写真:尾張旭市文化会館、劇場内の様子。
写真:尾張旭市文化会館、劇場内の様子。

尾張旭市文化会館様

RAMSAスピーカーシステム
20本のRAMSAラインアレイスピーカーで客席全体に自然な音を届けるクリアな拡声を実現。

課題

ホール全体に均一な音を拡声したい、また演目ごとに異なる音響演出へ柔軟に対応したい。

解決策

ラインアレイスピーカーとデジタルミキサーWR-DX400、マトリクスを導入。

RAMSAの音響システムが多様化するホールのニーズへ対して柔軟な対応を可能にしています。

尾張旭市文化会館
指定管理者
ATFフォーティーエイトグループ
舞台技術 岩﨑 洋様

背景

ホールで求められる音響特性に適うRAMSAのスピーカーシステムが906席のホールに均一な音場を提供

尾張旭市文化会館様の文化会館ホールでは、主にコンサートやミュージカルなど、地域の文化振興のために幅広いジャンルのイベントが開催されています。1981年に完成した同文化会館様は、施設の老朽化に加えて、万一の地震発生に対する耐震補強が求められたこともあり、2019年4月に大規模な改修が行われました。その際、ホール内の天井や壁面位置・構造変更にともなった新たな音場づくりも必要になり、音響設備も最新のデジタルシステムにリニューアルされました。


導入した理由

様々な演出が求められる中、演目にあわせた自然な出力が可能

コンサートやミュージカルなど日々、様々な演目が行われており、音響演出もその演目によって日々最適な状態にする必要があります。その演目には地域の学校の演奏会なども含まれており、その場合、音声を天吊マイクで収音し、音源を残すことが要求されることもあり、運用に対しては規模や内容に応じた柔軟性が求めらます。同文化会館様の指定管理者として舞台技術を担当されている岩﨑洋様は「リニューアル前に比べて、ホールに備えられた906の客席に対して均一な音場を提供できるようになりました。音質面も例えば以前は舞台の奥から聞こえていた感覚のあったボーカルが自然に前へせり出す迫力が備わったと思います。また音圧を上げた場合も、引き締まった、輪郭をクリアに再現した音を提供できることにとても満足しています」と語ります。


導入後の効果

納入機器RAMSAラインアレイスピーカーで、生音に近い自然な再生を実現

舞台アーチ部のプロセニアムスピーカーにRAMSAラインアレイスピーカー WS-LA500Aを8本、サイドのカラムスピーカーに片側でラインアレイスピーカー WS-LA500Aを4本(左右合計8本)、ラインアレイスピーカー用サブウーハー WS-LA550Aを2本(左右合計4本)採用。新開発のウェイブガイドホーンにより、水平指向特性約90°、垂直指向特性約10°の指向制御特性を実現するRAMSA ラインアレイスピーカーと、2つの30cmウーハーを搭載し、40Hz ~ 125Hzの重低音を再生可能なサブウーハーは、会場の観客席に均一に音を届けるために緻密に計算されて設置され、生音に近い、自然な音場を実現しています。また、固定ハネ返りスピーカーとして舞台上に30cm2ウェイスピーカー WS-AR200-Kが左右それぞれ1本ずつ配置されています。

デジタルミキサーWR-DX400とマトリクスが、確かな音場制御を実現

オペレーションにはアナログ入力など全36chを装備し、アナログ出力は16chのRAMSA デジタルミキサー WR-DX400を採用。マトリクスも合わせて使用することで確かな音場制御を実現しています。また、フェーダー操作はiPadを使って、実際に舞台袖から音を聞きながら行うこともできます。音声の増幅には高機能DSP内蔵の4chデジタルパワーアンプWP-DM948(6台)/DM924(4台)/DM912(2台)を使用し、大出力ながら高品位な拡声を可能にしています。さらに、システム全体ではDanteオーディオネットワークによる音声入出力を採用しており、これまでは全部回線をアサインしなければならなかった持ち込みのミキサーがある際にも、ケーブルを挿して設定するだけで使用できるようになりました。ワイヤレスマイクもDanteでつなぐことでキャノン端子を使用しないため、SNが良くなりアナログノイズがのらなくなったと好評です。

写真:音響室に設置されたデジタルミキサーWR-DX400と外付けのマトリクス。
デジタルミキサーWR-DX400(左)と外付けのマトリクス(右)。
製品写真:RAMSAラインアレイスピーカーWS-LA500A
RAMSAラインアレイスピーカーWS-LA500A。
写真:ラックに収まっている複数のWP-DM900シリーズの様子
DSP内蔵のデジタルパワーアンプ WP-DM900シリーズ。
写真:舞台袖からiPadにて音を危機ながらフェーダー操作をする様子
舞台袖からiPadで調整を行うことが可能。
写真:舞台上に設置された固定ハネ返りスピーカー WS-AR200-K。舞台の書割裏に金属製のフレームを取付け設置されている。
舞台上に設置された固定ハネ返りスピーカー WS-AR200-K。

システム構成

システム構成図:音響室内、アナログ入力など全36chを装備。アナログ出力は16chのRAMSA デジタルミキサー WR-DX400を採用。マトリクスも併用されている。音声の増幅には高機能DSP 内蔵の

導入システム

[プロセニアムスピーカー]

  • ラインアレイスピーカー WS-LA500A × 8本

[カラムスピーカー]

  • ラインアレイスピーカー WS-LA500A × 4本 (左右合計8本)
  • ラインアレイスピーカー用サブウーハー WS-LA550A × 2本 (左右合計4本)

[その他]

  • 30cm2ウェイスピーカー WS-AR200-K × 6本
  • 12cmコーン形スピーカー WS-M10-K × 2本

[音響室]

  • デジタルミキサー WR-DX400 × 1台
  • Danteカード WR-PC001 × 1台
  • マトリクス × 1式
  • デジタルパワーアンプ(1200W × 4ch)WP-DM948 × 6台
  • デジタルパワーアンプ(600W × 4ch)WP-DM924 × 4台
  • デジタルパワーアンプ(300W × 4ch)WP-DM912 × 2台

今後の展望

パナソニックさんと一緒に、さらに良い音響演出を追求していきたいです

ラインアレイスピーカーは最初から自然な音を出していましたが、使うにつれて、さらにしっくりくるようになりました。パナソニックさんがタイミングを見計らってEQ の調整などに訪れてくださっている効果もあると思います。来場者の方からもホールとして非常に良い音になったと喜ばれていて、これからも地域の文化振興のために、パナソニックさんと一緒に、さらに良い音響演出を追求していきたいですね。

お客様写真:岩崎洋様
尾張旭市文化会館
指定管理者
ATFフォーティーエイトグループ
舞台技術 岩﨑 洋様

お客様紹介

大規模リニューアルで地域の文化をさらに振興

地域住民の自主的な「活動」と「交流」を促す文化芸術活動の拠点施設として位置づけられる尾張旭市文化会館様は1981年10月に開館されました。その後、2018年5月より休館して大規模な改修が行われ、2019年4月にリニューアル。文化芸術のもと、地域住民が日々輝き心身ともに健康で充実した生活を送るための文化振興の礎として、利用者の視点に立った細やかなサービスが提供されています。

写真:尾張旭市文化会館様の外観。駐車場に沢山の車が停まっている。
地域の文化振興の礎となっている尾張旭市文化会館様。

関連機器・サービス

製品画像:WS-LA500A

ラインアレイスピーカー WS-LA500A

ホールに求められる音響特性を実現。理想的線音源を追求したRAMSAラインアレイスピーカー。


製品画像:WS-LA550A

ラインアレイスピーカー用サブウーハー WS-LA550A

ラインアレイスピーカーWS-LA500Aに連結して重低音を再生する、30cmウーハー2台を搭載したサブウーハー。


製品画像:WS-AR200-K

30cm2ウェイスピーカー WS-AR200-K

30cmのウーハーと、均一な指向性を持つSCWG(60°×60°)ホーンツイーターからなる、2ウェイバスレフ形スピーカー。


製品画像:WS-M10-K

12cmコーン形スピーカー WS-M10-K

フルレンジバスレフタイプの12cmコーン形スピーカー。


製品画像:WR-DX400

デジタルミキサー WR-DX400

デジタル/アナログ技術を凝縮した常設用コンソールタイプのデジタルミキサー。


製品画像:WR-PC001

Danteカード WR-PC001

Dante™オーディオネットワークに対応。Ethernetを用いたオーディオネットワーク伝送が可能。


製品画像:WP-DM900

デジタルパワーアンプ WP-DM948/WP-DM924/WP-DM912

Danteオーディオネットワークに対応。高機能DSPを内蔵した4チャンネルデジタルパワーアンプ。