ケイ・エヌ・テック様
課題
高難度なブレージング溶接を熟練工のノウハウに頼らずに実現する必要があった。
解決策
Super Active TAWERSにブレージングのオプションを追加し、溶接条件出しの時間を大幅短縮し、高品質な溶接を実現。
ブレージング溶接専用ソフトを使うことで条件設定や調整が非常に簡単になりました。
背景
ブレージング溶接への対応
今回のブレージング用の溶接ロボット検討のきっかけは、お取引のある二輪メーカー様から頂いたブレージング溶接のお仕事の依頼でした。
ブレージング溶接とは、ろう付けの一種で、主にタンクや給油口の一部などの部品に使用される溶接法です。特長は、通常の溶接に比べ比較的低温での接合が可能なため、ワークの変形を最小限に抑えられること、薄板や微細な部品にも対応しやすいことなどがあります。
「タンクなどを溶接する際は、過入熱となり裏ビード(裏波)が発生すると、錆や腐食が生じるリスクが高まるため、品質面で特に気を使うワークなんです。そのため、均一な条件で溶接が可能な溶接ロボットの購入検討へと至りました。(常務取締役 中山 雄一朗様)」
導入理由
①人に依存せず、高品質なブレージングを実現
難易度の高いブレージングの条件出しも、専用ソフトを使い簡単にできるようになりました。
「ブレージング溶接専用ソフトを使うことで条件設定や調整が非常に簡単になりました。ソフトの適用後に若干の条件修正は必要なものの、条件出しの時間は従来に比べ大幅に短縮することができています。」
②信頼性の高いワイヤ送給やロボットの安定動作を実感
他社製のロボットは長時間の作業中に送給性の問題でチョコ停が発生してしまうことがありましたが、パナソニックのロボットではそのようなトラブルがほとんど発生しないため、作業時間のロスが少なくなっています。
「すごく素早く動く。そして制御がぴしっとしてる。ビードも安定する。そういう点はすごくありがたいなと思います。あとは出来高が完全に違うんです。1日1週間ラインを流せば生産数が違うので、この辺りの効果は現場も私も十分実感しています。」
③作業時間の大幅短縮
導入後、大きな効果を実感しています。特に、溶接工程の作業時間が大幅に短縮され、以前120秒かかっていた作業が85秒になりました。
また、スパッタの発生が極めて少なくなり、その除去の手間やコストも大幅に削減されました。品質、強度、外観の向上も明らかで、製品の品質が一層向上しています。
お客様の声
初めて見たとき、その性能に一目惚れ
「最初はパナソニックといえば、家電のイメージで『溶接』というイメージはなかったんです。
ですが、実機を見た時に一目惚れをしました。スパッタが少なくビードが非常に綺麗だったんですね。私は長年手溶接の経験もありますが、ビードの音からして、『これは良い溶接ができている』と思いました。
今回のブレージング溶接も技術的には非常に難しい溶接のひとつです。その中でパナソニックは専用ソフトを持っているということで安心感がありました。(代表取締役社長 中山 雅之様)」
人とロボットが共存する工場へ
「完全無人化は中小企業にとっては理想の姿ではあるものの、一方で現実的には人とロボットを活用した共存が必要です。
今後はこの半自動化を推進し、それによって売上も増加させることが不可欠だと感じています。
今後の取り組みとしては、パナソニックの溶接管理システムの導入を検討中です。特に出来高・進捗状況・停止の原因など、見える化の推進をパナソニックには期待していますね。バイクのパーツの溶接を担当している中で、部品が形になっていく過程に大きな達成感を感じています。特に、当社で作ったパーツが世界中で使われ、多くの人たちから喜ばれることは、大きなやりがいを感じさせてくれます。(常務取締役 中山 雄一朗様)」
お客様紹介
品質とコストを追求して、お客様の要望に応える
株式会社ケイ・エヌ・テック様は、精密金属加工の分野で50年以上の歴史を有する企業です。
お客様の要望に真摯に応えることで信頼をカタチにし、また自動車部品や医療器具部品の製作を通して安心安全で快適な社会づくりにも貢献しています。