東急電鉄株式会社様
課題
どんな状況でも、エスカレーターの混雑を検知・予知し、お客様の安全を確保したい。駅ごとに設置状況が異なるエスカレーターに応じた対応を行いたい。
解決策
混雑検知システムで常時監視を実現。混雑予兆および混雑中の2段階での警報を導入。監視範囲や警報発報閾値の変更が簡単。
混雑検知の精度を上げるため、監視対象範囲の設定や、警報を発報する閾(しきい)値を希望に合わせて上げられるシステム自由度の高さと、コストメリットが決め手でした。
背景
数多くの監視カメラを人の目で常時監視するのは課題がある
一般的に転倒事故などが少なくないエスカレーター。東急電鉄株式会社様もエスカレーターの降り口付近で混雑が予想されるピーク時間帯は係員を配置し、状況に応じてエスカレーターの停止処置を行っていました。しかし列車遅延などで突発的に混雑が発生することもあり、人で監視する仕組みには課題があったのです。駅係員の監視が行き届かない状況でも、お客様が安全にエスカレーターを利用できるよう、エスカレーター降り口付近の混雑度を自動検知し、係員に知らせる技術を探しておられました。
導入理由
混雑検知の精度を希望に合わせて上げられる自由度とコストが決め手
東急電鉄株式会社様が導入検討にあたり気にしておられたのはシステムの精度および費用についてでした。「複数社からご提案を頂き、検討しました。パナソニックのシステムは、監視対象範囲の設定および警報を発報する閾値(しきいち)を駅ごとに常時調整することができ、運用しながら検知精度を向上できること、導入費用およびランニングコストが他社に比べ優位であったことから、システム導入を決めました。」(東急電鉄株式会社 ご担当者様)
導入後の効果
導入駅の85%でお客様の安全確保と業務負担の軽減に役立った
混雑検知システムは、駅構内の既設監視カメラから取得した画像データを解析することで、乗降客の混雑や、一か所にとどまって密な状態をつくってしまう滞留状態を検知。音声とパトライトで知らせることで事務所にいる係員に事態を共有できるシステムです。また検知状況とカメラ映像をモニタに表示しているため現地の状況を即座に確認することが可能です。「運行ダイヤが乱れた時や駅周辺でイベントが開催される際は、 ホーム上の混雑が予想されるため、事前にホーム監視員を配置したり、事務所内でカメラ映像を注視する係員を配置することで対応を行っておりました。システムを導入することにより、混雑が予想される場合や、すでに混雑が発生している場合は音声およびパトライトの警報により知らせてくれるため、混雑監視業務が軽減され、お客様へのご案内などに時間を割くことができるようになりました。また副次的な効果ではございますが、これまでエスカレーターの状況を事務所にて確認するためには構内カメラシステムを開いて、該当する場所を選択し、画面に表示させる必要がありましたが、滞留検知システム導入に伴いエスカレーター降り口の監視状況を常にモニタへ表示しているため、日ごろからエスカレーターの状況をより意識するようになりました。これらの効果により、お客様の安全確保と業務負荷低減につながったとの回答が導入駅の85%からありました」(鉄道事業本部 ご担当者様)
見落とし無く混雑情報を検知。データで混雑傾向の把握も可能に。
「実際に通常監視を行っていない時間帯に、混雑検知システムが鳴動し、混雑を検知することができました。また、連日データを取り続けることで、混雑の時間帯ごとの変化が分かるようにもなり、数値で傾向を確認できるようになりました。」(東急電鉄株式会社 ご担当者様)
納入機器
モニター室
- 混雑検知ソフトウェア
- 混雑監視サーバ
- ネットワークスイッチ
- パトライト
お客様の声
既設のカメラを使ってプラスアルファの機能「混雑検知」を追加。お客様の安全確保につながる構内の混雑状況をリアルタイムで把握可能。
導入する駅ごとに混雑検知対象エリアや閾値設定が異なるため、駅ごとに監視対象範囲の設定や警報を発報する閾(しきい)値をマウス操作のみで容易に変更できるのはとても便利です。システム導入後も混雑検知対象エリアや閾値設定できることで、より係員が監視している感覚に近づけ、係員が求める検知精度を実現できる点や工事によって人の流動が変化した際も即座に変更できる点も大きなメリットと感じております。既設のカメラを活用することで、画角調整を必要としなければ事務所内の作業のみで設置が完了し、またホーム上の設備数を増やすことがないため導入後の設備保守の面からもメリットがございました。混雑前の兆候としてエスカレーター乗降口以外が混雑し始めることがあるため、監視対象範囲の設定も混雑予兆と混雑中の2段階設定ができるようにしている点も、“とても使いやすい”と、導入した駅のスタッフからも好評です。(鉄道事業本部 ご担当者様)
今後の展望
新しい画像解析システムの提案が楽しみ
今後は、構内カメラシステムを運用しているからこそできる画像解析システムのご提案にも期待しています。(鉄道事業本部 ご担当者様)
お客様紹介
「人へ、街へ、未来へ。」
東急電鉄は1922年の創業以来、お客様の安全・安心を第一に輸送サービスを続けています。東急グループの存在理念である「美しい生活環境を創造し、調和ある社会と一人ひとりの幸せを追求する」のもと、安全・安心・快適な鉄道サービスをさらに磨き、お客さまや地域社会との信頼関係の中で、一人ひとりの幸せを運び続ける存在となることを目指しています。