名古屋市消防局様
課題
迅速かつ確実な対応が求められる災害現場で誰もが使いやすい、スムーズに操作できる指揮支援システムに更新したい。
解決策
なるべく少ないタッチ数、ストレスフリーな操作感で災害現場と警防本部の情報共有ができる簡単操作の指揮支援システムを構築。
現場から送られてきた画像を警防本部で確認して状況を把握することと、警防本部から現場へ様々な情報を提供して支援することの両方を、リアルタイムで簡単に行えるようになりました。
背景
迅速かつ確実な対応が求められる災害現場で、重要視されるスムーズな操作性
火災指令や救急指令、救助指令など、名古屋市消防局様では平均すると1日に320件以上の出動があります。その現場と警防本部の情報共有を効率化するために以前から指揮支援システムが導入されていました。しかしこれまでのシステムは、現場の画像を撮影・閲覧するまでに必要な動作が多く、直感的な操作が難しいなど、時代の変化とともに改善点が出てきていました。迅速かつ確実な対応が求められる災害現場では、スムーズな操作が非常に重要になってきます。そこでシステム更新のタイミングでより使いやすい指揮支援システムの検討・開発が行われました。
導入理由
火災など災害現場での使いやすさを追求したオリジナルの指揮支援システムを構築
新しい指揮支援システムの仕様検討に関して、以前の指揮支援システムの5年間の活用で蓄積された経験を元に、良い点は継続、改善すべき点はできる限り反映させるため、現場の隊員や警防本部の職員から、意見を集約、仕様化されました。しかしその仕様は、現在世の中に存在する既存システムのカスタマイズでは対応が難しい部分などがありました。そのため最終的にオリジナルのシステムを一からつくる提案を行っていたパナソニックの指揮支援システムを採用。16カ所の消防署や5カ所の特別消防隊、航空隊などで、合わせて44台の頑丈タブレット タフブックを活用し、運用されています。
導入後の効果
現場状況の共有と現場への情報支援を迅速に行える指揮支援システム
警防本部では現場の詳細な状況がわかりません。そこで有効なツールとなるのが指揮支援システムです。名古屋市消防局の松尾様は、「このシステムは、現場から送られてきた画像を警防本部で確認して状況を把握することと、警防本部から現場へ様々な情報を提供して支援することの両方をリアルタイムで簡単に行えます。例えば、現場から送られてきた画像を元に、火災であれば他の建物への延焼の状況、事故などであれば要救助者の状況など、現場にいないとわからないことを把握でき、次の判断に生かすことができます。一方、現場に危険物がある場合はその特性や対応フローなどの情報を、建物の構造を確認する必要がある場合は建造物の図面を送信し、警防本部から現場の隊員をフォローすることができます。そしてそれらを円滑に行える理由が考え抜かれた直感的な操作画面です。様々な現場からの写真をタイムライン形式で表示することにより、どこの指揮隊がいつ送ってきたのかがひと目でわかります。また画像を撮影・共有する際も、カメラと送信ボタンを一つの画面内で、しかも端末を持っている手の指の近くにレイアウトされているなど、細部にわたって迅速な操作が行えるように工夫されています」と評価します。
災害現場で隊員がグローブを着けたままで操作ができる頑丈タブレット タフブック
44台採用されているタブレット端末は、過酷な災害現場の環境に耐えられることはもちろん、緊迫の現場で使いやすい操作性が評価されています。名古屋市消防局の松尾様は、「現場での使いやすさや迅速なアフターフォロー、そして様々な機関で採用されている信頼の高さでタフブックを選びました。この端末は私達の現場にとても適していると思います。夏季は40度近く、冬季はマイナス0度以下になる環境に加え、放水による水濡れ、落下、振動などに耐えうる堅牢性は申し分ありません。また、グローブを着けたままでも、水滴がついていてもタッチ操作ができるので、災害現場で隊員が状況を気にせずに使用できることも非常に有効です」と語ります。
納入機器
- 指揮支援システム 一式
- 頑丈タブレット タフブック ×44台
お客様の声
市民と隊員の安全確保を支援できる、非常に有効なツールになったと考えています
緊迫した状況下で使用するシステムなので、とにかくストレスの少ない操作感であることが非常に重要でした。現場の隊員の声や警防本部の意見などを取り入れながら検討し、なるべく少ないタッチ数で現場と警防本部間の情報共有ができる簡単操作の指揮支援システムを構築することができました。さらに現場では両手でタブレット端末の両端を持つことを想定した場合、その体勢でタッチしやすいように両端に必要なボタンを集約させることで親指で操作できるようにするなど、画面レイアウト自体にもこだわりました。市民と隊員の安全確保の支援へ非常に有効なツールになったと考えています。(松尾 匠平様)
一刻を争う現場で、指揮業務に使える時間が増えていると感じています
火災などの災害が発生した際、災害の現場と警防本部との情報共有はとても重要です。指揮支援システムは、リアルタイムで警防本部へ簡単に現場写真を送ることができるのですが、写真には情報が満載なので、例えば状況を携帯電話の会話で伝える作業に比べて大幅な時間の短縮が可能です。人命救助が最優先の一刻を争う現場において、指揮に使える時間を増やせるようになったことは効果的です。(間瀨 裕司様)
お客様紹介
火災をはじめとする、名古屋市の様々な災害現場で活躍
消防局と16の消防署、44の出張所などからなる名古屋市消防局様。火災などの災害における消火活動をはじめ、人命救助活動や救急活動、火災の発生を未然に防ぐ予防業務、また、自然災害や大規模災害等に備えた地域防災力の向上や、応急手当の普及啓発などを、地域の消防団員と連携しながら行っています。
頑丈タブレット タフブック
屋外や過酷な現場に適した頑丈タブレットで、屋外業務をサポートする機能を多数搭載。別売のクレードルを活用すれば、デスクトップPCとして、データ入力などの事務作業も可能。