デジタルサイネージの運用に必要なものは?基本的な仕組みや運用サイクルを紹介
2024.06.26
近年は企業ビルや商業施設、自治体など、幅広い場所で導入が進んでいるデジタルサイネージ。
商品・サービスの訴求だけではなく、観光情報や緊急情報など、幅広い用途で活用できるデジタルサイネージを導入したいと考えている方もいるでしょう。
デジタルサイネージを適切に運用していくためには、仕組みや運用サイクルを把握しておくことが大切です。
この記事では、デジタルサイネージの仕組みや種類、運用に必要なもの、運用サイクルについて詳しく解説します。
デジタルサイネージの仕組み・種類
デジタルサイネージは、ディスプレイやプロジェクターなどの機器を使用してコンテンツ・情報発信を行うメディアの一種です。
販促や宣伝目的で活用されるケースが多いですが、近年は駅や空港などのインフォメーション、自治体の災害時における情報発信手段など、さまざまな用途で利用されています。
デジタルサイネージは大きく分けて「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」の2種類であり、それぞれ異なる特徴を持ちます。
ここでは、それぞれの概要を紹介します。
1)単体で運用できる「スタンドアロン型」
スタンドアロン型とは、インターネット接続なしで静止画や動画などのコンテンツを発信するタイプのデジタルサイネージです。
ネットワーク環境の構築やシステムを導入する必要がなく、単体での運用が可能であるため、導入費用やランニングコストは比較的安くなります。
コンテンツは、デジタルサイネージに内蔵されたメディアプレイヤーやUSBメモリー・SDカードなどの記憶媒体を直接つなげて発信できます。
特殊な操作や管理が必要ないため、手軽にデジタルサイネージを導入したい場合やコンテンツの更新を頻繁に行わない場合などにおすすめです。
2)遠隔操作・管理ができる「ネットワーク型」
ネットワーク型とは、インターネット経由でコンテンツの発信・更新を行うタイプのデジタルサイネージです。
離れた場所からの遠隔操作が可能であり、デジタルサイネージが設置されている場所まで足を運ぶ必要がないため、任意のタイミングでコンテンツを発信できます。
リアルタイムで情報を発信できるため、タイムセールや期間限定イベントの告知、天気予報やニュース、災害時の緊急情報の発信などさまざまな場面で役立ちます。
また、ネットワーク型は複数のデジタルサイネージをまとめて管理できるため、コンテンツの更新時に手間や時間がかかりません。
デジタルサイネージを運用するために必要なもの
デジタルサイネージは、ディスプレイを設置するだけでは運用できません。
特にネットワーク型は複数の要素を揃える必要があるため、事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、デジタルサイネージを運用するために必要なものを紹介します。
1)ディスプレイ
デジタルサイネージを運用していくには、まず専用のディスプレイが必要です。
デジタルサイネージ用のディスプレイにはさまざまなサイズや機能があり、幅広いラインナップから選べます。
静止画や動画を映し出す目的であれば家庭用のテレビで代用できると思われるかもしれないですが、視野角や輝度などのスペックが不十分な場合があります。
デジタルサイネージとして運用していくのであれば、あらゆる状況でも安定したコンテンツ発信ができる専用のディスプレイの導入をおすすめします。
2)STB(セット・トップ・ボックス)
STB(セット・トップ・ボックス)とは、ディスプレイに接続することで、デジタルサイネージとして利用することを可能とする機器です。
コンテンツを再生することに特化しており、箱状のものやUSBメモリのようなスティック状のものなど、さまざまな形があります。
STBはインターネット接続ができるため、コンテンツの発信や更新、スケジュール管理などを遠隔で行うことが可能です。
3)インターネット環境
デジタルサイネージを1台のみ設置する場合は不要ですが、ネットワーク型のデジタルサイネージを導入するのであれば、インターネット環境は必要不可欠です。
ネットワーク型は離れた場所からでもデジタルサイネージの遠隔操作ができることが強みであり、インターネット環境がなければそれを生かすことはできません。
また、複数のデジタルサイネージを運用する場合もインターネット環境があると管理がしやすくなります。
インターネットにつながっていればリアルタイムでコンテンツの発信・更新ができるため、必要な時に必要な情報を発信することが可能です。
4)コンテンツ
静止画や動画など、デジタルサイネージでは幅広いコンテンツ発信が可能であるため、コンテンツの質によって宣伝力や訴求力が変わります。
デジタルサイネージを導入するのであれば、ユーザーの目を惹くような魅力的なコンテンツを用意する必要があります。
コンテンツは自社で作成できますが、コンテンツ作成に必要な知識やスキルを有した人材がいない場合は外部サービスへの依頼をおすすめします。
外部サービスに依頼した場合はプラスでコストはかかりますが、より効果的な情報発信ができる可能性があります。
5)CMS(管理システム)
CMS(管理システム)とは、コンテンツの発信スケジュールを管理するためのシステムです。
複数のデジタルサイネージを運用している場合は管理が複雑化しやすいですが、CMSの活用で管理業務の効率化・円滑化が期待できます。
パソコンにインストールして使用するものや、クラウドサービスによって月額料金を支払うことで利用できるものがあります。
デジタルサイネージの運用サイクル
ここでは、デジタルサイネージの運用サイクルを紹介します。
1)プラン設計
デジタルサイネージを運用するのであれば、まずプラン設計から行う必要があります。
1ヶ月に4回コンテンツを更新する販促計画を立てるのが一般的であり、コンテンツを発信する時間帯や時期などのタイミングを具体的に設定することが大切です。
発信するコンテンツは販促計画を基にすることで、最適な内容やデザインの選定がしやすくなります。
2)コンテンツ制作
コンテンツ制作では、事前に必要となる画像や動画、音声やテキストなどを用意しておくとデザインがしやすくなります。
コンテンツを制作する際はターゲットとするユーザーに合わせて制作するのが基本であり、ユーザーの目を惹くことを意識するのが大切です。
制作するコンテンツは必ずしもクリエイティブである必要はなく、伝わりやすい内容であるかが重要です。
3)配信スケジュール作成
コンテンツ完成後は、年間の販促計画を基に配信スケジュールを考えます。
季節のイベントやタイムセールなど、特定の時間や時期に合わせて最適なコンテンツを割り当てることで、より効果的な訴求や集客につながる可能性があります。
ターゲットとするユーザーを意識することで、スケジュールも組みやすくなるはずです。
4)配信
スケジュールが決まれば、作成したコンテンツをスケジュールに沿って配信します。
ネットワーク型のデジタルサイネージであれば、あらかじめ配信予約ができる場合もあり、運用・管理業務にかかる手間を軽減できます。
スタンドアロン型を導入している場合は手動でコンテンツの切り替えを行わなければならないため、作業するタイミングを事前に決めておくことが大切です。
まとめ
この記事では、デジタルサイネージの運用について以下の内容で解説しました。
- デジタルサイネージの仕組み・種類
- デジタルサイネージを運用するために必要なもの
- デジタルサイネージの運用サイクル
デジタルサイネージは、アピールしたい商品・サービスの訴求や宣伝ができることがメリットです。
しかし、デジタルサイネージは運用方法一つで得られる効果が左右されるため、運用サイクルや配信するコンテンツの内容は慎重に検討する必要があります。
これからデジタルサイネージを新たに導入する場合は、プロに相談してみるのも一つの選択肢です。
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