写真:御船町の防災対策室
写真:御船町の防災対策室

熊本県 上益城郡御船町様

防災行政無線システム
地域の大切な命と暮らしを守るため迅速に情報収集・伝達できる、LPWAを活用した防災行政無線システム・避難所ソリューション。

課題

無線を活用したシステムを持っておらず、全戸にすぐ情報を伝えられなかった。情報収集にも時間がかかっていた。

解決策

防災行政無線システムの導入で、屋外拡声器や戸別受信機、メール・SNSなどで一斉通知が可能。さまざまな情報の一括収集が可能になった。

御船町は農業が産業の中心で中山間部も多く、日常的に外で仕事をされている方々が多く、時報の一斉放送が大変好評です。災害時はもちろんですが、平時にもどんどん活用したいですね。

御船町役場 総務課 地域・防災係 係長 河地 克敏様
※所属は納入時のものです。

背景

2016年の熊本地震をきっかけに防災行政無線の整備を検討

2016年4月に発生した熊本地震では、御船町も大きな被害を受けました。これまでにない規模の被災です。災害対策本部から各地区への電話連絡はつながらず、避難所の管理者が倒木や落石で避難所までたどり着けないという地区もありました。また、中山間部では高齢者も多く、携帯電話を持っていない、持っていても圏外になるなどの混乱も一部で起きました。町ではこの経験を踏まえ、翌年から防災行政無線の整備計画を開始。さまざまな災害から、地域住民の生命と財産を守り、より迅速で正確な情報を住民の方がたへ伝達できるシステムを求めておられました。


導入理由

3つの選定基準に合った、情報収集も伝達も迅速に行えるシステム

「システム選定はプロポーザル方式で、以下の3点が重視されました。1、地域住民の方がたへの情報伝達を確実に行えるか。2、サポート体制はどうか。3、システムが御船町に合っているか。選考の詳細はわかりませんが、3つの選定基準にパナソニックが最もかなっていたのだと思います。そもそも御船町には、これまで無線を活用したシステムはありませんでした。緊急時には各地域の区長宛に電話連絡する仕組みで、全戸一斉にすぐ伝えられるものではなかったのです。今回は、情報収集も伝達も迅速に行えるシステムの導入となり、良かったと思います。」(総務課 河地 様)


導入後の効果

いままでバラバラで集めていた情報の一括収集が可能になった

御船町の防災行政無線システムは、防災対策室で災害に関する情報を一括集約。帳票・グラフ等の視覚的なデータを一覧でき、災害対応の判断材料に活用できます。「従来は個別でサイトにアクセスして情報を集めたり、職員が現地に行って調べたり、といった状況でした。今は1つの画面で一括して情報収集でき、かなりのスピードアップになっています。河川や橋の様子なども防災カメラを使ってリアルタイムに確認できます。緊急時にはドローンを飛ばすこともできますので、正確な状況把握に役立つと思います」(総務課 河地 様)

情報を素早く共有でき、スピーディーな意思決定を支援

「導入システムは使い勝手が非常に良いですね。感覚的に操作ができて、皆喜んでいます。防災対策室のAV機器はタブレット一つで操作できるので、対策本部会議などで“あの情報が見たい”という要望にもすぐ切り替えて映し出せます。防災カメラやドローンからの情報も活用しながら、緊急時にもスピーディな意思決定に役立つのではないでしょうか」(総務課 河地 様)

災害に強いLPWA通信で避難所の解錠や人数把握が簡単に実現

「熊本地震の際には、避難所の鍵を持つ管理者が落石などのために避難所にたどり着けず、解錠ができなかったんです。そこでパナソニックさんから災害に強く、ランニングコストが安価なLPWA※をご提案いただきました。これにより避難所のキーボックスを遠隔操作で開けることで、“避難所に入れない”という事態を避けることができます。 ※省電力広域無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」
また、避難所に来られた方がたの総数も、パナソニックの人数カウントソフト『KazooL』により防災対策室で各避難所の人数把握が可能になりました。これにより、食料などの物資をどのくらい届ければよいかが正確にわかり、適切な物資供給が行えます」(総務課 河地 様)


写真:電子ホワイトボード機能付きディスプレイ
壁一面に設置されたホワイトボードや、電子ホワイトボード機能付きディスプレイで情報を共有。
写真:防災無線室
警報や各地区に情報を送る防災無線室。
写真:タブレット操作で防災対策室の映像表示を制御。
タブレット操作で防災対策室の映像表示を制御。
写真:カメラ映像による状況把握で防災対策室の情報収集機能をUP。
カメラ映像による状況把握で防災対策室の情報収集機能をUP。
写真:屋外拡声器
屋外拡声器や戸別受信機に音声で情報伝達。さらに登録住民にはメールでも通知。
写真:避難所に来た人数をカメラがカウントして防災対策室へ通知。適正量の支援物資の配分が可能。
避難所に来た人数をカメラがカウントして防災対策室へ通知。適正量の支援物資の配分が可能。

防災行政無線システムイメージ

納入機器

  • 親局 ×1局
  • タブレット操作卓 ×3式
  • 遠隔制御装置 ×1式
  • 中継局 ×1局
  • 簡易中継局 ×6局
  • モーターサイレン局 ×1局
  • 防災カメラ
  • 気象観測
  • 防災対策室
  • 屋外拡声子局 ×103局
  • 戸別受信機 ×1,320台
  • 複数メディア配信システム
  • 避難勧告等支援システム
  • 避難所管理システム
  • LPWA無線
  • 移動系IP無線
  • 全天候対応空撮ドローン ×1式
  • KazooL(人数カウントソフト)

お客様の声

各地区に防災を担当する防災リーダーを育成したい

今は各地区の区長さんの負担が非常に重くなっています。通常業務に加えて防災関連業務を請け負っていただいていますからね。そこで各地区に防災を担当する防災リーダーを育成したいと思っています。導入システムには担当者が携帯電話から防災対策室の専用番号にかけて、あらかじめ録音しておいたメッセージを自分の地区に流せる機能があります。緊急時に現地で素早い対応が可能になるのです。避難所の運営も含めて地域の皆様の安全を守る人材を増やしていきたいです。(総務課 河地 様)

災害時も平時もシステムを有効に活用していきたい

御船町は農業が産業の中心で中山間部も多く、日常的に外で仕事をされている方々が多く、時報の一斉放送が大変好評です。また、コロナ禍においては自粛要請などのお知らせにも活用しています。これまでは回覧板を回すなど人と人との接触がありましたので、重宝しています。災害時はもちろんですが、平時にもどんどん活用したいですね。(総務課 河地 様)


今後の展望

LPWA通信を活用して、今後さまざまなことに取り組みたい

LPWAには可能性を感じています。今後、有害鳥獣対策や交通弱者への対策、農業のIT化などにも取り組みたいです。(総務課 河地様)

写真:河内様
御船町役場 総務課 地域・防災係 係長 河地 克敏様
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

恐竜化石などの産地として世界的に注目を集める町

御船町は熊本県のほぼ中央に位置し、東西約20km、南北約10kmに広がる人口1万7千弱の町。御船の由来は、景行天皇が九州平定ご巡幸の際その御船(おんふね)が着岸したことによると伝えられています。日本初の肉食恐竜の歯の化石(通称:ミフネリュウ)が出土し、世界的に注目を集めています。

写真:御船町役場
本システムの導入で総務省ICT地域活性化大賞2020を受賞した御船町役場。

関連機器・サービス

自治体ソリューション

防災行政無線システム

地域の防災とICTの利活用で安心・安全なまちづくり・地方創生に貢献。


製品写真:電子ホワイトボード機能付きディスプレイ

電子ホワイトボード機能付きディスプレイ

タッチスクリーン液晶ディスプレイ. ホワイトボード機能やさまざまな便利機能を内蔵。


製品写真:頑丈タブレット

頑丈タブレット

高性能で使いやすい頑丈タブレット。


製品写真:ネットワークカメラ

ネットワークカメラ

河川や崖などを監視する高精細・高画質のネットワークカメラ。


製品写真:KazooL

KazooL(人数カウントソフト)

監視だけでなく、人数を『数える』ことができる機能拡張ソフトウェア。