高知市様
課題
強固なセキュリティと使いやすさの両方を兼ね備えた多要素認証システムが必要。
解決策
外付けの認証機器を用意することなく既存のPCのみで利用でき、素早く正確な認証が可能な顔認証技術を採用。
驚くほど認証精度が高く、判定も速いため、毎日の業務がスムーズに始められるようになりました。
背景
PC起動時の認証システムを刷新
2016年、総務省から自治体の情報システム強靭性向上モデルが発表され、高知市様では市民の個人情報を扱う「マイナンバー利用事務系」のPCに対して手のひら静脈を利用した認証システムを導入していました。しかし、手のひら静脈は高価な認証機器が必要なこと、また判定までに時間がかかることなど様々な課題がありました。そこで、2022年のシステム更改にあたり、導入コストを抑えながら高いセキュリティレベルを確保でき、職員の皆様が使いやすい生体認証に変更するべく検討を開始しました。
導入理由
PCのみで認証でき、スムーズな運用が可能
今回、高知市様ではマイナンバー利用事務系端末にパナソニックの顔認証技術とパスワードによる多要素認証を採用しました※。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により新たに導入したテレワーク用PCにも同様の認証方式を採用しました。高知市役所 情報政策課の森岡様は、「顔認証はカメラ付きのPCさえあれば利用できるため、高知市が目指した運用にマッチしていました。また、テレワークは各課に配布された貸出用PCで行うのですが、顔認証なら付属の機器を持ち帰る手間がなく、紛失の心配もないためとても便利です」と語ります。
※顔認証技術は株式会社ディー・ディー・エス様の多要素認証基盤「EVE MA」に搭載。今回高知市様ではLGWAN接続系のPCに関しても、カードとパスワードの2要素で「EVE MA」を導入しました。
導入後の効果
スピーディな認証で業務効率化に貢献
顔認証の導入により、日々の認証時間が圧倒的に短縮されたと森岡様は語ります。
「手のひら静脈認証の時は、認証完了までに10秒程度かかっていましたが、この顔認証は本当に一瞬でPCにログオンすることができます。市民のマイナンバー情報を扱う約1600名の職員が毎日行わなければならない作業ですので、待ち時間のストレスを感じずに仕事ができるようになったことは大きな業務改革につながりました」
横を向いてもマスクをしていても高精度に認証
顔認証を使用するにあたり、マスクを着用していても認証可能かという点は非常に重要でした。森岡様は、「特に窓口業務の職員は市民の皆様の近くで仕事をしているため、認証の度にマスクを外さなければならないことは避けたかったのです。その点、この顔認証は驚くほど認証精度が高く、マスクを着用していてもしっかりと本人だと判定できます。肌色やピンク色のマスクでも問題ありません。また、以前の静脈認証は決められた位置に正確にかざさないと、“少し離してください”、“もっと近づけてください”などやり直しを求められていたのですが、現在は横を向いても斜めを向いても認証してくれるため大変スムーズにログオンできるようになりました」と語ります。
簡単登録で導入時の作業を省力化
また、利用開始時の登録もスムーズに行うことができたと、導入を担当した情報政策課の山本様は語ります。
「当初は部署ごとに集まって登録会を実施しようと考えていたのですが、感染拡大の影響によりマニュアルを配布して職員各自で登録作業を行うことにしました。混乱の心配もあったのですが、カメラを起動すればすぐに登録ができるため、皆さん手間取ることなくスムーズに利用を開始することができました」
納入機器
多要素認証基盤用 顔認証技術
多要素認証基盤「EVE MA（イヴエムエー）」は株式会社ディー・ディー・エス様が提供する安全性・利便性に優れた多要素認証プラットフォームです。
各種システムの個人認証を生体、ICカード、パスワードを用いた多要素認証方式に置き換えることができます。「EVE MA」の詳細はWEBサイト＜ https://www.dds.co.jp/ja/ ＞をご覧ください。
お客様の声
さらなる顔認証の活用を検討していきたい
PCログオン時の認証がスムーズになったことに加え、これまでセキュリティ上の問題で実施できていなかったテレワークを開始できたことは今回の大きな変化でした。特に妊娠中の職員や基礎疾患を持っている職員から『コロナ禍で出勤することが怖かったのでテレワークが導入されてとてもありがたい』という言葉をいただけたことは嬉しかったです。（高知市役所 情報政策課 森岡様）
今回、高精度で使いやすい顔認証システムを導入することができましたので、今後はPCのログオンだけでなく入退室や勤怠管理など様々なシステムに展開していけたらと考えています。顔認証ならICカードを自宅に忘れる心配もなく、“顔”さえあれば瞬時に認証できるため、利用する職員の利便性は大幅に向上すると思います。また、庁内の各種認証システムを顔認証に一元化すれば管理側の業務効率化にも貢献できます。ぜひ今後も顔認証を様々なことに活用し、さらなる改革を実現していきたいです。（高知市役所 情報政策課 山本様）
森岡 真生様（写真左）
山本 明生様（写真右）
※所属は納入時のものです。
お客様紹介
最新技術を活用し、様々な業務の効率化を図る
人口約32万人、県全体の約47%の人が住む高知市。連日多くの市民が訪れる高知市役所ではDXの推進やデジタル技術の活用により、窓口業務のオンライン化や職員の働き方改革に積極的に取り組んでいます。2019年には庁舎の建て替え工事が完了し、防災拠点としても使用される新庁舎として装いも新たに開庁しました。