名古屋市交通局様
導入の背景
名古屋の玄関口であり、市内交通の要所である名古屋駅に隣接する名古屋駅バスターミナルは、11の乗り場に21系統のバスが乗り入れ、名古屋市内で最も乗降者数の多い基幹バスターミナルの1つです。リニア中央新幹線の開業を控え、今後ますます名古屋駅を基点とするバス交通の重要性が増していくなかで、バス待ち環境の改善・バス利便性の向上にむけた取組みを進めていらっしゃいます。
2017年4月1日、名古屋駅周辺の再開発事業として進められてきたJRゲートタワーのオープンにあわせ、同ビル1階にバスターミナルが全面リニューアルして供用を開始しました。より使いやすく、より安全なバスターミナルを目指し、パナソニックの運行管理システムを導入されました。
概要と特長
利便性と安全性を兼ね備えた乗り場
従来の大規模バスターミナルでは、「乗り場がわかりにくい」「混雑した場所でバスとの接触が不安」「乗車予定のバスの出発時刻がわかりにくい」といった利用者の声が聞かれていました。新しいバスターミナルでは、これらの声に応え、利便性と安全性に配慮した運行管理の仕組みを備えています。
大きく乗り場番号が表記され、わかりやすさが印象的な広々とした屋内型バスターミナル。バスと利用者の境界はガラススクリーンで分離され、扉はバスの到着時にのみ開けられ、安全な乗車空間が実現されています。
利用者がバスの運行状況を確認しやすくなるよう、各乗り場に新設されたのが、案内表示板です。カラー液晶表示を採用し、ルートごとの運行状況がよりわかりやすく表示されています。また、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の5言語の表示と、日本語・英語の2言語の音声案内にも対応し、増加する外国人居住者やインバウンドの需要にも対応しています。
地下鉄・電車とは異なり、バスターミナルでは1つの乗り場に複数の系統・ルートのバスが乗り入れること、また、バスは道路状況や欠便、臨時増便などにより、時刻表上の予定とは異なる順で乗り場から発車することがあることなどの課題を考慮し、今回のシステムでは利用者がバスのターミナルへの到着・発車予定時刻を乗り場の案内表示板で確認することができるようになっています。
運行管理業務もスムーズに
バスの運行管理においても大きなメリットが生まれています。これまで混雑したターミナルでは、乗務員から降車場や待機場の空き状況がわかりにくいことが停車時の課題となっていました。本システム導入後は、バスのターミナル入場時には、屋外の在車表示機で降り場の空き状況を確認。降車完了後は、屋内の在車表示機で乗り場と待機場の空き状況を確認し、スムーズにバスを停車させることができます。車両の停車状況は、センサーでの車両検知と、運転手によるリモコン操作によって二重に確認され、ドアの開閉や案内表示板の表示へ連動します。名古屋駅バスターミナルでは、職員を常駐させることなく運行管理が可能、バス事業の運営の効率化にも貢献しています。
システム構成図
主な納入機器 ソリューション
- お客様案内装置(32型液晶モニター、音声装置、アンプ・スピーカほか)×11基
- リモコン受光操作表示器×11基
- バス在車表示器(建物入口)×1基
- バス在車表示器(建物内車路)×1基
- 制御装置(PC、アプリケーション、通信制御装置ほか)×1基
- 車両センサー×25基
- 車載赤外線リモコン×500個