製品使用
日々の効率化が、サステナブルな未来につながる
パナソニックグループの2020年度グローバル事業に伴うCO2総排出量のうち、約80 %を占めたのが商品使用時によるものでした。プロジェクター開発を担う私たちも、性能の向上だけを考えるのではなく、ライフルサイクル全体でのエネルギー収支にも配慮しなければなりません。より明るい映像を、少ない電力消費で、長時間お届けする。私たちは、プロジェクターの使用がそのまま「エコ」につながるような、そんなプロジェクター開発を目指しています。
明るい映像を少ないエネルギーで実現
エネルギー効率を上げるには、1ワットあたりで得られるルーメン値(輝度)を高める必要があります。当社では、光学システムの継続的な改良を通し、エネルギーから光への変換効率や、集光効率の向上に取り組んでいます。例えば「PT-VMZ71シリーズ」は、前モデル「PT-VMZ60シリーズ」比で約20%もの電力カットを実現しています。明るく使える利便性と、低消費電力がもたらす環境への貢献。その両立のため、これからも、エネルギー効率に優れた光学設計を追求していきます。
※ 「20%」:PT-VMW50J(5,000 lm、消費電力360 W、2019年2月発売)とPT-VMW51J (5,200 lm、消費電力305 W、2022年2月発売)を比較した場合。
多彩なエコ機能でさらなる省エネを支援
省エネ運用を支える多彩なエコ機能をご用意しています。周囲の明るさに合わせ自動で輝度調整を行う機能や、無信号状態での節電をサポートする機能に加え、最大輝度を必要としない環境に向け、消費電力を抑えながら運用できる「ECO」モードを多くのモデルに搭載しています。1チップDLP®プロジェクター「PT-REZ12JL」の場合、「ノーマル」モードから「ECO」モードへの切り替えで、12,000 lm*1の明るさが9,600 lm*1まで下がる代わりに、20,000時間*2の光出力半減時間を24,000時間*2まで伸ばすことができます。24時間 × 13年の稼働を想定すると、その差はプロジェクター1台分に相当し、6台のリプレイスが5台で済む計算になります。「ECO」モードの利点は、長寿命化だけでなく、稼働時の電力消費が抑えられる点にもあります。先述した「PT-REZ12JL」の場合、「ECO」モードへの選択で消費電力(オンモード時)を850 W*3から650 W*3まで削減でき、光出力半減時間*2までの総消費電力でみると、1,400 kWh(キロワットアワー)もの節約につながります。お使いの環境に合わせて、無理なく省エネ対策を行える当社製プロジェクターは、運用面でもサステナブルであるといえます。
※ 搭載機能はモデルにより異なります。寿命等の比較は、PT-REZ12JL以降の発売モデルも同等の仕様・性能を維持した場合を想定しています。実際の交換サイクルは使用環境その他により異なる場合があります。詳しくは対応製品の取扱説明書をご覧ください。
*1 工場出荷時における本製品全体の平均的な値を示しており、JIS X 6911:2021 データプロジェクタの仕様書様式に則って記載しています。測定方法、測定条件については附属書 B に基づいています。
*2 [ダイナミックコントラスト]を[3]に設定、IEC62087:2008 ブロードキャストコンテンツ投写、温度35 ℃、海抜700 m、ほこり環境0.15 mg/m3 の条件下で、光出力が半減するまでの使用時間です。20,000 時間を目安に、内部清掃を兼ねた点検を販売店にご依頼ください。使用条件や使用環境によって光出力半減時間は異なります。使用環境によってメンテナンス時期が短くなる場合があります。使用時間が20,000 時間を超えた場合は、本機内部の部品交換が必要となる場合があります。
*3 測定方法、測定条件については、JIS X 6911:2021 データプロジェクタの仕様書様式に則って記載しています。オンモード消費電力は環境条件、周囲温度 25 ℃、標高700 m の条件にて測定しています。
待機電力を削減
当社のプロジェクターは、欧州委員会が定めるErP指令「Lot 6」に準拠し、待機電力を0.5 W以下に抑える「ECOスタンバイ」モードを搭載しています。学校やオフィス、ミュージアムなど、多数のプロジェクターが使用される環境でも、エネルギー消費を抑えながら運用いただけます。
長く使える安心設計
独自の品質試験で高い信頼性を確保
1977年のプロジェクター事業立ち上げ以来、私たちは数々の「現場」に立ち会い、そこで得た貴重なノウハウを蓄積することで、実使用に強い、堅牢なプロジェクターの開発に努めてきました。製品の寿命、信頼性、安定運用などは、文教、企業、エンターテインメントを問わず、すべてのお客様が重視される本質的なニーズであり、かつそれは、実際に運用される「現場」に即したものでなければなりません。そのような責任を担うメーカーとして、当社では、長きにわたり蓄積してきたノウハウをもとに、のべ100件以上に及ぶ品質試験・検証を実施しています。過酷な粉じん環境など、通常より厳しい環境での耐久性を測ることで、さまざまな設置環境や輸送要件に対応します。ひとつの製品をより長く、安心してお使いいただけることは、環境への配慮にもつながります。お客様の安心と、環境負荷低減を実現していくため、私たちはこれからも「高信頼な」メーカーであり続けます。
工場での加速防塵試験
耐久性を証明するための負荷試験
長寿命部品の採用
2013年、自社ラインアップ初となる、水源フリーなレーザー光源を搭載したプロジェクター「PT-RW330J」を発売。これにより、数千時間ごとに必要だったランプ交換・廃棄の手間がなくなりました。レーザー光源は20,000時間お使いいただけることから、リソース・廃棄物の削減にも貢献します。これらの特長を活かした「SOLID SHINEレーザー」テクノロジーに、独自の冷却システム、フィルターレスデザイン、長寿命エコフィルターなどを組み合わせ、部品の定期的な交換や、メンテナンスにかかる手間・コストの削減を可能にします。
※ ランプ交換サイクルはおおよその値であり、モデルにより異なります。
※ 「20,000時間」:光出力が半減するまでの使用時間。プロジェクターの仕様や設定、使用環境などによって異なります。詳しくは製品の仕様をご確認ください。使用環境によってメンテナンス時期が短くなる場合があります。使用時間が20,000 時間を超えた場合は、本機内部の部品交換が必要となる場合があります。
消耗部品のムダを削減
当社のDLP®レーザープロジェクターは、高効率な冷却システムの採用により、エアフィルターが要らない「フィルターレスデザイン」を実現しています。液晶レーザープロジェクターについても、水洗いでくり返し使える長寿命フィルターを採用しており、従来品に比べ、交換サイクルを伸ばすことに成功。今後とも、消耗部品の削減など、内部設計の効率化に努めていきます。
※ フィルター交換サイクルは、モデルや使用状況、使用環境により異なります。エコフィルターは2回まで洗えます。詳しくは対応製品の取扱説明書をご覧ください。
長期運用のための防じん設計
より厳しい環境で長寿命を実現するため、一部モデルには、IEC 規格60529/JIS C0920 IP5X(防塵形)に適合した光学エンジン・レーザー光源モジュールを搭載しています。そのノウハウを継承・進化させ、レーザープロジェクターの信頼性をさらに高めていきます。
※ 対応モデルの防塵性能は、全ての条件下(導電性の粉塵が舞う環境など)の使用における製品の無破損、無故障を保証するものではありません。油分、塩分、水分を含むスモークのある環境の場合はエンクロージャーなどをお使いください。
エンターテインメントを通した社会貢献
歴史的なパンデミックが浮き彫りにしたのは、実際に触れ、感動を分かち合えるリアルなエンターテインメントの重要性でした。プロジェクターを用いた演出は、空間全体を包み込む臨場感で驚きと感動を与え、会場に集まった人々を「つなぐ」ことに貢献します。その実現に向けては、IDEA (Inclusivity = 包括性, Diversity = 多様性, Equity = 公平性, Accessibility = 近づきやすさ) の理念が大切になります。例えばライブビューイングなどでプロジェクターが映し出す大画面映像は、現地の熱気を伝えるだけでなく、移動が困難なお客様に参加いただけるところにも意義があると考えます。多様な個人が、属性や違いを越え、ともに喜び、感動を分かち合う。その思いを「つなぐ」ことは、エンターテインメントが担う大切な社会貢献であり、私たちは今後とも、事業活動を通じた貢献を続けていきます。
サステナブルな働き方と学習スタイルをサポート
対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型コミュニケーションの普及もあり、映像メディアを活かして会議・授業の質を高めることが重要となっています。当社の次世代プロジェクターは、明るい場所でも鮮明に映し出せる高輝度と、快適なプレゼン環境を支えるクイックオンオフ機能などの搭載で、実りあるコミュニケーションの実現に貢献します。また、プレゼンごとの資料配布が大画面に置き換わることで、紙使用を抑えるペーパーレス化を促進。学校においては、大きなスクリーンを活用した双方向型ICT教育が自発的な学びを促しており、そのことが、公平で質の高い教育の実現につながっています。
環境保護への貢献 お客様や社会への貢献