写真:映像制作ソリューション「KAIROS クラウドサービス」
写真:映像制作ソリューション「KAIROS クラウドサービス」

株式会社仙台放送様

映像制作ソリューション「KAIROS クラウドサービス」
KAIROS クラウドサービスを用いて、第53回仙台七夕花火祭のLIVE配信を実施。3拠点からのカメラ映像を少ないリソースでスイッチング・編集することができ、今までにないコンテンツの配信を実現した。

課題

独自の動画配信プラットフォームの立ち上げなど、コンテンツビジネスという新たな取り組みに注力されている仙台放送様。それをいかに持続可能なものとするかに課題を感じていた。

解決策

少ないリソースでのスイッチングや編集によって、視聴者が期待する映像コンテンツの持続的な制作を可能に。既存システムと同様の操作感や、少ない機材で制作・配信できる点も高評価のポイントに。

「クラウドでこれだけの配信ができるのか」と、完成度の高さに満足しています。KAIROS クラウドサービスは放送設備がコンパクトにまとめられているイメージ。今まで届けられなかったコンテンツも生み出せるのでは。

株式会社仙台放送 阿部 和昭様
KAIROSクラウド事例_仙台放送様

背景

コンテンツビジネスを通した「放送事業者としての新たな価値提供」を目指す中でのチャレンジ

社会全体でデジタル化が進んでいる今、メディア業界も新たなデジタルプラットフォームが生まれるなど、視聴者が触れるコンテンツの多様性は加速度的に広がりを見せています。そのような中、仙台放送様は「放送事業だけではなく、コンテンツビジネスを通して新たな価値提供をしていきたい」という強い想いの元、独自の動画配信プラットフォームの立ち上げを進められています。そこで配信するコンテンツ制作を、いかに持続可能なものとするか模索されている中、KAIROS クラウドサービスの活用をご検討いただきました。そのトライアルとして、仙台の夏の風物詩「仙台七夕花火祭」のLIVE配信に取り組んでいただきました。過去に同花火大会の配信をした際は、1拠点のみからのシンプルな映像でした。


システム活用の概要

3拠点からの花火大会の映像を配信。スイッチングはPC2台のみで一括管理

仙台城跡・西公園・某マンションの屋上と3拠点からの映像をスイッチングしながら、約1時間・1万6000発の花火が打ち上がる様子を配信しました。映像スイッチングは仙台放送様の会議室にて、PC2台による一括管理。配信のための専属スタッフは1名のみで実施するなど、当日及びセッティングにかかるスタッフの省人化に寄与しました。物理的に設置する機材が少なくなるため、大幅な効率化を実現。大きなトラブルもなく、画質・音声ともに高いクオリティだったとの評価もいただきました。

写真:花火の美しさや迫力の伝わるLIVE配信に
花火の美しさや迫力の伝わるLIVE配信に。

導入後の効果

クラウドだからこそできたことを強く実感。視聴者に届けたい映像を実現可能にし、リソース削減にも貢献

仙台放送様から評価いただいたポイントは、下記の3点です。クラウドならではの利点を多数体感していただく結果となりました。

①事前に編集した映像やテロップをクラウドに入れておくことで、送出機が不要に
②複数拠点からの映像をノートPCのみでスイッチングできた
③スタッフの人数と時間的リソースの削減に貢献


①事前に編集した映像やテロップをクラウドに入れておくことで、送出機が不要に

クラウドの中に動画素材やテロップなどを事前に入れておくことで、送出機が不要であったことに大きなメリットを感じていただきました。例えば配信の途中でCMを入れたい場合の手間も省けますし、テロップを用いた映像編集もスムーズになる点は、クラウドならではの強みです。「今回の配信では、途中で自社番組の告知映像を挿入しました。通常はVTRを用意して送出のための機械を用いるのですが、KAIROS クラウドサービスならクラウドに素材を上げておけばそのまま挿入できるのは、大変便利だと感じました。」(株式会社仙台放送 西崎光一様)

写真:テロップやイラスト素材などをクラウドに上げておくだけで簡単に挿入ができる
テロップやイラスト素材などをクラウドに上げておくだけで簡単に挿入ができる。

②複数拠点からの映像をスイッチングできた

3つの拠点から花火が打ち上がる様子をスイッチングした映像を配信できたことは、仙台放送様にとって初めての試みとして評価をいただきました。花火は打ち上がった後に煙が出るため、1拠点からの映像のみでは視聴者が見づらいと感じるタイミングが出てきます。複数拠点の映像を切り替えることで、より花火を楽しんでもらえる配信が実現できました。花火に限らず、他のお祭りやイベント等でも応用できるとご意見もいただきました。また、KAIROS クラウドサービスをLIVE配信以外にも活用できるとの展望も。「今回のようなLIVE配信だけではなく、今後はハイライト編集をして再度配信したり、その映像データを地上波放送に転用できたりと、私たちが提供できるコンテンツの幅が広がるのでは、と感じています。」(株式会社仙台放送 西崎光一様)

写真:実際に映像をスイッチングしている様子
実際に映像をスイッチングしている様子。

③スタッフの人数と時間的リソースの削減に貢献

仙台放送様が通常の地上波放送をする際と比較して、配信を担当するスタッフ、設定に関わるスタッフの省力化に貢献しました。特に設置については、物理的に必要な準備・撤収が少なく済むことで、大幅な時間短縮を実現。「設置にかかる準備に約30分、撤収は約15分。クラウドなのである程度短時間でできると想像はしていましたが、実際やってみるとその物理設置の少なさに大変驚きました。それは『もう準備終わったけど、何かやり忘れたことは無かったかな?』と思ってしまったほどです。」(株式会社仙台放送 西崎光一様)

写真:物理的に設置する機材が少なくなるのもKAIROS クラウドサービスの良さ
物理的に設置する機材が少なくなるのもKAIROS クラウドサービスの良さ。

お客様の声(導入時期を終えて)

まずは、「クラウドでこんなにできるんだ」というのが率直な感想です。インターネット回線のみでほぼコンテンツを完成させ、配信できたことで、KAIROS クラウドサービスが非常に実現性の高いシステムであると実感しました。基本概念が分かっていれば、私たち放送事業者が使っている設備と近い操作感であったのも、馴染みやすかったポイントですね。KAIROS クラウドサービスは、いわば「放送設備がぎゅっと詰め込まれている」ようなものだと思います。それによって、今まで提供できなかったコンテンツを作ることも可能になるでしょうし、またリモート制作など実務面での変化にも対応できるようになるでしょう。KAIROS クラウドサービスはもちろん、今後も新たなソフトウェアを生み出していただき、放送業界をより良くするためのお手伝いをしていただくことを、Panasonic Connectさんには期待しています。

写真:阿部様
株式会社仙台放送 取締役 阿部 和昭様
※所属・役職は取材当時のものです。

花火大会の配信ということで、やはり花火がどれだけ綺麗に見えるかが重要なポイントでした。花火が散っていく様子や色の階調など、KAIROS クラウドサービスでの配信で画質がどの程度担保できるのかを気にしていましたが、結果的に高いクオリティの配信ができて満足しています。入出力の設定なども含め、“私たちが普段使っているスイッチャーと同じ概念のもの”がクラウド上にあることに驚きを覚えるとともに、放送事業に携わる人にとって分かりやすいシステムだと感じました。また、ハードウェアの影響を受けず、GPUリソースが許す限り使用できる点も、クラウドならではの魅力でしょう。私は長いこと番組制作という立場で色んな人の声や表情を撮ってきた中で、それが地上波放送して終わりということにもったいなさを感じていました。しかし、映像をすべてクラウドに集めておけば、放送後も切り出して配信できるようになります。そのような「番組制作者の想い」を叶えてくれるものとしても、KAIROS クラウドサービスには期待しています。

写真:西崎様
株式会社仙台放送 技術局 映像制作部 部長 西崎 光一様
※所属・役職は取材当時のものです。

関連機器・サービス

KAIROS概念図

映像制作ソリューション KAIROS クラウドサービス

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