奈良県 三郷町様
課題
スマートシティ実現の一環として、死角が少ないリアルタイムでの町民見守り・監視システムを構築したい。
解決策
FSS35キャンパス内において、ローカル5Gを活用した高品質なネットワークによる安心・安全な見守り・監視体制を構築。
移動体に搭載した4台のカメラ映像をローカル5Gを使って高画質・低遅延で伝送でき、その未来技術を今後のまちづくりへ生かすことができると確信しました。
背景
人手に頼らないスマートシティ化の取り組みが加速
大都市のベッドタウンで昼夜の人口に差がある三郷町様。それに加えて高齢化率が高い、町の4分の1が大和川に面し水害の恐れがあるなどの状況により、町民の日常生活を見守る施策が必要でした。しかし人手は限られていることから、ICTを活用した見守りシステムを検討し「人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGO」の実現が推進されていました。具体的な取り組みとして、三郷町様内の大学のキャンパス跡地を活用し、「FSS35キャンパス」としてICT化の実証実験を計画。それが内閣府からSDGs達成に向けて優れた提案をする自治体として認められ、「SDGs未来都市」に選定されたことで、スマートシティ化の取り組みが一層加速しました。
実証実験の概要
ローカル5Gを活用した死角の少ない見守り・防犯システムを構築
町全体をスマートシティ化する事前準備として、限られたエリアでの実証実験を行うことで、その効果が検証されました。「FSS35キャンパス」は、高齢者、障がい者福祉施設、保育士・介護士の養成学校、マレーシアの大学のサテライトキャンパス、ライブラリーカフェ、BMXやスケートボードなど多彩な競技場が集まり、高齢者から子どもまで幅広い世代の町民が訪れます。そのためICTによる見守り・防犯体制を構築できるローカル5Gのネットワークを構築。エリア内で走行する移動体に搭載した4台のカメラから高画質な映像を同時伝送し、監視センターで確認する実証実験が行われました。
実証実験の効果
リアルタイム性が求められる見守りに低遅延なローカル5Gを活用
町民の全世代が生涯活躍する町を実現するために構想された「FSS35キャンパス」は、大学キャンパスの跡地ということもあり、広大な面積があります。三郷町 町長の森様は、「今回は町民の見守りを中心に実証実験を行いましたが、ローカル5Gのネットワークを張り巡らし、未来技術を活用しやすい環境を整えることで、医療法人や社会福祉法人、学校法人、企業、そして三郷町役場で産官学連携を積極的に行い、そこに新たな価値を生み出せるのではないかと考えました。ローカル5GはこれまでのプライベートLTEとは一線を画す、「低遅延」、「高速大容量」、「多数同時接続」が可能で、まさに私達が目指すスマートシティ化になくてはならない技術であることを実感することができました」と語ります。
精度の高いAI検知で死角の少ない見守りを実現
あらかじめ顔画像を登録された子どもや高齢者がどこにいるか、また車いすや白杖を持った人、転倒して動けない人はいないか、さらには不審な車両が侵入していないかをカメラ映像からAIで認証・検知する実証実験が行われました。三郷町 町長の森様は、「どの認証・検知も、パナソニックが提供するローカル5Gが実現するリアルタイム性と高いAI精度で大変有効でした。例えば認知症で徘徊している方を探すためには膨大な人手と時間を要します。しかしあらかじめ家族の方の同意を得た上で顔画像を登録しておけば、移動体に搭載したカメラの映像で歩行者の顔を認証し、何時にどこを通ったかがわかります。これはスマートシティ化のひとつの例ですが、町民の安心・安全向上の可能性を示せたことで、実証実験は大成功でした」と評価しました。
活用機器
- ローカル5Gシステム ×一式
- 顔認証用カメラ ×2台
- 人物・物体検知用カメラ ×1台
- 車番認証用カメラ ×1台
- AI解析サーバーなど監視センター設備 ×一式
お客様の声
パナソニックさんがスマートシティ化の 一翼を担ってくれると期待しています
実証実験は、町の課題解決のために三郷町とパナソニックさんで一緒に考え、話し合い、進められた印象が強く、大変有意義だったと感じています。また三郷町にとって、人手に頼らない未来技術の検証は必ず行わなければならない事項だったのですが、今回の実証実験で、ローカル5Gが町のICT化を進めるためにはなくてはならないネットワークであることを実感することができました。これは、その高度な通信を活用して様々な技術を駆使することで、遠くない将来、例えば町内に自動運転のバスを走らせることができる可能性があることを意味しています。また農業にICTを活用することも現実味を帯びます。つまり、未来技術を活用すれば、私達が課題として捉えていることを無理なく解決できるようになるということを今回の実証実験を通じて確認することができたのです。そして取り組みが始まっている「人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGO」の実現を考えたとき、パナソニックさんの技術力や対応力が間違いなくその一翼を担ってくれると確信しました。
お客様紹介
人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGO
古くから奈良県と大阪府を結ぶ西の玄関口であった三郷町様は、交通の便の良さからベッドタウンとして発展してきました。令和元年7月には内閣府からSDGs達成に向けて優れた取り組みを提案する自治体として「SDGs未来都市」に選定されるなど、「輝きと安らぎのあるまち」を目指して「人にもまちにもレジリエンスなスマートシティSANGO」実現に向け、持続可能なまちづくりへ積極的に取り組んでいます。
※本件は実証実験事例のため、ご提供できない内容が含まれている可能性があります。