株式会社ブリヂストン様 甘木工場
課題
危険エリア付近で作業する従業員の見守りや無人設備のモニタリングを効率的に行いたい。
解決策
AIボックスカメラとAI全方位カメラを適正配置し、広い工場内を効率的にモニタリング。AI動体検知の導入で危険を即座に発報。
AIネットワークカメラを活用して、従業員の安心・安全の見守りはもちろん、確かな品質維持やスムーズな生産管理を実現する工場運営を目指しています。
背景
管理者の目が届かない現場における従業員の安全確保が課題
福岡県朝倉市に位置する株式会社ブリヂストン様甘木工場は主にトラックやバスで使用する大型タイヤの製造工場として、一日に1万本以上のタイヤが生産されています。広い工場内は従業員が一人で作業する工程や無人搬送機が稼働する区画など、管理者の目が届きづらい現場が複数あります。その中でタイヤを金属の型に入れて熱と圧力を加える加硫工程では大型製造機械稼働中の危険エリアに従業員を接近させない安全対策が課題でした。そのため、従業員が安心して業務が行える環境の整備を考え、工場全体を効率的にモニタリングできるシステムの構築が以前から検討されていました。
導入理由
過酷な環境でも安心の屋外対応ネットワークカメラを導入
加硫工程はタイヤに熱と圧力を加えるため、工場内は年間を通して高温多湿な環境です。甘木工場 製造部 設備課の千代島憲吾様は「2017年に一部の工程で定点モニタリング用としてネットワークカメラを導入しました。過酷な環境で24時間稼働しても、トラブルが発生しなかった実績から、その高い耐久性を評価しています。そこで、工場内のモニタリングを強化することになった際、迷わず屋外対応AIボックスカメラとAI全方位カメラの採用を決定しました」と語ります。
導入後の効果
少ないカメラ台数で効率的なモニタリングを実現
従業員の細かな動作を見守る用途として26台の屋外対応AIボックスカメラと、工場全体をモニタリングする用途として屋外対応AI全方位カメラを11台導入。大規模な工場がゆえにどうしても死角が発生してしまう状況において、少ないカメラ台数で効率的なモニタリングを実現しました。モニタリングは事務所に設置した大型の2面ディスプレイで行われています。千代島様は「これまで工場内の状況は管理者が現場を定期的に巡回して把握する必要がありましたが、事務所から稼働状況をモニタリングできるようになり、巡回業務の負担が大幅に軽減されました。屋外対応AI全方位カメラと映像監視ソフトウェアを連携して活用することができる3Dデワープ機能で、見たい視点へ動かしズームして確認できるので、広いエリアの見守りには欠かせないシステムになっています」と語ります。
人と無人搬送車を識別できるAI動体検知で危険エリアへの侵入を発報・確認
稼働中の製造機械の周囲はAI動体検知アプリケーションの“危険エリア“として設定。従業員が危険エリアに侵入すると、事務所に設置した映像監視ソフトウェアに警告が発報されます。製造機械の周囲は無人搬送車も走行しますが、AIカメラは人と車両を識別できるので、無人搬送車が危険エリアに侵入しても発報しない設定で運用されています。千代島様は「従業員が製造機械に接近すると即座に発報・確認できるため、リアルタイムでの注意や指導ができ、安全確保はもちろん、従業員の安全への意識向上にも役立っています。今後は時間帯を設定した侵入検知や製造機械のパトランプでの危険通知など、機能のブラッシュアップも検討しています」と語ります。
納入機器
- HD 屋外ハウジング一体型AIネットワークカメラ WV-S1516LN ×24台
- フルHD 屋外ハウジング一体型AIネットワークカメラ WV-S1536LNJ ×2台
- 屋外対応 9M 全方位AIネットワークカメラ WV-S4576LJ ×11台
- AI動体検知アプリケーション WV-XAE200W
- 映像監視ソフトウェア WV-ASM300
- ネットワークディスクレコーダー WJ-NX400K
お客様の声
確かな品質の維持、スムーズな生産管理ができる工場運営にも貢献
従業員の安心・安全の見守りはもちろん、これまではトラブル発生時の事後確認や検証も課題のひとつでした。従来は従業員へのヒアリングに頼って原因究明をしていましたが、工場内を鮮明にモニタリングできるようになったことで、精度の高い対策が可能になりました。ネットワークカメラの活用は、確かな品質の維持やスムーズな生産管理ができる工場運営に大きく貢献しています。今後も私たちがビジョンとして掲げているサステナブルなソリューションカンパニーの推進に向けて、パナソニックさんのシステムが活躍してくれると期待しています。
(株式会社ブリヂストン 甘木工場 工場長 宮川 秀樹様)
お客様紹介
世界有数の生産能力を誇るグローバルな製造工場
甘木工場は1973年、株式会社ブリヂストン様の8番目の国内タイヤ工場として誕生しました。1977年から長距離・高速輸送時代に対応してトラック・バス用タイヤの生産を開始し、その後はトラック・バス用タイヤの専門工場となりました。現在では世界でも有数の生産能力を誇るグローバル供給基地として、日本国内のみならず米州や欧州を始め、アジアやオセアニア、中近東、アフリカなど世界の市場にトラック・バス用タイヤを生産・供給しています。