つくば市様
課題
一般的な電子スタンプラリーでは、ユーザー動向の取得や効果の検証に手間がかかる。
解決策
ユーザー属性や利用データが取得できる電子スタンプラリーで、終了後の効果検証を効率化。さらに、顔認証技術の活用により、他との差別化を図った新しい観光体験の提供が可能。
スタンプラリーをきっかけに地域外からの誘客を創出し、まちの魅力を伝えながら地域の活性化に貢献できました。
背景
新たに移り住んだ人々に、まち全体の魅力を伝えたい
かつて田園地帯が広がる地域だったつくば市は、1960年代から筑波研究学園都市としての開発が進み、多くの人が移り住みました。また、2005年の「つくばエクスプレス」開業以降さらに転入者が増え続け、現在は25万人以上もの人が住む巨大な都市となっています。一方で、移住してきた住民は駅周辺の新興住宅地に居住し、駅から遠い地域に足を運ぶ機会がなく、人口や経済効果の偏りが課題となっていました。そこで観光推進課では、昔ながらの地域が持つ魅力を新しい住民に伝え、市全体の活性化につなげるため、つくば市上郷エリアをめぐるスタンプラリーを実施しました。
導入理由
データが取得でき、ユーザーの興味を引くシステムを
つくば市では昨年度も電子スタンプラリーを実施していましたが、ユーザー属性や行動経路などのデータは取得できていませんでした。そこで今回はイベント終了後のデータの利活用も視野に入れシステムを検討。利用登録時のアンケートでユーザーから情報を取得し、スタンプ獲得場所や時間帯、行動履歴などのデータと紐付けることで高度な分析を実現する電子スタンプラリーを採用しました。また、顔認証でスタンプを獲得できる点は、「先進的で他の自治体のスタンプラリーと差別化できる」と採用の大きなポイントとなりました。
導入後の効果
楽しみながらまちの魅力を知る、市内観光に貢献
今回の電子スタンプラリーは、顔認証スタンプ・QRコードスタンプ・GPSスタンプの3種類を使い、場所に合わせて設置。自然豊かな川や公園、歴史ある寺社仏閣、上郷地域ならではのグルメや商店など様々な場所に設置しました。一部の店舗には顔認証スタンプの端末を設置し、誰でも気軽に手ぶらでスタンプを獲得できるようにしました。実施の効果について、つくば市経済部観光推進課の篠嵜様と黄川田様は語ります。
「開催期間中、自転車で回っている親子連れの方と出会えた時はとても嬉しかったです。上郷エリアから離れた新興住宅地にお住まいの方で、イベントを知ってわざわざ自転車で来てくださったそうです。“スタンプラリーを親子で楽しんでいます。設置場所の飲食店が美味しそうだったので今から食べに行きます”と仰っていました。
設置店の中には、生ものやお酒など、参加者によっては商品を購入できない店舗もありましたが、“買わなくても、ここにお店があることを多くの人に知ってもらえただけで嬉しいよ”と仰ったオーナ様もいてありがたかったです」
効果検証やDXの推進にも活用
今回の電子スタンプラリーでは年代や性別、居住地域などのアンケートにスマホで答える形でユーザー情報を取得。また、スタンプ獲得者数や場所、時間帯、行動履歴などをダッシュボードで簡単に確認することができるため、観光のDX(デジタルトランスフォーメーション)としても生かされると期待されています。
「スタンプラリーを実施して終わりではなく、継続的に流動人口を増やすために、今回のデータを市内の周遊コースづくりに役立てたいと考えています。例えばファミリー層がめぐると楽しいスポットや、1人でゆっくり楽しみたい人に向けたグルメスポット、自転車で楽しみたい方へのサイクリングコースなど、テーマやターゲット別にお勧めのルートを作成し、今後の広報活動に寄与していけたらと考えています。また、庁内の他の課でも紙媒体でスタンプラリーを実施している施策があるので、それを電子化していけば今回のように様々な効果が生まれるかもしれませんね」
つくば市 経済部 観光推進課
主査 篠嵜 由理様
主事 黄川田 梨花様
※所属は納入時のものです。
納入機器
まちめぐり電子スタンプラリー
[認証方式]
- 顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」
- QRコード認証
- GPS認証
まちめぐり電子スタンプラリーのフロー図
お客様紹介
豊かな自然・人情と、先進性をあわせ持つまち
雄大な自然と昔ながらの人情味あふれるまち、そして高度な都市機能が両立する茨城県つくば市。近年では、先端技術の活用により生活の中の困りごとを解決し、より良い未来社会を実現する取り組み「スーパーシティ構想」の特区に指定され、つくば市ならではの魅力的なまちづくりが進められています。