キャニコム様
オフラインティーチングを活用した生産性向上ソリューション。
課題
①ティーチング時に設備を停止する必要があったため、ティーチングが夜間作業となることが多く現場の負担になっていた。
②増産に対応できる体制を作る必要があった。
解決策
オフラインティーチングソフト”DTPSⅢ”の活用で、ロボットの稼働を止めずに、PC上でティーチングプログラムを作成。
その結果、生産立ち上げをスピーディに行えるようになり計画していた生産数の増加にも対応可能に。
ティーチングの為だけの夜勤作業がなくなり、現場の負担が軽くなりました。 DTPSを使用し簡単な操作でティーチングプログラムの作成ができるようになりました。
サービスマンの技術講習もあり、大変助かっています。
背景
多品種少量生産への対応
農業用機械や土木作業車などの製造を行うキャニコム様での製造品目は50型式、200仕様あり、さらに主力製品のパーツ数は1台で300種以上と多岐に渡ります。
製造台数の増加に伴い、完成品出荷までのリードタイムの中でボトルネックとなったのは溶接工程でした。
「『一日にどれだけ溶接できるか』が製品供給数に直結します。新工場では従来の工場の1.5倍の生産台数を掲げ、多品種少量生産に対応する解決策として複数の溶接ロボットを搭載したロボットシステムの導入を決めました。(製造部 溶接グループ長 草野様)」
導入理由
①生産停止時間の最小化
溶接ロボットの停止時間を最小にするため、設備稼働と同時並行でオフラインティーチング※ が可能なシステムの導入が一つのポイントでした。
さらに毎年の新機種の立ち上げもあり、DTPSⅢ※でのプログラムデータの管理がしやすい点も決めてのひとつだったといいます。
※オフラインティーチング:ロボットの実機を使用せずに、コンピュータ上のシミュレーションソフトウェアを使用して、ロボットの動作をプログラムする手法。
※DTPSⅢ:パナソニック製オフラインティーチングソフト
②高スピードかつ高品質な溶接
スーパーアクティブ工法は高速溶接時のアークの追従安定性に優れ、他社製と比較して1ワーク製造当たりの溶接時間の大幅短縮が可能でした。
加えて、スパッタ発生量も非常に少なく、溶接中とその後のスパッタ除去工程を考慮しても、作業効率にメリットがありました。
「他社製ロボットとも比較しましたが、目標のタクトタイムを達成できるのはパナソニック製のロボットのみでした。(製造部 溶接グループ長 草野様)」
③トラブル時の安心感
「パナソニックのロボットは不具合が起きた際もサービスマンや営業担当と連絡が取りやすく、すぐに駆け付けてくれた点が好印象でした。
また従来からパナソニックの設備は複数使用していましたが、長期間設備トラブルで停止してしまうことはほとんどありませんでした。(製造部 溶接グループ長 草野様)」
導入後の効果
①立ち上げから生産までスムーズに移行
多品種少量生産では、生産切り替え時に「立ち上げをいかに早く行えるか」が重要となります。
今回のロボットシステムとオフラインティーチングソフトの導入で立ち上げフローが大きく改善されました。
ロボットの実機稼働を止めずに、PC上でプログラムを作成し、あとはプログラムをロボットに転送。その後は現場で動作確認と微修正を行うだけで立ち上げが完了します。
これによって現場の負担が大きく軽減できました。
「ちょっとしたプログラムの変更もDTPS(オフラインティーチングソフト)を活用しています。もともとCADソフトの使用経験はありませんでしたが、パナソニックのサービスマンの方に操作講習をしてもらい今では使いこなしています。 (製造部 溶接グループ長 草野様)」
②ワーク1個当たり生産タクトタイムを1/3に短縮
スーパーアクティブ溶接で溶接スピードが速くなったことに加え、今回のロボットシステムでは2台のロボットを使用し、生産タクトタイムが大幅改善されました。
「従来、フレーム部品の溶接に1個当たり60分かかっていたところ、20分で完了するまでのタクト短縮を実現しました。
また、スーパーアクティブ溶接ではスパッタ発生量も少ないため、スパッタ除去工程も含め全体的に大きく作業時間が短縮でき、現場の担当からも喜ばれています。(製造部 溶接グループ長 草野様) 」
お客様の声
面倒なティーチングがかんたんに
従来、ティーチングプログラムは、ロボットの実機を使用して作成していました。そのため、ティーチングは基本的に、設備が停止する夜勤作業の扱いでした。
しかしオフラインティーチングソフトDTPSの導入後は日勤中でもプログラムの作成が可能となり、現場で非常に喜ばれています。
DTPSでは簡単な操作でプログラムが作成でき、分からないところがあればサービスマンに教えてもらっています。
また、重要な品質面でも大変満足しています。パナソニックのスーパーアクティブ工法はスパッタも非常に少なく、現場作業者からは『すべてスーパーアクティブのロボットに変えてほしい!』と要望を受けるほどです。(製造部 溶接グループ長 草野様)
感動的な進化を体感
我々は溶接ロボットの導入を通して『誰もがつくれるものづくり』を目指しています。
50型式、200仕様にも上る製品の生産に対応するため、多品種少量生産に対応できる溶接設備を探しておりました。そこで見つけたのがパナソニック製のロボットです。
「溶接工程」は我々のものづくりの重要なファクターです。今後もロボットの導入を拡大し、会社の成長に繋げていきたいと思っています。
お客様紹介
『ものづくりは演歌だ』のスローガンのもとに
キャニコム(正式名称:株式会社筑水キャニコム)様は1948年に創業。その後草刈り作業車や農業用運搬車など、 「お客様一人ひとりのご要望に沿った」数多くの製品を世界中に送り出しています。
『ものづくりは演歌だ』というスローガンは、演歌のルーツが、聴き手一人ひとりのリクエストに沿って歌を歌う、という点に由来しているそうです。