夕焼けの中に並ぶ大型トラック
夕焼けの中に並ぶ大型トラック

日本の自動車産業に求められる電子配達証明(ePoD)と材料・部品トレーサビリティ

ZetesChronos™が、JIT生産・多拠点倉庫・輸入部品・カスタム製造ラインをつなぐ理由
電子配達証明(ePoD)と材料・部品トレーサビリティで、日本の自動車産業のJIT供給を支える方法を紹介するブログです。

日本市場に特有の物流課題

日本の自動車アフターマーケット物流は、きわめて高い正確性に支えられています。ディーラー、サービス工場、部品卸、地域デポは、必要な部品を必要な場所へ、時には営業開始前までに届けることが求められます。そのため、深夜配送や非対面配送は、単なる例外対応ではなく、日々の業務モデルの重要な一部になっています。

一方で、日本の物流業界は「物流の2024年問題」以降、トラックドライバーの労働時間規制や慢性的な人手不足に向き合っています。生産性、トレーサビリティ、事務作業の削減は、これまで以上に重要なテーマです。多くの配送ネットワークにとって、課題は「デジタル化するかどうか」ではなく、「どの業務からデジタル化すれば最も大きな摩擦を取り除けるか」に移っています。

倉庫の外でフォークリフトを操作する作業員

製造ラインを止めないための材料・部品トレーサビリティ

自動車の製造・組立では、ジャストインタイムで部品を届けることが大前提です。部品点数は数万点を大きく超え、国内調達品、輸入品、外部倉庫保管品、サプライヤー直送品が混在します。さらに、車種、グレード、顧客仕様、オプション構成によって、同じ製造ラインでも必要な部品セットが変わります。

この環境では、単に「出荷した」「納品した」を確認するだけでは不十分です。部品がどのロットで、どの倉庫から、どの便で移動し、どの受入口で確認され、どのライン・どの製造指示に紐づいたのかを、工程横断で追跡できることが重要です。1点の部品不足、誤品、順序違いが、ライン停止、緊急輸送、仕掛品滞留、納期遅延につながるためです。

紙ベース配送に潜む見えにくいコスト

多拠点配送では、今なお紙の書類が業務の中心に残っているケースがあります。ドライバーは印刷された配送明細を受け取り、配送実績を手書きで記録し、可能な場合は受領印や署名を取得します。その後、事務担当者が書類を確認し、保管し、必要に応じて照合します。

この運用は、特に夜間配送で脆弱になります。受領者が不在の場合、受領印や署名を得られません。後日、顧客から「部品は本当に届いたのか」「どこに置かれたのか」「破損はなかったのか」と問い合わせが入った場合、物流チームは紙の記録、ドライバーの記憶、断片的なシステム情報をまたいで確認しなければならなくなります。


問題点

  • 配送状況をリアルタイムで確認しにくい。
  • 受領者が不在の配送では、納品証明が弱くなりやすい。
  • 空容器、再利用するパレットやコンテナの回収状況を追跡しにくい。
  • 印刷、保管、検索、照合に事務工数がかかる。
  • 未納、誤配、破損、数量不足などの問い合わせ対応に時間がかかる。
  • 製造現場では、部品不足や誤品が発生した時点で、どの倉庫・どの便・どのロットで問題が発生したのかを即座に特定しにくい。
倉庫内で棚を確認する作業員

ステータス更新から「証跡」へ

ZetesChronos™は、配送実行を紙中心の運用からデジタル中心の運用へ移行するための仕組みを提供します。ドライバーは堅牢なハンディーターミナルを使い、集荷から最終納品までの流れに沿って業務を進めます。各ステップはスキャン、確認、デジタル保存され、ドライバーと管理者の双方が配送進捗を共有できるようになります。

非対面配送で特に重要なのは、受領印や署名だけに依存するモデルから、客観的な証跡に基づくモデルへ移行できることです。写真、GPS位置情報、タイムスタンプ、スキャン履歴、デジタル納品記録を組み合わせることで、「何を」「どこへ」「いつ」届けたのかを説明しやすくなります。


導入前 導入後
紙書類、手作業の確認、限定的なリアルタイム可視性、非対面・夜間配送における弱い納品証跡。製造向け部品では、倉庫、入出庫、輸送、受入、ライン投入の情報が分断されやすい。 ▶ デジタルワークフロー、電子納品証明、証跡の自動保管、写真、GPS、タイムスタンプ、リアルタイム配送可視化。RFIDやバーコードを組み合わせることで、部品ロット、保管場所、輸送便、製造指示との紐づけを強化。

業務価値

手作業の削減、問い合わせ対応の迅速化、配送信頼性の向上、パレット・コンテナや配送例外の管理強化。ライン停止リスク、緊急輸送、誤投入、過剰在庫を抑え、JIT供給の安定性を高める。

Zetesのクライアントが実現したこと

自動車流通におけるZetesのクライアント事例では、ZetesChronos™を活用し、日中配送と夜間配送を含む複雑な配送ネットワークをデジタル化しました。紙ベースの配送書類から脱却し、集荷から最終納品までをリアルタイムで可視化できる体制を構築しています。


この事例が日本市場に示すもの

この事例が日本市場に示すポイントは明確です。クライアントは100%ペーパーレスの配送運用を実現し、スキャン実行率99.27%を達成しました。配送時に撮影された写真は、時刻情報や位置情報と組み合わせることで、非対面の夜間配送や、破損・未納などの例外対応における実用的な証跡となりました。

トラックの前でタブレットを操作する人

日本の自動車産業にとっての意味

日本のディーラー網や部品配送網では、必要な部品を必要なタイミングで確実に届けることが重要です。配送が確認できない、あるいは納品状況が不明な場合、整備作業の遅延、緊急の問い合わせ、原因調査のための追加工数が発生します。
電子配達証明(ePoD)を活用し、配送状況や納品実績をデジタルで記録・可視化することで、「いつ・どこに・何を届けたか」を確認しやすくなります。これにより、未納や誤配、破損などの問い合わせ時にも、配送・納品時の情報をもとに迅速な確認が可能になります。
製造・組立領域においても、工場へ供給される部品・原材料の輸送から受入までの状況を可視化することは、JIT供給を支えるうえで重要です。ZetesChronos™は製造工程そのものを管理するシステムではなく、配送実行・納品証跡をデジタル化することで、後工程につながる物流情報の可視性を高めます。

日本市場で想定される活用シーン

  • ディーラー網やサービス工場向けの自動車補修部品補充。
  • 小売、産業、保守拠点などへの深夜・非対面の多拠点配送。
  • 受領印や署名を取得しにくい配送現場での納品証明。
  • 空容器、通い箱、リターナブル資産の回収管理。
  • 破損、数量不足、誤配、未納に関する問い合わせ対応の迅速化。
  • 複数倉庫から製造拠点へ供給される部品・原材料の入出庫、在庫、輸送便、ライン投入の可視化。
  • 写真、位置情報、タイムスタンプなどを活用した配送・納品証跡の記録。
  • 輸入部品の国内倉庫到着から工場受入までのロット別・便別トレース。
倉庫の荷台に積まれた段ボール箱とトラック

導入時に押さえるべき設計ポイント

  • 配送単位の明確化:どの配送単位を追跡・記録するかを明確にする。荷物、箱、パレットなど、業務に適した管理単位を設定する。
  • 証跡方法の明確化:必要な配送証跡を明確にする。バーコード、写真、GPS、タイムスタンプなどを、配送形態や現場負荷に応じて組み合わせる。
  • 配送イベントの明確化:どの配送イベントを記録・可視化するかを定義する。集荷、出発、到着、納品、回収など、管理上重要なポイントを設定する。
  • 例外対応の明確化:遅延、未納、誤配などの配送上の例外を、どのように確認・対応するかを設計する。

より確実で、可視性の高い配送へ

電子配達証明(ePoD)は、単に紙をデジタルに置き換えるだけの仕組みではありません。配送・納品の状況をデジタルで記録し、必要なときに確認できるようにすることで、配送業務の透明性を高めることができます。配送証跡をタイムリーに確認できれば、未納や誤配、破損などの問い合わせが発生した際にも、過去の記録を探す負担を減らし、より迅速な状況確認や対応につなげることができます。


自動車部品や高頻度の補充物流を担う企業にとって、Zetes Chronos™は、配送業務のペーパーレス化、納品証跡のデジタル化、配送状況の可視化を進めるための実践的な選択肢です。特にJIT型の生産を支える部品物流では、必要な部品が予定どおり工場へ届けられているかを把握できることが重要です。Zetes Chronos™によって輸送から納品までの情報をデジタル化することで、配送状況を迅速に把握し、安定した部品供給を支えることができます。さらに、配送実行と納品証跡をデジタル化し、材料・部品のトレーサビリティ向上につなげることは、日本の製造・物流現場の競争力を支える重要な取り組みとなります。

お問い合わせ

自社の配送業務にZetesChronos™をどう活用できるか、対象業務の選定や導入に向けた進め方など、お気軽にご相談ください。電子配達証明(ePoD)による納品確認のデジタル化に向けて、貴社の課題に応じた検討をお手伝いします。

お問い合わせ・資料請求はこちらから
「配送進捗管理システム ZetesChronos™」に関する資料請求や詳細説明、デモ、トライアルなどのご要望は、下記よりお問い合わせください。
配送進捗管理システム ZetesChronos™
まずは「どの問い合わせが多いか」「どの待機が見えていないか」「どの情報が電話確認になっているか」を整理することから始められます。ZetesChronos™は、配送実行の現場データを可視化し、問い合わせ削減と業務改善につなげる検討を支援します。

*本記事はこの記事はパナソニック コネクト株式会社の連結子会社Zetesの事例「D’Ieteren chooses ZetesChronos for future-proof distribution | Zetes」をもとに作成しています。


*Zetes(ゼテス)について

Zetesは、サプライチェーンの最適化および人物識別ソリューションを専門とするテクノロジー企業です。当社のサプライチェーンソリューションは、企業がコネクテッドサプライチェーン全体で機動性、可視性、およびトレーサビリティを実現するのを支援します。また、当社の人識別部門は、公共機関や超国家機関に対して、セキュアな身分証明書や渡航文書の発行、市民の認証を可能にし、国の登録簿や有権者リストを作成するためのソリューションを提供します。Zetesはベルギーのブリュッセル市に本社を構え、EMEAの22カ国で1,300人以上の従業員を擁しています。2017年には、パナソニック株式会社の100%子会社(現・パナソニック コネクト株式会社の連結子会社)となりました。パナソニック コネクト株式会社および現場ソリューションカンパニーは、日本市場における公式の販売・サービス窓口です。

詳細については、https://www.zetes.com/をご覧ください。

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