YC-300BP4 ver2(フルデジタル交直両用TIG溶接機)
長らく皆様にご愛用頂いております フルデジタル交流/直流両用TIG溶接機YC-300BP4 に新たな機能を搭載いたしました。この新たな機能で皆様に、より貢献します。
YC-300BP4 ver1とver2 の比較表
現行 300BP4 | 300BP4 ver2 | ||
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機能 |
TIG |
標準波形
ソフト波形
ハード波形
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標準波形
ソフト波形
ハード波形
SP波形
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TIG |
パルス周波数
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パルス周波数
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直流 |
出力電流
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出力電流
直流パルス手溶接
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デザイン |
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YC-300BP4 ver2 の3つの新機能
交流TIG
薄板溶接でのアーク安定性及び溶接作業性の向上
直流TIG
アーク指向性の向上
直流手溶接
溶け落ちや立ち向かい時のビード垂れを防ぐ
交流TIGには新しい波形であるSP波形を搭載することで、広がりはあるが芯の強い安定したアークとなり、
アルミニウムとステンレスの薄板溶接でのさらなる溶接品質の向上が見込めます。
直流TIGでは、これまでの500Hzとしていたパルス周波数の上限範囲を、1000Hzまで広げることでアークの指向性向上を図っています。
直流手溶接には、新たにパルス機能を搭載したので、「直流パルス手溶接」を行うことができます。
これによりワークへの入熱を抑え、溶け落ちや立ち向かい時のビード垂れを防止します。
交流TIGのSP波形
- アルミ A5052
- 隅肉
- 板厚 2mm
- 溶接電流 120A
- 電極径 φ2.4
- ガス流量 6.0L/min
- 電極母材間距離 3mm
- フィラー 1.2φ 0.65m/min
- 溶接速度 12cm/min
標準400Hzと同等の溶接品質をSP200Hzで実現できるため周波数を抑えることができ、作業性が向上します。
- アルミ A5052
- 突き合わせの点付け
- 板厚 1mm
- 溶接電流 40A
- 電極径 φ1.6
- ガス流量 5.0L/min
- 電極母材間距離 2mm
- フィラー φ1.6
- アークON時間 2.5s
アークの芯がはっきりしているため、棒を入れやすく安定した点付けが可能です。
直流TIGのパルス周波数1000Hz
- ステンレス SUS304
- 角継ぎ手(共付け)
- 板厚 0.2mm
- ピーク電流 15A
- ベース電流 5A
- 電極径 φ2.4
- ガス流量 5.0L/min
- 電極母材間距離 2mm
- フィラー 無し
- 溶接速度 80cm/min
1000Hzまで範囲を拡大することで、ビード幅を細く均一に溶接することができます。
1000Hz(1kHz)
- ステンレス SUS304
- 重ね
- 板厚 0.5mm
- ピーク電流 40A
- ベース電流 10A
- ガス流量 5.0L/min
- 電極母材間距離 0.5mm
- 溶接速度 55cm/min
1000Hzであれば、ビード幅を均一に安定した溶接が可能になります。
設定方法
交流TIGのSP波形選択方法
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詳細025“SPハケイセンタク”で“アリ”を設定
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「交流波形」機能ボタンを押して、“ソフト”を点滅させる
※詳細設定の“SPハケイセンタク”を”アリ”にしていると、ソフト波形は選択できない仕様となっておりますのでご注意ください。(“ナシ”にすることで、ソフト波形の選択が可能となります)
直流TIGのパルス周波数1000Hz設定方法
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「パルス設定」ボタンを押して、「パルス周波数」のLEDを点滅状態にする
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ジョグダイヤルを回してパルス周波数を設定
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1000Hzを設定できていると“1.00”という表示と、「Hz(周波数)」のLEDが点滅する
直流手溶接のパルス機能設定方法
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詳細020 “マイルドパルス”で“レベル3”を設定(推奨)
詳細設定は「直流手溶接」「溶接ナビ」モード時は操作できません。 -
「パルス」機能ボタンを押して、パルス“有”を選択する
パルス機能を使うことで、ワークへの入熱を下げ、立ち向かい時にビードが垂れることの防止や、ワークの溶け落ちを防ぐことができます。※ マイルドパルス3 レベルを推奨
パルス幅は50 % 固定となります。実効電流値は、パルス電流と溶接電流(ベース電流)の中心値となります。
* ソフトバージョン「V3.00」から使用可
ご使用に当たっての注意事項
本ページで紹介している機能は、YC-300BP4のソフトバージョン「V3.00」から使用できます。
本製品の販売価格や契約、動作環境・お客様準備品等の詳細につきましてはお近くの営業所へお問い合わせください。
既にお買い上げ頂いたYC-300BP4に本機能を追加することはできません。
YC-500BP4に本機能は搭載されておりません。また、標準品のみでの機能搭載のため、YC-300BP4の特殊品には搭載されておりません。
本ページで紹介している機能及び外観以外に変更点はございません。