パナソニック コネクト(株)エバンジェリストの一力が第7回「(東京)ロボデックス ロボット開発・活用展」の併設セミナー「さらなる自動化推進のためのポイントと具体事例」の特別講演にて、「ロボティクスで真の経営効果を出すIE×DXによるオペレーション変革」をテーマに登壇しました。
ロボティクスで経営効果を出す前にやるべきこととは
人手不足やオペレーションコスト増加など経営に大きな影響を与える多くの課題があり、その答えの一つとしてロボティクス(自働化)が挙げられています。しかしながら、その課題を解決するまでに至らない、投資対効果が当初の目論見通りいかない、やはり人の方が効率的という結論に戻ることが多い現実に直面することがあります。
その課題の一つは、業務プロセスの標準化であることは多く知られていますが、実行するのはとても困難であり多くの企業が悩んでいる。そのためにも、ロボティクスの導入の目的をはっきりすることです。
当社の実践を踏まえ、業務プロセスを標準化には、当社のインダストリアルエンジニアリング(IE)がロボティクスにおいてもAIなどの導入においても非常に有効ということを、手応えをもって感じています。手ごたえとは、単なる実証実験に終わらず現場に実装して経営価値に変えるということが可能になることです。現場や経営に実装していくことがもっとも大切です。
答えの一つとして、製造業として長年培ってきたインダストリアルエンジニアリング(IE)による標準化とセンシング技術やAIなどを駆使したDXの両輪が現場および経営への実装の実現につなげます。標準化の思想が入ったDXの導入と言い換えることもできます。標準化の考え方は、現状の実態を伴って定義し、そして目指す姿を描きます。これにより競争力強化につながる標準化となります。この標準化において基準は非常に重要で、この「現状」、「目指す姿」、「基準」という標準化の取り組みにおいてもう一つ重要なのは、変革を行う際のあらゆる職種の共通言語となるという点です。ロボティクス等の導入プロジェクトは、ロボット部門、情報システム部門、生産部門、スタッフ部門など話を噛み合わせるのが非常に困難です。標準化が共通言語となり、ロボティクス導入に関しての最大の成果につながります。
パナソニックグループの目指す姿に向けてのオペレーション力強化の意義
こちらはパナソニックグループの事業戦略です。2030年には地球環境の課題解決に貢献する会社になると宣言しており、今一度社会へ貢献する企業になるために会社を変革しています。今回のロボティクスやDXで重要なのはここで、全社的にこの3年間でオペレーション力強化を打ち出しており、PX(Panasonicトランスフォーメーション)により、だからこそ当社は業務を標準化して競争力を強化して付加価値を最大化し成長する会社になっていく取り組みを始めています。
パナソニックグループのなかで、当社はパナソニックコネクトという事業会社です。パーパスは「現場から社会を動かし未来へつなぐ」ということで、B2Bの事業領域に対して貢献をしています。Blue Yonderと共にサプライチェーンマネジメント領域で我々は製造・物流・流通業の皆さんと働いている人たちと共に幸せな社会を作っていきたいと考えています。
オペレーション課題化の標準認識
当社が進めているインダストリアルエンジニアリング(IE)とDXによるオペレーション変革のプロセスです。
どの業務を標準化するのかをボトルネックの概念で定義し、その課題仮説と解決仮説構築を行い、センシング技術やAIなどで現場を素早く可視化、現状を定量化し、仮説検証を行います。そこで浮き彫りになった課題の真因を特定し、目指すがたに向けて業務標準化を行います。標準化した業務を継続的にオペレーションすることをアシストするためのシステム導入を実施します。このプロセスを何度か繰り返すことで、どこかのタイミングでロボティクスを入れた自働化を導入し経営効果をさらに高めていきます。
当社でもこのような取り組みは、まだ始めたばかりではあるが、徐々に成果も出始めており、今後もこの取り組みを継続し、皆様のビジネスに貢献できるように進めてまいります。現場を持つ当社の強みを生かしたIEとDXの取り組みに今後もご期待ください。
パナソニック コネクトはサプライチェーン事業で持続可能な社会を実現することをめざします。