株式会社宮城テレビ放送 様
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IPスタジオサブシステム
KAIROSとOTCの連携でIP報道サブを構築。従来の使いやすさはそのままに運用性を向上。

課題

従来の使い勝手は損なうことなく、より利便性の高いIP報道サブへリプレイスしたい。

解決策

IT/IPプラットフォーム「KAIROS」とOTCシステムを連携させ、簡単操作ながら多機能なIPサブシステムを構築。

パナソニックさんならやってくれるだろうという当初の期待通り、様々な要望に応えていただき使いやすい報道サブになりました。

株式会社 宮城テレビ放送 新社屋建設推進室 兼 総務局 技術推進部
部次長 目黒 洋一様

背景

連日のショートニュースを送出する報道サブをIP化

2024年7月、株式会社宮城テレビ放送様が報道サブの更新を行い、映像・音声のIP化を実施しました。従来からOTC運用を基本にショートニュースを送出していた報道サブでは、システムに対して特に不満はなく、OTCの使い やすさが現場スタッフから好評でした。しかし、サブの更新時期とともに局内IP化という大きな転換期を迎えることに。そこで、これまでの操作感は変えることなくIPのメリットを享受でき、さらに、万が一の災害時にはより迅速に情報発信ができるシステムを目指して更新計画を始動しました。


導入した理由

KAIROSとOTCの組み合わせで利便性を向上

技術推進部 部次長の目黒様はシステム検討時をこう振り返ります。

「以前から使用していたパナソニックさんのOTCが良かったため、IP化してもOTCは使いたいという希望がありました。さらに従来以上の利便性も欲しいと考えた時にKAIROSを知り、これは絶対に導入したいと思いました。IPならスイッチャーに外部ルーターを設けることなく入出力を柔軟に拡張することができ、さらにKAIROSの作画機能やマルチビュー機能、カメラとの連動など、多くの付加価値が得られる魅力がありました。そして何よりOTCと連携して使用できるため、従来の操作感は変えずにIP化したいという現場のニーズにこれ以上ないほどマッチしていました」


導入後の効果

KAIROS×OTCで迅速な初動対応が可能に

宮城テレビ放送様では、通常のショートニュース送出時はベースバンド時代と変わらずキューシートに沿ってOTCで運行し、イレギュラーな対応には16面操作端末やKAIROSを活用しています。さらに、今回は災害時の初動対応の強化を図ったと目黒様は語ります。

「今回の更新では、より迅速な情報発信ができるようOTCをLoopRECシステムと連携させました。これにより、県内で震度4以上を観測した際、60秒間の情報カメラ映像が自動的にサーバーに転送され、OTCの素材ポン出し画面を押すだけですぐに送出できるようになります。ここまでは他局でも行われている運用かと思いますが、今回はそれに対してさらにKAIROSを連携させました。KAIROSは従来型スイッチャーのようなキーヤー数の制限がなく、GPUのリソース内であればいくらでもスーパーを付けることができます。この利点を生かし、県内各所にある情報カメラの地点名を示すスーパーや、『津波!逃げろ!』などの避難誘導スーパーをKAIROSに仕込んでおき、情報カメラ映像にワンタッチで乗せられるようにしました。従来のシステムでは送出までに10分程度は掛かっていましたが、今回のOTC×LoopREC×KAIROSの連携により、スーパーの入った映像が約3分で放送できるようになりました」


写真:右側に16面操作端末、左側にOPT画面を配置し、卓面にはスーパー連動ボタンを埋め込み。
右側に16面操作端末、左側にOPT画面を配置し、卓面にはスーパー連動ボタンを埋め込み。
写真:情報カメラの地点情報や『津波!逃げろ!』などのスーパー連動ボタン
情報カメラの地点情報や『津波!逃げろ!』などのスーパー連動ボタン。
写真:KAIROSのコントロールパネルはキャスター付きラックに乗せて必要な時に取り出して使用
KAIROSのコントロールパネルはキャスター付きラックに乗せて必要な時に取り出して使用。

KAIROSの各種機能で番組制作が円滑に

更新による変化についてオペレーターの方々に話を聞くと、「次世代のシステムですが、従来の使いやすさにプラスアルファされただけという感覚で使い勝手はすごく良いですね。何でも直感的に操作でき、前よりも短い時間で多くのことができるようになりました」と話します。

また、KAIROSは番組制作をサポートする様々な機能も優れていると目黒様は語ります。

「今回はKAIROSを活用してOAタリー表示をつくりました。これはマスターや他のサブにテイクされていることや、マスターがサブをテイクするまでの秒数を表示します。ハードウェアの表示器を製作せずにKAIROSの描画機能を利用することで、将来の仕様変更にも柔軟に対応できるようにしました。この表示は、制作サブでも採用しています。報道サブでは、マスターの接点信号を受けてオンエア5分前も表示します。このほか、マルチビューの自由度の高さを生かして“今どのカメラがテイクされているか”を伝える中継先へのタリー付き送り返し映像にも活用して います。このように、KAIROSならハードウェアをいくつも組み合わせるのではなく、ソフトウェア内で様々なことができるので、用途がどんどん広がっています」


写真:ブロードキャストコントローラーの管理アプリ「PSM」でマルチビューのアサインが簡単に
ブロードキャストコントローラーの管理アプリ「PSM」でマルチビューのアサインが簡単に。
写真:報道フロアにはアナウンサーが読み上げる顔出しカメラを設置
報道フロアにはアナウンサーが読み上げる顔出しカメラを設置。
写真:顔出しカメラにはリモートカメラAW-UE160Kを採用
顔出しカメラにはリモートカメラAW-UE160Kを採用。
写真:左:報道サブの映像ラック。中央・右:2023年に納入 したファイルベースとアーカイブシステムのラック
左:報道サブの映像ラック。中央・右:2023年に納入 したファイルベースとアーカイブシステムのラック。
写真:KAIROSで作画したOAタリー
KAIROSで作画したOAタリー。マスターがサブをテイクするまでのカウントダウンが表示されている※例として切貼り加工をしています。

主な納入機器

  • IPスイッチャー:KAIROS AT-KC200T ×1(Kairos Control、Kairos Creator ×各1)
  • EMGDSK/MV:KAIROS AT-KC100T ×4
  • IP/SDIゲートウェイユニット:AV-PF80GW1 ×10
  • ペリフェラル:SDAユニット、2CH SDAユニット、MUXユニット
  • ブロードキャストコントローラー:PSM/PSSライセンス、サーバー
  • OTCシステム
  • カメラシステム:AW-UE160K、AW-UE50K、AW-UE4KGN
  • 音声システム

お客様の声

KAIROSを使って配信にも挑戦していきたい

今回の更新では、IP化における多くのメリットを得ることができました。現在はまだOTC運用ですが、今後は選挙やその他特番など、KAIROSのスイッチャー機能も活用して様々な番組を制作していけたらと考えています。また、KAIROSを使えば地上波で番組を放送しながら同時にインターネット配信を行うなど、これまでできなかった様々なことが実現できると思います。これから活用の幅を広げ、さらなる新しい番組制作に挑戦していきたいですね。(目黒様)

良き相談相手となり、臨機応変に対応していただきました

私は音声を担当しましたが、音声システムのIP化においても制作サブとの接続はもちろん、OTCに連動するフェーダーとマニュアルで使うフェーダーの分け方など、どうすればオペレーターにとって本当に使いやすいシステムになるか一緒に考えながら構築していただきました。「こっちの方がもっと使いやすいかも」という後からの気づきに対しても融通を利かせて臨機応変に対応していただき感謝しています。サブ更新後に大がかりな台風の中継を行ったのですが、専門知識のある人材配置が必要かと思っていたところ通常のメンバーだけで難なく使いこなしてくれたのを見て、本当にパナソニックさんのおかげだと感じました。(日野様)

写真:株式会社 宮城テレビ放送 目黒 洋一様(写真左)日野 尊澄様(写真右)
株式会社 宮城テレビ放送
新社屋建設推進室 兼 総務局 技術推進部
部次長 目黒 洋一様(写真左)
株式会社 宮城テレビ放送
総務局 技術推進部
日野 尊澄様(写真右)
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

数々の人気番組を制作し、宮城を元気にする放送局

東北地方における日本テレビ系列の基幹局である株式会社 宮城テレビ放送様。長寿番組「OH!バンデス」をはじめ数々の自社制作番組を発信し、“ミヤテレ”の愛称で親しまれています。2023年度には平均視聴率14年連続の三冠王を達成。地域に寄り添い、地域に求められる放送局として長きにわたり高視聴率を獲得しています。

所在地:仙台市宮城野区日の出町1-5-33
URL:https://www.mmt-tv.co.jp/


写真:外観
株式会社 宮城テレビ放送様の本社社屋
地図

関連機器・サービス

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自在の映像クオリティと先進のオペレーションでライブ映像制作を革新するプラットフォーム。


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