宗像市郷土文化学習交流館 海の道むなかた館様
「公共施設」
世界遺産「神宿る島」と、宗像の魅力を内外に発信
宗像大社辺津宮の北側にあり、海の道をテーマに宗像の歴史と、世界遺産『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』の価値と魅力を伝える展示施設。大型スクリーンや3Dシアターによる映像で、通常は立ち入ることができない沖ノ島をリアルに体感できます。また、勾玉づくりなどの体験学習や、コンサートなども開催されています。
導入の経緯
臨場感あふれる映像を映し出す明るさと高画質、メンテナンスの信頼性がポイントに
『海の道むなかた館』は、2017年7月に登録された世界遺産『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』のガイダンス機能を持つ博物館として、年間18万人を超える来館者を集めています。世界遺産の魅力をさらに発信するため、2018年3月に大型スクリーンが新設されました。館長の西谷正様は「世界遺産の中心遺跡となる沖ノ島は、神職以外は立ち入ることができません。どんな島か見てみたいという来館者の皆さんに、ダイナミックで臨場感あふれる映像で、沖ノ島を体験してもらうために設けました」とおっしゃいます。高さ7m×幅18mの半円形大型スクリーンに投写する映像装置に、レーザープロジェクターPT-RZ12KJが2台採用されました。設備の設計・施工を担当された株式会社Zero-Tenの森直樹様は、プロジェクターの選定ポイントとして「明るさと設置性の良さ、また常時映像を投写する設備なのでメンテナンスフリーで信頼性も高いものを選びました」と語られます。PT-RZ12KJによる高輝度・高画質映像は、まさに世界遺産・沖ノ島に立っているかのような感動を来場者に生んでいます。
システムの紹介
2台のPT-RZ12KJで映像をブレンディング
大型スクリーンが設置されている常設展示室は、円形のホールで、宗像市内の遺跡から見つかった貴重な出土品をはじめ、大陸との交流を物語る資料などが展示されています。スクリーンは展示用に使われていたトラスを活用して設置されました。「既存の展示設備にできるだけ影響を与えないことと、没入感を高めるために円形スクリーンにしました」(森様)。展示室であることから一定の明るさの照明が必要です。その照明下でも大型スクリーンに鮮明な映像を投写するため、12000lmの明るさを持つPT-RZ12KJを2台設置し、映像をブレンディングする方式が採用されました。
スクリーン調整の自動化キットを使用して設置を省時間化
機器の設置・調整のために、より高度な幾何学ひずみ補正が行える『自動スクリーン調整アップグレードキットET-CUK10』を導入されました。市販のカメラとパソコンをネットワークに接続することで、幾何学ひずみ補正などの自動調整が可能になり、「映像をブレンディングし、大型の円形スクリーンに投写することになるので、映像の調整には時間がかかることを覚悟していましたが、アップグレードキットを使用したことで、非常に短時間で調整でき、省時間化につながりました」(森様)。
メンテナンスフリーで、イベントなどにも活用できる
大型スクリーンは開館中、映像が常時投写されています。レーザー光源のPT-RZ12KJは長期間連続で使用しても輝度や画質の劣化が少なく、約20000時間メンテナンス不要で運用できます。森様は「常時運用においては、ランプ切れの心配がないレーザー光源であることのメリットがとても大きい」とおっしゃいます。また、運用開始後、常設展示室で開かれるコンサートなどのイベントで、バック映像として大型スクリーンを使いたいという要望がありました。「設置の際にはそのような用途は予定していませんでしたが、デジタルリンクスイッチャーET-YFB200を導入していたので、スイッチひとつの操作で入力ソースが切り替えられます」(森様)。持ち込み映像にも簡単に対応できイベントにも手軽に使えると、むなかた館様からも喜ばれています。
導入を終えて
コンテンツをアップグレードして、さらに魅力的な設備に
臨場感あふれる映像で、世界遺産に登録された沖ノ島の価値を多くの方に体感していただける設備になりました。今後は、新たに撮影した映像でコンテンツを充実させるなど、アップグレードを図り、より魅力的な設備にしていきたいと思います。