最前線を支える、タフな相棒
タフの哲学
それは世界中のフィールドワーカーの声から生まれた
タフブック/タフパッドが実現してきた頑丈設計が他社とは違うのは、顧客のニーズを的確に把握するため、
パナソニック社員や設計スタッフが直接現地に出向き、直にお客様とお会いしてお話を伺って製品作りに反映する「現場主義」で作られていることです。
現地駐在の営業スタッフはもちろんのこと、日本から出向いた技術スタッフが、直接吸い上げたユーザーの生の声が、開発にフィードバックされています。
過酷な現場で使えるPCを!
1990年代半ば。日本でノートPCといえば、まだ高価なオフィス機器のイメージが強かった頃、すでに欧米ではオフィス以外での現場作業(フィールドワーク)へのIT投資が積極的かつ戦略的に行われていました。埃まみれ、泥まみれの現場で使われるPCには、なによりも頑丈さが必要とされていました。通常のPCを導入した企業は、相次ぐ故障に悩まされており、その修理コストは多大なものになっていました。
「壊れないPCがあればいいじゃないか」「現場で『道具』として使えるPCを作ろう」そんな意図を持って、頑丈ノートPCの商品企画がスタートしました。
1996年9月、長期間にわたる落下実験や振動試験などを繰り返し、ついに第1号機「CF-25」が完成。高さ90cmからの落下実験など、MIL(米国国防総省基準)規格をクリアする頑丈性能を発揮し、しかも、PCとしても十分な性能を持ったタフブックは、海外を中心に大きな反響を呼びました。アメリカ各州のパトカーの車載PCに採用される実績などにより、タフブックの名は広く世界に知れ渡るようになりました。(日本国内では当初「プロノートFG」という名で発表されました。)
一朝一夕にはマネできない頑丈設計
タフブックを求める声は次第に高まり、より高いハードルが設定されました。粉塵が舞う工場や、雨の中でも使いたいという声には、防塵・防滴設計でお応え。アリゾナの砂漠地帯で故障が多いと報告があれば、開発スタッフが現地に赴いて調査し、熱を集めないようボディカラーを黒から銀に変更。寒冷地で起動しにくい問題にはヒーターを追加。明るい画面と省電力を両立させるため、バックライトの構造を新開発する。防滴設計ボディに高性能=高発熱なCPUを搭載するため、水が内部に浸入しない冷却ファンを作る…。
様々な現場の声に対応する度に、タフブックの頑丈設計は進化をとげていきました。工場にはテストでつぶされたタフブックの山ができましたが、それ以上にノウハウの山がたまっていきました。
「同じ頑丈設計といっても、パナソニックの頑丈さは本物だ」と言われるのは、そんな長年の技術の積み重ねの結果なのです。
現場のニーズに合わせて続く進化
用途に合わせてラインアップも広がりました。一回り小さなコンパクトモデルや、オフィスユースのセミ頑丈モデル(海外を中心に展開)も生まれ、2004年末には、全世界で100万台の出荷を達成しました。2010年、PC 市場にタブレットが登場すると、ビジネス用途で導入を検討する企業が増えてきましたが、通常のタブレットでは、頑丈性能やセキュリティ、屋外視認性などの点で不十分な点が多く、現場で使うには課題がありました。
そこでパナソニックは、タフブックシリーズで培ったノウハウを活用して、現場で使える頑丈タブレット「タフパッド」を開発。2012年の第一号機「FZ-A1」を皮切りに、セキュリティや屋外での視認性・操作性にも配慮した頑丈タブレットや頑丈ハンドヘルドが続々と登場しました。
初代のCF-25の登場から25年以上経ち、フィールドワークの生産性向上のため現場のIT化が進む中、パナソニックのタフシリーズは頑丈ノートPCシェア21年連続グローバルNo.1を獲得※。これからも、タフブック/タフパッドの進歩は止まりません。
※出所:VDC Quarterly Tracker, 2022Q4, Rugged Clamshell Notebook & 2-in-1 Detachable
※展開モデル、展開時期は地域によって異なります。
タフの性能
ラフな扱いにも耐える 耐衝撃性能
PCが壊れる原因の第一位である、「運搬中の落下※」から重要なデータを守るため、MIL試験だけでなく、より厳しい独自条件の耐衝撃試験をも実施することで様々な現場でお使いいただける商品を作り続けています。
※© 2001 Technology Business Research, Inc.
クルマの振動にも耐える 耐振動性能
クルマでの移動が多い欧米では、助手席にノートPCを無造作に放り出して長距離を移動することも多いもの。クルマの振動は不規則かつ持続的で、精密機器には負担が大きいため、落下による一時的な衝撃とは異なる対応が必要になります。タフブックは、MIL(米国国防総省)規格の性能試験に準じた振動試験を実施し、車載に対応しています。
ホコリにも、水にも強い 防塵・防滴性能
塵埃や雨への対応や、食品工場や精密機械工場のようなクリーンルームで使用するため、タフブックでは各種ポートやジャックなどの開口部を全てカバーで覆い、さらに開口部一つ一つに弾力性に富むラバーでシーリングが施されています。また、冷却ファンを持つモデルでは、放熱ルートと冷却ファンに空気室を設け、水の浸入を防いでいます。
灼熱の砂漠地帯から寒冷地まで使える 耐環境性能
活用範囲が拡がるにつれ、使用環境条件もより広範囲であることが求められてきました。冷却機構やストレージへのヒーターの追加などにより、使用環境条件は、-10℃から50℃(N1,S1,A30ではー20℃から50℃)。寒冷地の屋外使用や冷凍倉庫から、真夏の屋外、熱源が近い工場内など、一般的なPCでは故障しがちな環境でも使用可能です。
手袋をしていても、水滴が付いても使える 優れた操作性
一般的な静電容量式(指先の静電気を利用して操作する)タッチパネルでは指先の静電気を感知して動作するので、手袋をしたままでは使えませんでした。しかし、タッチ操作する度に手袋を外していては仕事になりません。そんな現場の声に応えて、モードによって感度を変えるタッチパネルを開発。手袋をしていても、水滴が付いていても操作できます。
用途に合わせて機能拡張 BTO※に対応
シリアルポートが必要な現場、バーコードリーダーが欲しい作業など、求められる仕様は現場によって様々。そのためタフブックでは、タブレットでありながらも、本体内に機能拡張ユニットを内蔵できるようにしています。ニーズの多い機能については、神戸工場にてBTO生産が可能。顧客視点に基づいた「一品一様」のカスタマイズが可能です。
(詳しくは当社営業、または「お問い合わせ」よりご連絡ください。)
なお、FZ-G2は本体購入後、お客様自身でオプションを後付けできるモジュラー構造を採用。
※BTO: Build to Order。受注生産方式。顧客から製品の構成の指定・変更を受けてから、工場で製造、配送する方式。
タフの実績
電気・ガスなど、公共事業に展開
タフブック開発のきっかけとなったのは、欧州の大手ガス会社へのPC導入。国中に広がるライフラインを絶えず新設・点検・保守することが使命の公共企業だけあって、PCが使われる現場は、ほぼ屋外。毎日レンチやスパナなどの工具と同様に作業現場に持ち込まれ、埃と泥にまみれていました。プロのツールとして使えるタフブックは、開発当初より広く活用されました。
北米のパトカーに採用
多様化する犯罪に対し、パトカーにPCを搭載して対応するというプロジェクトに合わせ、北米各州の警察でタフブックが採用されました。「銃撃戦の跳弾(他の場所に当たって、跳ねかえった弾丸)がタフブックにヒットしたが、それでもちゃんと動作した!」というエピソードが伝えられ、FBIなど、国家機密レベルの情報を扱う政府機関にも続々と採用されました。
自販機メンテナンスに活躍
日本でのタフブックの活躍が拡がったのは、大手飲料メーカーの自販機のメンテナンス業務から。朝のミーティングでは社内ネットに接続してデータをコピーし、そのまま作業車に持ち込んで、一日担当地区を巡回。車の振動にも耐えられ、ハンディターミナルより優れた表示能力のタフブックは、機材故障の削減と、作業の効率アップに役立ちました。
運輸・流通での車載運用
一般のノートPCやタブレットでは、車の振動や真夏の高温による故障が心配。そこで、耐振動・耐環境性能に優れたタフパッド/タフブックが選ばれています。また、配達の現場では、雨天時でも手袋をしたままで操作できるので、時間をムダにしません。バーコードリーダーを内蔵していれば、荷物の確認も簡単です。頑丈な車載マウンターも用意しています。
工場内の情報表示に
振動や塵埃、油汚れ…。華奢なノートPCでは使えなかった場所でも、タフパッド/タフブックなら利用が可能。電子化された作業指示書や技術連絡書を、ライン側でいつでも参照でき、場所もとりません。また、Windowsモデルなら、オフィスと工場で、同じシステムやデータを共有でき、便利です。
測量・建設現場での情報確認に
測量データや設計図などを電子化して現場で参照することは、タブレットの得意分野。しかし、測量や建設の現場に持ち出すには、粉塵や、雨、落下の危険性もあり、タフパッド/タフブックが適しています。ハンドストラップを装着すれば足場の悪い現場でも安定して扱え、直射日光下でも画面が見やすく、また手袋をしたまま操作できます。
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