適合表
スピーカーと取付金具の適合表です。
スピーカー設置上の注意
1995 年に施行されたPL法(製造物責任法)などを背景に、昨今、公衆災害(第三者災害)に対して社会から厳しい目が向けられています。
スピーカーの落下事故もこのような災害の例に含まれますが、日本は地震大国のため壁や天井に設置した機器が落下する危険性が高いのが現実です。
そのような中でも可能な限りスピーカーの落下事故を防ぐために、代表的な留意点を示します。安全のため、適正な施工・調整をいただきますようにお願いいたします。
振動する場所へのスピーカー設置禁止のお願い
スキーリフトの支柱や遊園地遊具など、振動の強い場所へのスピーカー設置はできません。
落下の恐れがあり禁止事項となっております。
スピーカーに適合した金具の使用
当社スピーカーの取付には、所定の適合金具をご使用ください。
なお、詳細な取付方法については、付属の取扱説明書をお読みのうえ、アンカーボルトは基礎部分に打つなど、基本的な事項を遵守してください。
施工・設置構造により増幅される力の考慮
てこの原理のように、スピーカーの施工・設置構造によっては、意図していない方向に力が大幅に増幅される場合があります。このことを理解し、施工強度を確保する必要があります。
■壁取付時の例
ご注意
壁取付する場合は、対向するボルトの位置関係が斜めではなく水平・垂直になるように、金具の壁取付面側の向きを調整してください。
ボルト同士の間隔が広い方が、より高い強度を確保することができます。
対向するボルトの位置関係が水平・垂直
対向するボルトの位置関係が斜め
■天井取付時の例
スピーカーの重量と金具にかかる力の考慮
スピーカーを標準取付した場合の壁面や天井面にかかる力を、ボルト1本にかかる荷重から考える場合、
「ボルト1本にかかる荷重(F)=(スピーカーの質量+金具の質量)÷ 4<ボルト4 本のうちの1本分>」
と考えがちです。
しかし上記以外にも、(1)(2)の要因からかかる力も考慮し、十分な強度を確保する必要があります。
(1) 地震による振動の負荷
震度6強以上では建築物自体の崩壊につながるため、上限は震度6 強として考えます。震度6 強の場合、スピーカーの重心に対して、上下左右の方向に自重と同じ力の振動が付加されます。さらに共振により、力が15倍にも増幅される場合があります。(正確な理論値とは異なります)
(2) 想定外の負荷
脚立などの長い物が引っ掛かる、ボールなどがぶつかる、人が不用意に掴まるなど、想定外の負荷も考慮します。具体的な重さを確定することはできませんが、一例として横側から50 kgの力が加わった場合は次の計算になります。(横側からの50 kgの力は、(1)の力よりも大きいため、地震による振動の負荷への対策にもなります)
■ 横側から50 kgfの力が加わった場合のボルト1本あたりの引張力※
※ 簡易計算の場合
●天井 横取付の場合
50 kgf × 395 mm ÷ 160 mm = 123 kgf(約1.2 KN)
●壁 横取付の場合
(50 kgf + 7.5 kgf)× 512 mm ÷ 160 mm = 186 kgf(約1.83 KN)
安全ワイヤーの適正な取付
安全ワイヤーは、出来る限り壁面や天井の基礎部分からスピーカー本体へと取付けるのが基本です〔下図(a)〕。
しかし、取付可能な場所が限られている場合は、基礎部分から打ってあるアンカーボルトに取付けます〔下図(b)〕。
安全ワイヤーは、十分な強度を有することを確認のうえご使用ください。また、できる限り短い方が安全です。
電気ドライバーについて
強力な電気ドライバーなどはトルクが大きすぎ、ねじを痛めることがあります。適正なトルクで締め付けるようにしてください。
施工後、および定期の点検をおこなう
(1) 施工後の点検
金具、及びスピーカー本体のねじ部などについて、締め忘れなどの見落としが無いか確認願います。
おもな点検ポイント
- ねじ締め忘れが無いか?
- ねじ部に隙間は無いか?
- 締め付け後の破損などは無いか?
- その他、他の機器との干渉や、不具合は無いか?など
(2) 定期点検
スピーカーには、地震や、音響的振動などの負荷が加わっています。よって、定期的な点検が望まれます。
おもな点検ポイント
- ねじの緩みなどは無いか?
→ 手締めにて増し締め - 取付部に錆びなどによる損傷は無いか
→ 損傷が激しい場合は交換 - その他、亀裂、調整角度の変化など
不明な点や、より詳細な情報については、お取引ご販売店にお確かめください。