多様な人材が活躍できる基盤・カルチャーづくり
-“Inclusion”を組織の力へ-
多様な人材がそれぞれの強みを発揮し、新たな価値を生み出し続ける組織であるためには、人が安心して挑戦し、互いを尊重しながら能力を発揮できる基盤・インクルーシブなカルチャーが欠かせません。
パナソニック コネクトでは、その基盤づくりを支える重要な取り組みとして、DEI、健康経営、AIの活用を推進しています。それぞれの取り組みを通じて、一人ひとりの可能性を引き出し、組織全体の力へとつなげることで、さらなるCONNECTers’ Successを目指します。
DEIを経営戦略の柱に
パナソニック コネクトのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)は、まず第一に「少数であること」やその他の理由で、権利が守られていない状況に対して、何をおいても妥協できない「人権」の問題として取り組んでいくべきものだと考えます。
さらには、企業競争力の源泉であると考えています。変革が常に求められる事業環境において、多様な発想がなければ、企業として生き残っていくことは困難です。イノベーションを起こし、変化に対するレジリエンスを持ち続ける企業となるためにも、私たちはDEIを経営戦略の柱のひとつと位置づけています。
DEIの次のステージは“Inclusion”へ
2017年より経営戦略の一環として推進してきたDEIの取組はパナソニック コネクトグループに着実に根付きつつあります。さらにお客様への価値提供を最大化するため、私たちはInclusion(インクルージョン)の実践を次のステージと位置付けています。
多様性は、それ自体が価値を生み出すのではなく、社員一人ひとりが組織への帰属意識 (Belonging)を持ちながら、自分らしさ(Uniqueness)を発揮し、多様な知や経験が結びつくことで、新たな価値創出や、より良い意思決定につながります。
年齢、性別、国籍、経験、働き方の違いを超え、それぞれの強みや個性を生かしながら、誰もが挑戦し成長できるインクルーシブな組織文化を育むこと。それが、社員一人ひとりの活躍をチームや組織の力へとつなげ、お客様価値の最大化と持続的な企業競争力の向上を支える基盤になると考えています。
科学的に実証されたDEIの価値
2025年6月には、パナソニック コネクトと明治大学による、「DEI推進が社員にもたらす影響」に関する共同研究の成果が、ネイチャー系ジャーナル「Humanities and Social Sciences Communications」(Springer Nature出版、掲載日:2025年6月20日)に採択されました。
本研究では、3,000名の社員データを分析し、多様性を「属性」「価値観」「スキル」の3つの側面から評価しました。その結果、属性の多様性に加え、価値観とスキルの多様性を掛け合わせることが「組織への帰属意識」と「仕事の意義」にポジティブな影響を与えることを科学的に実証しました。
こうした研究成果を踏まえ、多様な人材が集まることだけでなく、それぞれの違いを尊重し、強みを発揮し合えるInclusionの実践を通じて、多様性を組織の競争力として活かしていきます。
パナソニック コネクトは、
多様な価値観を持つ一人ひとりが活き活きと力を発揮できる
柔軟性の高い企業文化の改革に継続的に取り組み、
すべての人々が幸せに暮らし働き続けられる
社会の実現を目指します。
DEI推進体制と“Inclusion”の実践
新体制 事業責任者の参画でDEIの現場浸透を加速
担当役員である山口CMO(Chief Marketing Officer)に加え、2026年度からはアビオニクスビジネスユニットの事業責任者である加藤マネージングダイレクターが新たに担当役員に就任しました。事業部門の責任者が推進体制に加わることで、DEIと事業戦略の連動を一層強化していきます。
また、DEI推進室は人事総務本部のもとでCHROとも密接に連携し、人事制度や働く環境整備の施策を迅速に推進しています。経営・事業・人事・カルチャーのそれぞれの視点から連携し、Inclusionを組織全体で推進する体制を構築しています。
Champ活動 全国の職場リーダーによる現場推進
全国14の事業場・拠点にDEIの推進リーダー「Champ」を配置し、各事業場の課題や特性に応じた施策を、DEI推進室と連携して企画・実行しています。また、Champの活動を評価制度に組み込むとともに、各事業場へ活動予算を配分することで、継続的かつ主体的な活動を後押しする仕組みを整えています。
Inclusion Month 全社で学び、行動する機会を創出
2023年より10月を「DEI Month」と定め、全社でDEIについて学び、対話し、行動する機会を創出しています。2026年度からは「Inclusion Month」へと発展させ、全社向けフォーラムでは毎年、社内外の有識者による知見を共有することで、社員一人ひとりの価値観や知識の深化を図っています。 さらに、学びを実践につなげるため、DEI推進室・DEI Champ・事業場人事が連携し、各職場の課題やニーズに応じた企画を展開しています。2025年度は55企画、208件の施策を実施し、DEIの実践と組織への浸透を推進しました。
対話と共創で広げる“Inclusion”
現場の声を経営につなぎ、アクションへ
DEI担当役員が全国の事業場を訪問し、毎年テーマを設定して現場社員と率直に対話する「DEIキャラバン」を2017年から継続しています。キャラバンでは、まず社員との対話を通じて現場の課題や実態を把握し、その後、各事業場の責任者とDEI担当役員が現場の声をもとに組織課題や今後のアクションについて議論します。 社員の声を起点に、現場と経営が相互理解を深めながら、組織課題の解決とInclusionの実践を推進しています。
社外企業と連携し、ともにより良い社会の実現へ
私たち単独での取り組みにとどまらず、社外企業とも連携しながら様々な活動を推進しています。「Gemba Roundtable」は、現場の視点から働きやすい未来を考えるため、社員と役員がともに対話する場です。他企業でも実践できるよう、プログラム資料を公開し、活用を広げています。「Pride Action30」は、LGBTQ+当事者団体であるプライドハウス東京とパナソニック コネクトが共同で企画した取り組みです。参加企業が、今すぐできるアクションを発信し、LGBTQ+への理解やアライ(ALLY)の輪を広げることで、誰もが安心して自分らしく働ける社会の実現を目指しています。2024年は20社、2025年は65社、3年目となる2026年は106の企業・団体が参画しました。企業同士が知見や経験を共有しながら、よりインクルーシブな社会づくりを推進しています。
EOS*スコア
私は、一個人として尊重されている
私の職場では国籍・年齢・性別などにかかわらず、全ての人が公平に扱われている
*Korn Ferry社の従業員エンゲージメントサーベイ
誰もが活躍できる環境づくり
女性リーダーの育成・登用
意思決定層の多様化を進める取り組みの一つとして、女性リーダーの育成・登用を推進し、2035年までに女性管理職比率30%を目指しています。異業種・他社とのクロスメンタリングや越境研修などを通じ、キャリア開発とネットワーク形成を支援しています。
社内においても、全拠点の女性管理職層が集う「Women In Leadership Meetup」の開催や、女性のラーニング&ネットワーキングイベント「Connect Woman’s Day」の開催などを通じ、ロールモデルの可視化やネットワークづくりを推進しています。
男性育休取得の推進
2019年に株式会社ワーク・ライフバランスの「男性育休100%宣言」に賛同しています。男性育休ガイドブックの作成・配布や、男性育休取得者の座談会などの活動に加え、2022年より出生日等育児休業について、育児に携わる社員が利用しやすいよう30日間の有給化を実施しました。
女性管理職比率
2026年4月1日時点
9.1%
0.8% up(YoY)
男性育休取得率 / 平均取得日数
2025年実績
93%/57.2日
8pt down(YoY)
9日 up(YoY)
LGBTQ+ 多様性と平等の尊重 - 自分らしく働ける職場
一般社団法人work with Prideが策定する「PRIDE指標2024」において、初めてレインボー認定を獲得しました。この認定は、LGBTQ+などセクシュアル・マイノリティに関する職場での取り組みを評価するものです。
2024年2月に発足した、ALLY(アライ)企業がつながり学び合う「レインボービジネスネットワーク」の運営が高く評価されました。なお、パナソニックグループとしては、2016年から9年連続でゴールド認定を獲得しています。
障がい 誰もが安心して働ける環境づくり
役員は、ユニバーサルマナー検定3級の取得を通じて障がいへの理解を深めたうえで、聴覚・視覚障がいや車いす利用などを体験するプログラムに参加しました。障がいのある方が日常生活や職場で直面する困難や不便さを自ら体感することで、誰もが安心して働くために必要な配慮や仕組みについて、設備・制度の両面から課題を再認識する機会となりました。
また、40年以上にわたり障がい者雇用に取り組んできた特例子会社が吉備(岡山)、交野(大阪)にあります。一人ひとりの特性や強みに寄り添い、障がいのある社員が中心となって活躍し、共に活躍できる職場づくりを実践しています。
Well-beingを支える基盤
生理休暇制度の見直し
生理休暇制度があっても、直接伝えることへの心理的なハードルから取得しにくいという声を受け、2023年4月に名称を「たんぽぽ休(通称:T休)」へ変更しました。また、PMS(月経前症候群)による体調不良にも対応できるよう半休取得を可能にするなど、制度の見直しも進めています。こうした取り組みにより取得人数は約2倍となり、必要なときに利用しやすい環境づくりにつながっています。
理解促進と環境整備
生理への理解を深めるため、役員を含む社員が参加する生理痛体験会を実施しています。こうした取り組みを通じて、一人ひとりが異なる健康課題への理解を深め、必要な配慮や支援について考える機会を提供しています。
また、2024年10月からは女性用トイレへの生理用品の設置を開始しました。さらに、アンケートで「男性用トイレにもサニタリーボックスを設置してほしい」という声が多く寄せられたことを受け、2025年10月から設置を開始しています。病気や体調不良、性的マイノリティなど、さまざまな事情を抱える社員が必要なときに支援を受けられる環境整備を進めています。
卵子凍結費用助成制度
2023年10月より卵子凍結に対する助成制度を導入しました。本制度は、女性社員が卵子凍結を将来の選択肢の一つとして捉え、自らのライフプランやキャリア形成を主体的に考えられるよう支援するものです。
具体的には、卵子凍結を行うクリニックへ支払う採卵・凍結費用について最大40万円を補助しています。また、制度導入にあわせて社員向けセミナーも実施し、ヘルスリテラシーへの理解促進に取り組んでいます。
誰もが安心して働ける環境づくり
バリアフリー
障がいのある従業員へのヒアリングを起点に、全国のオフィスや工場でバリアフリー化を推進しています。段差を解消するスロープや障がい者専用の屋根付き駐車場、音や光で知らせる避難誘導灯、バリアフリートイレの改修など、安全かつ快適な環境整備を進めています。
2022年から2025年度に実施した「設備改善プロジェクト」では、全国53カ所において改善対象設備の約9割の改修を完了しました。また、本社オフィスでは車いす利用者の負担軽減を目的に、重い観音開きの扉を顔認証対応の自動ドアへ改修しています。こうした取り組みを通じて、アクセシビリティの向上と誰もが活躍できる職場の実現を目指しています。
カームダウンルーム
カームダウンルームは、感情や緊張の高まりを落ち着かせたいときや、片頭痛・生理痛・PMSなどによる体調不良の緩和など、ストレス軽減や集中力回復を目的とした休息スペースです。
発達障がいや知的障がいのある方をはじめ、多様な社員が安心して働ける環境づくりを目指し、実証実験で得られた利用者の声や運用ノウハウを反映して、浜離宮・横浜・京橋・北門真・福岡の全国5拠点へ展開しています。社員の多様な心身の状態に寄り添い、一人ひとりが安心して働き続けられる職場環境づくりを進めています。
英語表記・ピクトグラム
増加する外国籍社員や海外からのお客様にも必要な情報が伝わるよう、社内施設や場所案内の英語表記を進めています。施設案内やフロアマップ、食堂・休憩室の案内、ごみ分別表示など日常のオフィス生活に関わる情報に加え、避難経路や非常口、消火器、AEDの設置場所など緊急時に必要な表示も対象としています。
また、デザイン部門と連携し、日本語・英語表記に加えてピクトグラムを併記することで、言語に依存しない分かりやすい情報提供を推進しています。
ハラル・ヴィーガン
増加する外国籍社員や海外からのお客様にも必要な情報が伝わるよう、社内施設や場所案内の英語表記を進めています。施設案内やフロアマップ、食堂・休憩室の案内、ごみ分別表示など日常のオフィス生活に関わる情報に加え、避難経路や非常口、消火器、AEDの設置場所など緊急時に必要な表示も対象としています。
また、デザイン部門と連携し、日本語・英語表記に加えてピクトグラムを併記することで、言語に依存しない分かりやすい情報提供を推進しています。
キャリアとライフを 自らデザインできる環境づくり
コネクトワークスタイル 自律的な働き方・休み方)
社員一人ひとりが、自分らしいキャリアとライフを描き、力を最大限に発揮できるよう、働く時間・場所・休み方・社外副業などを自律的に選べる環境を整えています。 「Work Anywhere」や「週N日 (週3日・4日)勤務」は、働く場所や時間の選択肢を広げる制度です。休み方においては、年次有給休暇の取得促進に加え、「オールシーズン休暇」や「チャレンジホリデー」など、計画的な連続休暇の取得を後押しする制度を設けています。
さらに社外副業制度「フクギョー!!」では、専門性の発揮や社外で得た刺激・気づきを通じて、その経験を社内での業務や価値創出に活かす機会を提供しています。こうした環境が、一人ひとりの自律的な成長を支え、多様な人材がそれぞれの強みを発揮し続けられる基盤となっています。
年次有給休暇取得日数
2025年度実績
平均取得
日数19.2日
0.6日up(YoY)
チャレンジホリデー
2025年度実績
取得率98%
no change(YoY)
社外副業制度「フクギョー!!」
2025年度実績
制度
利用者数103名
52名up(YoY)
仕事や目的に応じて働く場所を選べる
日々の働き方を自らデザインできるよう、オフィスにABW(Activity Based Working)の考え方を取り入れています。ABWとは、その時の仕事内容や目的に応じて働く場所を選ぶ働き方です。ひとりで集中したいとき、新しいアイデアを生み出すためにチームで議論したいとき、上司との1on1を気軽な雰囲気で行いたいとき、社内イベントで気軽につながりたいときなど、様々な働き方を支える職場環境を整備しています。
また、仲間が自由に集い、休憩や対話、学び、共創を生み出すスペース「COMMONS」を整備し、組織や世代を越えたつながりの創出を支援しています。社員一人ひとりの自律的な働き方と、チームの成果最大化の両立を目指しています。
心身ともに健康・安全で働き続けられる基盤づくり
ヘルスオーナーシップ - 健康自立
社員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと働き、自らの能力を最大限に発揮できる状態を目指しています。その実現に向けて、「ヘルスオーナーシップ」を健康経営の中核に据え、社員自身が健康を自分ごととして捉え、主体的に行動できる環境づくりを進めています。会社は、健康増進に関する情報提供や各種施策を通じて、その実践を支援しています。
メンタルヘルス対策
社員が安心して働き続けられる職場環境の実現に向け、メンタルヘルスの維持・向上を重要な経営課題と位置付けています。ストレスチェックでは、職場ごとの集団分析結果から総合健康リスクを把握し、「仕事の量的負担」「コントロール」「上司支援」「同僚支援」などの職場環境要因を分析しています。分析結果は職場改善活動に活用するとともに、総合健康リスクが高い職場に対しては専門職や人事部門がフォローを実施し、職場環境の改善とメンタルヘルス不調の未然防止につなげています。
生活習慣改善
健康診断やストレスチェックの分析結果から、「睡眠」「運動」「食事」「飲酒」「禁煙」の5つの生活習慣の実践状況と健康・仕事のパフォーマンスとの関連を分析しています。その結果、望ましい生活習慣を多く実践している社員ほど、健康状態が良好で、仕事のパフォーマンスも高い傾向が確認されています。一人ひとりが自身の改善課題を見つけて主体的な改善に取り組める環境を整え、健康関連情報の提供、啓発活動などを通じて行動変容を支援し、健康増進とワークパフォーマンス向上を推進しています。
リスクの見える化による労働安全衛生の強化
ISO45001に基づくリスクベースアプローチを取り入れ、ヒヤリハットや危険予知活動を通じて収集した情報の分析と活用を進めています。分析結果から重要リスクを特定し、リスクアセスメントを通じて優先的に改善を実施するとともに、その内容を全社共通ルールや教育へ反映しています。これにより、個人の注意に依存しない仕組みづくりを進め、労働安全衛生マネジメントシステムの継続的改善と災害防止に取り組んでいます。
健康とパフォーマンスに関する指標
2025年度実績
ワーク・エンゲージメント*1
2.5点/目標2.6点
アブセンティーイズム*2
1.1日/0.1日良化(YoY)
プレゼンティーイズム*3
20.2%/0.5%良化(YoY)
労働安全衛生に関する指標
2025年1月〜12月実績
休業度数率*4
0.0571
強度率*5
0.0006
全災害度数率*4
0.7420
*1 調査方法:新職業性ストレス簡易調査票
*2 調査方法:SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)によるプレゼンティーイズム平均値
*3 調査方法:病気による休職日数合計の全社員平均値
*4 度数率:災害の発生頻度
*5 強度率:災害の深刻さ (重さ)
AI Readyな組織への変革
AI活用実績
2025年度実績
総削減時間
78.8万時間
1.8倍(YoY)
利用回数
361万回
1.6倍(YoY)
一回あたりの平均削減時間
33分
17.9% up(YoY)
月間ユニークユーザー
61%
11.9pt up(YoY)