株式会社 東京国際フォーラム様
課題
登壇者のズームや、舞台全体の撮影を簡単に行いたい。様々なイベントへ柔軟に対応したい。
解決策
高倍率ズーム搭載、広画角の4KインテグレーテッドカメラAW-UE150Kを導入。IP接続でのカメラ制御に対応したリモートカメラシステムを構築。
多様化するニーズに対応できるカメラシステムを導入したことで、より円滑な情報発信が可能になりました。
背景
多様な情報・文化の発信拠点として設備を強化
国際会議や式典、コンサートなど、多種多様なイベントの会場として利用される東京国際フォーラム様は、館内設備のさらなる充実や一部施設の改修を目的に、2019年9月に設備のリニューアルを実施されました。東京国際フォーラム様では1997年の開館時から劇場形式ホール内の撮影に、パナソニックのリモートカメラを使用されています。イベントをライブで撮影するカメラには高い安定性や信頼性が求められるため、これまで安定した運用を続けてきた確かな実績を評価され、リプレイスにおいてもパナソニックのリモートカメラシステムが採用されました。
導入した理由
リモートカメラシステムの利便性を高めるとともに4K撮影や外部配信へ対応
リプレイスを実施したホールA、ホールCは、ともに劇場形式のホールです。リモートカメラは、主にシンポジウムや講演会などで舞台上の登壇者を撮影し、その映像をホール内のスクリーンや館内の別会場へ配信、映像メディアへ記録する用途で使用します。設置場所であるホール後方の2階席先端から舞台上を撮影するため、リモートカメラには高倍率のズームが必要でした。また、現在HDで運用しているホール設備の将来的な4K移行や、外部会場への配信も視野に入れ、高倍率ズームや4K/60p撮影が可能な4KインテグレーテッドカメラAW-UE150Kを含む、IP接続を用いた運用に対応可能なリモートカメラシステムが導入されました。
導入後の効果
カメラ単体での高倍率ズームと広画角撮影で運用の幅を拡大
ホールA、ホールCには4KインテグレーテッドカメラAW-UE150Kをそれぞれ3台導入。ホール2階席の先端3か所に設置し、登壇者のズームや舞台全体の俯瞰映像を撮影します。AW-UE150Kは光学20倍ズームに加え、HDモードで32倍までの超解像ズームが可能なiズームを搭載しているため、舞台のセッティングに左右されることなく、登壇者のバストショットやグループショットを鮮明に写し出します。また、水平75.1°の広画角で、ホール中央に設置したリモートカメラから舞台全体を俯瞰する撮影が可能な点も、高く評価されました。東京国際フォーラム様から映像撮影業務を委託されている株式会社 パシフィックアートセンターの小林幸司様は「リプレイス前はHDカメラのレンズに、エクステンダーズームレンズを追加して高倍率ズームに対応していましたが、撮影の際、通常よりも操作が増えてしまうため運用面で少し不便に感じていました。その点、AW-UE150Kはカメラ単体で簡単に高倍率のズームができるので、運用が非常に楽になりました。また、舞台全体を写すカットを有人カメラで撮る場合、客席内にカメラポジションが必要になるため、リモートカメラで撮影できることはありがたいです」と話されます。
正確な操作を実現するプリセットメモリー機能とUIを備えたリモートカメラコントローラー
ホール内のAW-UE150Kは、それぞれのビデオ調整室に設置されたリモートカメラコントローラーAW-RP150GJで制御しています。イベントで必要になるシーンを事前にAW-RP150GJのプリセットメモリーに登録し、本番中にタッチパネル式GUIメニューから呼び出すことでスピーディーなカメラワークを実現します。また、舞台上の登壇者を追跡するなどプリセットメモリーに登録できないような、その場の状況に合わせたコントロールが必要な際は、操作しやすい大型のジョイスティックが活躍しています。使いやすいプリセットメモリー機能とUIが確実さを求められる運用をサポートしています。
IP接続を採用しイベントの形式に合わせたスムーズな運用を実現
AW-UE150KとAW-RP150GJ、リモートオペレーションパネルAK-HRP1000をLANケーブルで接続し、カメラ制御をIPで行うシステムを採用。1台のリモートカメラコントローラーや、リモートオペレーションパネルから複数台のリモートカメラを制御可能なため、イベントの規模や運営人数に合わせた柔軟な運用に対応します。
システム構成図
導入システム
- 4Kインテグレーテッドカメラ AW-UE150K × 6台
- リモートカメラコントローラー AW-RP150GJ × 6台
- リモートオペレーションパネル(ROP) AK-HRP1000 × 6台
- LCDビデオモニター BT-LH1770
今後の展望
設備のさらなる充実と情報発信を積極的に行っていきたい
東京国際フォーラムで開催されるほとんどのイベントは、館内設備を主催者様に貸し出す形で行われます。そのため、イベントごとに求められるニーズは様々で、私達も柔軟に応えていかなければなりません。4K対応のイベントが増えてきている事や、パブリックビューイングなどのイベントも想定し、主催者の皆様にもイベントに訪れる方にもご満足いただけるよう、さらに設備サービスを充実させていきます。また、良いシステムを導入できたので、より多くの方に「東京国際フォーラムの設備では、こんなことができる」ということを積極的に発信するつもりです。
お客様紹介
東京・日本の魅力を高め世界に広める「総合的な文化情報発信拠点」
日本の中枢が集う東京・丸の内に位置する、東京国際フォーラム様は、個性豊かなホール、会議室に加え、ガラス棟や地上広場、ショップ、レストラン、美術館などから構成されるコンベンション&アートセンターです。年間約4000件のイベントが開催されており、中でも座席数5,012席を有する国内最大の劇場形式ホール「ホールA」は、東京2020オリンピック・パラリンピックでウエイトリフティング、パワーリフティングの会場として使用されることが決定しています。
■ 所在地:東京都千代田区丸の内三丁目5番1号
■ URL https://www.t-i-forum.co.jp/