写真:河川水位監視カメラシステム
写真:河川水位監視カメラシステム

東京都建設局様

河川水位監視カメラシステム
耐環境性能に優れた屋外対応エアロPTZカメラで台風や豪雨時の河川水位を素早く確認。

課題

台風や豪雨が発生した際に、素早く河川の水位を確認し、都民の安全につながる情報発信を行いたい。

解決策

河川の各所に耐環境性に優れた監視カメラを設置し、昼夜を問わず鮮明な映像を撮影。

東京都の各自治体への緊急連絡のみならず、WEBサイトを通じた映像によるリアルタイム情報発信で都民の安全確保に貢献しています。

東京都建設局 河川部 防災課 課長代理(防災情報設備担当) 田辺 孝博様

背景

自然災害時の河川状況の素早い確認と都民への情報提供

2019年の台風19号(令和元年東日本台風)で多摩地域を中心に7つの河川で溢水が発生し、多くの被害が生じました。これまでも実際の現場確認と合わせて河川の監視カメラを活用していた東京都 建設局様は、より広い範囲で台風や豪雨の際の河川状況を確認し、素早く都民へ情報提供することが必要と考え、監視カメラの増設計画を進めました。主目的が自然災害の対策であるために、昼間はもちろん夜間でも鮮明に撮影できることや雨や風が強くても十分に状況が確認できることを重視。厳しい屋外環境で設置できる機能・機構を備えた屋外対応監視カメラシステムが検討されました。


導入理由

夜間や厳しい屋外環境でも撮影できるエアロPTZカメラ

溢水が起きた場合、これまでは水位計データのみの確認で現場に急行していました。実際には危険が伴うために現場に近づきづらいこともあるなど、情報収集には多くの苦労がありました。そこで耐環境性能を備えた屋外対応エアロPTZカメラを2020年度に20台導入。その後も増設し、現在70台が新規で設置されています。東京都 建設局 河川部の田辺様は「水防災情報の発信強化として過去の被害状況などを踏まえた場所を選定し増設しています。夜間の画質も非常に鮮明で、職員が水防活動に利用するだけでなく、WEBサイトを通じた映像によるリアルタイム情報発信で都民の安全確保に貢献しています」と語ります。


導入後の効果

耐環境性能を備えた屋外対応エアロPTZカメラで自然災害時も円滑に河川の水位を確認

以前、河川監視用に導入していたドームタイプの監視カメラは、経年劣化や汚れのために映像が不明瞭になっていました。東京都 建設局 河川部の田辺様は「河川は周りに何もない環境が多いため、台風や豪雨時はかなりの雨が打ち付けます。親水コーティングを定期的に塗りなおしても傷などの影響で水滴がついたままになり、見づらくなっている場所も少なくありませんでした。新たに導入したエアロPTZカメラは、レンズ部にひさしがあり、ワイパーも備えられているためその心配が大幅に軽減されています。本体の防水・防塵機構や風を受け流すフォルムなど、耐環境性能も優れており、例えば小笠原諸島父島の八ツ瀬川へも設置しているのですが、先日、台風で最大瞬間風速48mになった際も安定して運用を行うことができました」と評価します。

高画質なカメラ性能と夜間撮影を補助する赤外線投光で鮮明撮影

複数の撮影地点に河川の水位を計測する量水板がありますが、これまで設置されていた監視カメラは画質の関係もあり、それらのみをアップで撮影していました。今回のエアロPTZカメラは量水板を画角の中に納まるようにしながら、河川の状況も撮影しています。東京都 建設局 河川部の田辺様は「エアロPTZカメラは、昼間はもちろん、赤外線投光器(機能拡張ユニット)がカメラと連動して動くことで夜間でも非常に鮮明に映し出し、状況をつぶさに確認できます。しっかりと確認することが求められる状況の中、これは大変重要だと考えています」と評価します。


写真:エアロPTZカメラ
ポールに取り付けられたエアロPTZカメラで河川の水位を撮影。
写真:WV-SUD638
耐環境性能に優れたフルHD屋外対応エア ロPTZカメラWV-SUD638。
写真:機器収納ボックス
電源やネットワークハブなどが収納された機器収納ボックス。
写真:QRコード
QRコードで「東京都 水防災総合情報システム」のWEBページへ誘導。
写真:東京都水防チャンネル
都民に河川の状況を提供する「東京都水防チャンネル」の画面。

システム構成図

【パナソニックの監視カメラ】納入事例のご紹介 河川水位監視カメラシステム

納入機器

  • フルHD屋外対応エアロPTZカメラ WV-SUD638 ×70台
  • 機能拡張ユニット(IR LEDユニット) WV-SUD6FRL1 ×70台
写真:WV-SUD638

お客様の声

都民の安全確保を最優先に、正確・迅速な防災対策に取り組んでいきます

東京都には小さな河川が多く、それらは豪雨になると急激に水位が上昇してしまう特性があります。その状況をYou Tubeの東京都水防チャンネルから動画でリアルタイム発信することで、都民の避難判断材料のひとつになると考え、配信を行っています。それも私達の“東京都 水防災総合情報システム”と円滑に連携できたことで実現しています。現在、3年間で70台の増設を行いましたが、来年度、再来年度も引き続き拡充し、2030年までにトータルで約200台の設置が予定されています。さらに、今後は監視カメラの増設と合わせて、例えば高画質の映像をAIで認識して水位を確認するような監視の支援を行うなど、ソフト面も進化させていく必要があると考えています。監視カメラが増えても監視する人数には限りがあるため、できる限り見落としが起こらないようなシステム構築を進めることで、一層正確・迅速な防災対策に取り組んでいくつもりです。

写真:東京都建設局河川部防災課
東京都建設局
河川部 防災課 課長代理(防災情報設備担当) 田辺 孝博様(写真中央)
河川部 防災課 防災情報設備担当 矢島 洋平様(写真左)
河川部 防災課 防災総括担当 小倉 正考様(写真右)
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

東京都の防災力向上に向けた取り組みを加速

政治、経済、文化など、多くの機能が集積する東京都。その中で道路・河川・公園などの都市インフラ整備を担う東京都 建設局様では、水害から都市を守る河川の護岸や調節池の整備も大きな役割のひとつです。現在、東京都の防災力向上に向けた取り組みを加速させており、都民が安心して暮らせる都市づくりを進めています。


写真:東京都庁
東京都 建設局様が入居する東京都庁。
地図

関連機器・サービス

製品写真:WV-SUD638

屋外エアロPTZタイプネットワークカメラ WV-SUD638

ハイブリッド揺れ補正機能搭載。耐重塩害仕様。独特の流線型フォルムを採用。耐風速性能として、風速60m/sまで動作可能、風速80m/sまで壊れないという強靭な機構設計を実現したフルHDの屋外PTZカメラ。