株式会社テレビ北海道様
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IPスタジオサブシステム
KAIROSを軸に制作サブと報道サブを構築。時代の先端を行くフルIPシステムを実現。

課題

映像制作の自由度が高まる、新しい時代に合ったIPサブを構築したい。

解決策

IT/IPプラットフォーム「KAIROS」をメインスイッチャーにしたフルIPの制作サブと報道サブで、演出力と運用性を向上。

KAIROSによって演出力が上がりました。そしてそれらをつくり出す時間は大幅に短縮されました。

株式会社テレビ北海道 技術・DX推進局 技術部 課長代理 磯西 賛太郎様

背景

マスター、制作サブ、報道サブのフルIP化を実施

株式会社テレビ北海道(以下、TVh)様は、マスター設備のIP化を終えた約5か月後の2024年6月、制作サブと報道サブをフルIPのスタジオサブシステムへとリプレースしました。更新においては、慣れ親しんだME型スイッチャーを導入するか、全く異なるコンセプトのスイッチャーを導入するかで意見が割れました。検討の結果、映像制作の自由度が高く、リモートプロダクションなどが容易に行えるスイッチャーこそTVh様が目指す次世代の番組制作が実現できるという結論に至りました。


導入した理由

自由な映像制作で演出力の向上を目指す

今回のIPサブ構築にあたり、メーカー選定の決め手となったのはKAIROSの存在が大きかったと技術部の磯西様は語ります。

「KAIROSならME数やKEY数の制約がなく、GPUのリソース内であれば入れたいだけの映像効果を付けることができます。また、16:9の画角にとらわれないアスペクトフリーな映像制作ができるため、配信用の縦長映像やサイネージ映像も簡単に制作可能です。最初にKAIROSを見た時、そういった自由度の高さと、それらを簡単オペレートで実現する圧倒的な使いやすさを目の当たりにしました。その時はもう関係者皆“KAIROSしかない”という思いで一致していました」


導入後の効果

多彩な画づくりを簡単オペレートで実現

KAIROS導入後、多くの変化を感じていると磯西様は語ります。

「以前はスイッチャーの性能による様々な限界があり、PinPのワイプを1つしか入れられないなど、やりたい映像演出を諦めざるを得ないことが多々ありました。しかし現在はスイッチャーの性能を気にすることなく、思う存分ワイプを入れることができています。それもPCソフト「Kairos Creator」の中で直感的にレイヤーが重ねられ、小一時間もあればつくれてしまうので驚きです。また、先日は札幌市内の会場でイベントを行ったのですが、その際はマクロ機能を活用しました。事前にマクロに映像効果を仕込んでおくと、本番はワンボタンで実行でき、システム内の動画ファイルを再生できるRAMプレイヤーなども連携させながらとてもスムーズに進行できました。KAIROSによって多彩な映像演出ができるようになったことはもちろん、本番でのオペレートも、事前に演出効果をつくる時間も、圧倒的に短縮されました」


写真:制作サブのKAIROSコントロールパネル
制作サブのKAIROSコントロールパネル。
写真:Kairos Creatorのマルチビューアサイン画面
Kairos Creatorのマルチビューアサイン画面。自由な画角・位置で配置が可能。
写真:制作・報道サブそれぞれに設置された映像ラック
制作・報道サブそれぞれに設置された映像ラック(写真は制作サブ)。

クロス運用やリモートプロダクションが可能に

新たな取り組みも積極的に進めているTVh様。磯西様は、「制作スタジオのセットを使って報道サブから送出するといったスタジオとサブのクロス運用が可能になった点も嬉しい変化でした。また、野球中継を行った際は、球場内にKAIROSのメインフレームを1台持って行き、TVhのサブとつないだリモートプロダクションを試験的に行いました。この他にも遠く離れた競馬場とサブをつなぐなど、今はもうスタジオとサブが1対1だった従来の考え方はなくなり、新時代の制作体制の在り方が見え始めています」と語ります。


写真:制作サブのVE卓にはMSUとROPを埋め込み
制作サブのVE卓にはMSUとROPを埋め込み。左手にはPSMの操作端末を設置。
写真:VE卓下のCCU
制作サブにCCUを6台常設。リターンがIPで4系統入る点が好評。それらの割り当てはPSMから設定可能。​
写真:スタジオカメラ
スタジオカメラは4台活用。CCU無しでも使用できるため予備2台はENGライクな使用も想定。​
写真:PSSの画面
IP機器の統合管理・監視が可能なPSSの画面は障害発生状況が分かりやすいと好評。
写真:報道サブの様子
報道サブの様子。制作・報道サブともKAIROSを採用し、どちらのサブでも慣れた操作が可能に。
写真:リモートカメラ
報道スタジオにはリモートカメラを3台導入。うち2台はプロンプターとして使用。


TVh様が開発した「バーチャルマスターオペレーター」にKAIROSの機能を活用

マスター室に座っている時と同じ感覚でリモート先から監視・オペレートが可能な「バーチャルマスターオペレーター」にKAIROSが活用されています。開発を担当した技術・DX推進局 DX推進部 担当部長 兼 バーチャルマスターオペレーター推進室の齋藤様は、「KAIROSを使って様々な映像合成を行い、マスター室と同環境の映像画面を生成しました。多段にレイヤーが組めるKAIROSは本システムに最適で、画角も自由にカスタマイズできるため複雑なレイアウト構成を見事に実現できました」と語ります。

バーチャルマスターオペレーターについて詳しくはこちら


写真:KAIROSを活用してTVh様が開発した バーチャルマスターオペレーター
KAIROSを活用してTVh様が開発したバーチャルマスターオペレーター
写真:齋藤 光司様
開発した齋藤 光司様

主な納入機器

【制作サブ・報道サブ合計】 

  • IPスイッチャー:KAIROS AT-KC1000T ×2 (Kairos Control ×2、Kairos Creator ×2)
  • MV:KAIROS AT-KC1000T ×2、 AT-KC100T ×2
  • リモプロ/予備:KAIROS AT-KC100T ×1
  • IP/SDIゲートウェイユニット:AV-PF80GW1 ×40
  • ブロードキャストコントローラー:PSM/PSSライセンスサーバー
  • スタジオカメラ:AK-UC4000 ×6
  • カメラコントロールユニット(CCU):AK-UCU700シリーズ ×6
  • リモートオペレーションパネル(ROP):AK-HRP1010 ×6
  • リモートカメラ:AW-UE150K ×3、 AW-HE20K(原稿カメラ) ×2
  • リモートカメラコントローラー:AW-RP60GJ ×3

お客様の声

プロフェッショナルの視点で様々な提案をいただきました

導入前は懐疑的だったオペレーターも、実際にKAIROSを導入したらその操作感に早々に慣れ、使いづらいという言葉は一度も出てきていません。それどころか直接オペレート業務に関係のない社員からもKAIROSを使ってみたいという声が聞こえています。今回はIP化という我々も手探りの状態でスタートしたリプレースでしたが、パナソニックさんはいつも親切丁寧に教えてくださり、様々な角度からプロフェッショナルな提案をいただきました。マスターがIP化された1月からサブのカットオーバーまで約5か月という短い期間でしたが、多くの要望を叶えていただいたおかげで、とても使いやすい2つのサブができました。

写真:磯西 賛太郎
株式会社テレビ北海道
技術・DX推進局 技術部
課長代理 磯西 賛太郎様
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

高い技術力で放送局の様々な課題を解決

1989年に開局し、テレビ東京系列として北海道全域へ多様な番組を届ける株式会社テレビ北海道(TVh)様。近年では「マスター運行支援システム」や「バーチャルマスターオペレーター」など独自システムを開発・販売し、技術力の高さでも注目を集めています。35周年を迎えた2024年には局内フルIP化を完了。さらなる先進的な取り組みをスタートさせました。

所在地:北海道札幌市中央区大通東6丁目12番地4
URL:https://www.tv-hokkaido.co.jp/


写真:外観
株式会社テレビ北海道様の本社社屋
地図

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