解を深めるための社員向けセミナーを実施し、ヘルスリテラシーの向上を図ります。
生理休暇の名称・制度変更
上司に「生理」と直接的なワードで休暇を伝えづらい。そのため、生理休暇制度があっても取得しにくい、という声をきっかけに、2023年4月より生理休暇の名称を「たんぽぽ休(通称:T休)」に変更しました。また、PMSでの取得や半休も可能にする等、個人ごとに異なる生理の悩みに柔軟に対応できるように、一部制度の見直しを行いました。この結果、取得人数は2倍になり、生理休暇の取得のしやすさにつながりました。
女性検診の受診促進
乳がん検診、子宮がん検診、PHV検査等、幅広い女性検診メニューを提供しています。また株式会社Cradleが提供するDEI&ヘルスケアサポートパッケージ「Cradle」を導入し、専門家によるオンラインセミナーを通じてヘルスリテラシー向上を図るとともに、検診や治療の機会を提供しています。
女性の産休・育休面談
産休・育休を取得する女性社員へのサポートを目的に、上司・人事と合計3回(産休前、復職直前、復職後3か月)の面談を実施します。女性社員が安心して休暇を取得し復帰できること及びその上司が部下の状況を正しく認識し個々人に配慮した対応を行うことを目的に、産休・育休取得のサポートだけでなく、取得後のキャリアやワークスタイルについて共有します。
男性の育児参加推進
ジェンダーに関わらず家事や育児を担い、全ての社員が育児と就労を両立できるようには2019年に男性育児休業100%宣言をしました。また、出生時育児休業または育児休業のうち最大30日を有給化するなど制度も整え、社員が仕事と育児を両立できる環境づくりを進めています。
その結果、2025年度は男性の育児休業の取得率93%、平均取得日数は57.2日となりました。
取り組みの成果
一連の取り組みは、女性社員のエンゲージメント向上につながっており、従業員エンゲージメントサーベイの「個人の尊重」に関する設問の女性社員の平均スコアが向上しています。