全日空商事株式会社様
ANA Digital Gate株式会社様
株式会社日立製作所様(ビジネスパートナー)
課題
飛行機に搭乗する旅客が、往路と復路の両方でANA FESTAへ立ち寄ってもらうための参加しやすいサービスを実施したい。
解決策
店舗でのANAマイレージクラブカードの取り出しや、スマートフォンのアプリを起動することなく、簡単に参加できる顔認証スタンプラリーサービスを構築。
お客様の参加状況は非常に好調で最初の目標値は早々にクリアし、上方修正する程です。これには、顔認証スタンプラリーサービスの参加しやすさが大きく貢献していると考えています。
背景
ANA FESTAの利用は復路が多く往路での利用率向上を促進したい
ANA FESTAは、主に空港内に店舗を構えています。往路・復路を1回の旅程として捉えたときに、リピート率が低いことが課題となっていました。往路で使用する空港と復路で使用する空港の両方に店舗がある中で、取り扱う商品が土産品中心であることから、必然的に帰りの利用が多くなるためです。その結果、1回の旅程の復路でだけ店舗を利用するお客様が多く、2回以上来店する数が急激に減ってしまう“2回の壁”が発生し、この課題を解決する方策が検討されていました。しかし、来店者に手間をかける企画では参加してもらうことが難しく、手軽に参加できることが必須条件でした。
実証実験の概要
店舗前の端末で顔を認証するだけの簡単でセキュアなスタンプラリーを実施
店舗の前に設置されたタブレット端末へ顔をかざして認証させるだけで、簡単にマイルを獲得できる「顔認証スタンプラリー」を実施。このサービスには、パナソニックの顔認証技術と株式会社日立製作所様のPBIを活用した生体認証統合基盤サービス※が活用されており、事前にスマートフォンで顔情報を登録し、ANAマイレージクラブお客様番号を含むお客様情報と紐づけておくことで、店舗では手元に何も用意することなく、顔を認証させるだけの簡単アクションで実施可能。また、顔情報は復元できない形に暗号化されるため、漏洩する恐れの無いセキュアなシステムを実現しています。
※PBI(Public Biometric Infrastructure):指静脈や顔、虹彩などの生体情報を暗号化し、登録・照合することで、安全かつ確実に本人を特定する株式会社日立製作所様の独自技術。PBIを活用した株式会社日立製作所様の生体認証: https://www.hitachi.co.jp/finance/innovation/pbi
実証実験の効果
顔認証SDKを活用し、店舗前端末で顔を認証するだけでANAのマイルが貯まる
空港ではスーツケースや訪問先への手土産など荷物が多くなり、両手がふさがってしまっているケースが多く見られます。そのため、鞄を開けて財布を探し、そこからANAマイレージクラブカードを取り出したり、スマートフォンを取り出してアプリを起動する行程が面倒と思われるお客様は少なくありません。全日空商事株式会社 武井様は「来店促進策として、スタンプラリーを実施したいと考えた時に、それをいかにストレスなくシンプルに、そして瞬時で正確に行えるかが重要でした。そのためアナログな方法を含めて様々な検討をした結果、顔認証によるデジタルスタンプラリーにたどり着きました。これは、一度サービスへご登録いただければ、店舗の前では端末で顔を認証するだけで、何も取り出す必要がありません。お客様の参加状況は非常に好調で最初の目標値は早々にクリアし、上方修正する程です。これには、参加のしやすさが大きく貢献していると考えています」と語ります。
株式会社日立製作所様との協業で、一層セキュアなシステムの構築を実現
顔情報を扱う際にその情報を安全な状態で保存・管理しておく必要があります。そこでパナソニックの顔認証SDKと株式会社日立製作所様のPBIを活用した生体認証統合基盤サービスを組み合わせたシステムが構築されました。ANA Digital Gate株式会社 久保田様は、「お客様の生体情報を登録するにあたり、ANAグループとしてそのブランドを棄損しない、レベルの高いセキュリティが必要でした。その点でも、今回のサービスは漏洩リスクや偽造リスク、悪用リスクの心配がありませんでした。しかも認証精度は高く、認証スピードが速いので、お客様に安心してお使いいただけると自負しています」と評価しました。
活用機器
- 顔認証SDK
- PBIを活用した生体認証統合基盤サービス
お客様の声
デジタル化の壁は思っている以上に低く、幅広い年齢層で受け入れられるサービスです
今回の実証実験は、“2回の壁”を崩す手ごたえを感じることができ、非常に有意義なものとなりました。そして今後はさらに踏み込み、マーケティングへも活用していくつもりです。これまでは購買データしかわかりませんでしたが、このデータを分析することで購入されなかったお客様のデータもわかるようになります。これらを掛け算することで、品揃えなども含め積極的に店舗づくりへつなげていくつもりです。(全日空商事株式会社 武井様)
顔認証はANAグループのDX推進に大きく貢献できるシステムだと捉えていますので、この実証実験で細部まで検証していきたいと考えています。また、このシステムはぜひ法人向けに事業展開をしていきたいです。例えば、全国の観光施設やレンタカー会社、飲食店などを交えて顔認証スタンプラリーができれば、お客様を様々な店舗へ送客することができ、地域活性化へつながるはずです。(ANA Digital Gate株式会社 久保田様)
パートナー様の声
今回の実証実験では、パナソニック コネクトさんの顔認証と、日立の特許技術PBIを活用した生体認証統合基盤サービスを組み合わせ、顔情報を復元不可能な形に暗号化することで、手軽で、かつ安全・安心な顔認証を実現しています。今後も日立はビジネスパートナーとして、ANAグループの皆さまとともに、さまざまなシーンへの展開・サービス拡充を進め、顧客体験価値と企業のマーケティング活動の向上を支援していきます。(株式会社日立製作所 真弓様)
お客様紹介
“お客さまからのありがとうのために”を追求
全日空商事株式会社様は、航空機関連事業、半導体事業、食品事業を始め、様々な事業を展開されています。空港を中心に土産の販売や飲食などを行っている店舗ANA FESTAの経営もその幅広いグループ事業のひとつで、それぞれの出店地域ならではの品揃えをするなど、飛行機搭乗旅客に寄り添った店舗づくりが行われています。
所在地:全日空商事株式会社様(本社):東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター