写真:広い敷地に並ぶメロン栽培用のビニールハウスとそれを管理する事務所を上空から撮影した様子
写真:広い敷地に並ぶメロン栽培用のビニールハウスとそれを管理する事務所を上空から撮影した様子

開成建設工業株式会社様

メロンハウス栽培IoTシステム
各ビニールハウスの開閉部分の巻き上げ・降ろしで行う微妙な温度調整を、PCやスマホから思い通りに一括管理。

課題

ハウス増設に伴い、使い勝手の良い監視・巻き上げシステムを構築し、各ハウスの状況確認などを一元管理したい。

解決策

監視カメラ、各ハウス開閉部分の巻上げを制御できるIoTコントローラ、温湿度計測センサーを設置してシステムを一元管理し、巻き上げ・降ろしの微調整を思い通りに実現。

ハウス内の温・湿度、ハウス巻上げ・降ろしの開閉制御やその状況を監視カメラで確認できます。ハウスまで行かずに管理事務所のPCや、自宅にいてスマホからも操作できるようになりました。

開成建設工業株式会社
取締役 管理部次長兼総務課長 小澤 尚仁 様
※所属は納入時のものです。

背景

メロンのハウス増築に、従来の手作り監視カメラ設備では対応が困難

開成建設工業株式会社様では2011年より敷地内でメロン栽培を始めました。南弟子屈地域でメロンが育つか、当初2年間は試験的な栽培でした。その結果、成長には温度・湿度管理が重要で、日々の生育状況に応じたハウス巻上げによる温度調整が鍵とわかり、監視カメラや電動ハウス巻上げ機材などを購入。手作り設備で運用していました。ただ、購入機材には生産完了品もあり、ハウス増築への対応は困難でした。

今回、ハウスの増設にあたり、より使い勝手が良く、すべてのハウスの温度管理を思い通りに一元管理できるシステムをお探しでした。


導入理由

使い慣れた設備と同じシステム提案で、使い勝手が良く、信頼性も高い

展示会を回り、さまざまな企業に相談しても、成果が得られませんでした。以前から相談していた株式会社大栄電業様が、パナソニック システムソリューションズ ジャパン北海道社が独自に開発した「育成管理ソリューション(牛舎管理のIoT)」の口コミ情報を入手、“電動カーテン開閉と運用概念が似ていると気づき、ハウス栽培に応用できる?”とお考えになりました。

「どんな豪華で高価なシステム提案かと思ったら、ウチが使ってる設備とほとんど同じにしてくれて、しかも使いやすそうでした。あと、北海道での実績への信頼ですね」(開成建設工業株式会社 取締役 小澤 尚仁様)


導入後の効果

ハウス内の環境を一元管理

全ハウス内に監視カメラ(WV-S3130J)、各ハウス開閉部分の巻上げを制御できるIoTコントローラ(PLC)、温湿度計測センサーを設置。温度・湿度・カメラ映像などを一元管理し、事務所や自宅からPCやスマホで確認できるようになりました。

ハウスの巻上げ・降ろしも管理事務所や自宅から思い通りに調整可能

北海道社が独自に開発した専用の管理画面を利用して、ハウス内の環境を確認しながら全てのハウス巻上げ・降ろしが自在にできるようになりました。一斉の開閉操作はもちろん、ハウスごとに選択して細かい開閉が可能です。監視カメラを通じて開閉状況などリアルな映像をもとに、ハウスに行かなくても、PCやスマートフォンから、手動で巻上げ・降ろしをしているかのような微調整も、簡単に思い通りにできるようになりました。

北海道での実績が評価された信頼性

「開けたはずなのに開いていないとか、映像が映らない、などの事態があっては困るんです。1日放っておくとメロンはダメになってしまいますので、機器の信頼性は重視しました」と小澤様。パナソニックが2017年から北海道の牛舎管理IoTソリューションで培ってきた実績を高く評価していただきました。


写真:ビニールハウスの側面が巻き上げられている様子

遠隔操作でハウスの開閉部分を巻き上げたり降ろしたりが自在にできる。

写真:ビニールハウス内部。左右の側面が巻き上げられている様子。

ハウスの左右の開閉部分を制御。

写真:8つのハウスの様子が一つのモニターに8分割で映し出されている様子

8つのハウスの状況が一目瞭然。

写真:モニターに映し出されたハウスの様子。温度、湿度、現在の開閉状況が表示されている。

各ハウスごとに、ハウスの巻き上げ状態や温度・湿度が確認可能。

写真:お客様がパソコンに映し出された8つのハウスの様子を見て、温度、湿度、ハウスの開閉状況を操作・管理する様子。

温・湿度確認や、ハウスの開閉操作は事務所にいながら確認・操作が可能。

写真:事務所の外でスマートフォンを使ってハウスの開閉を行うお客様の様子。

外出していてもスマートフォンから操作が可能。

写真:壁に設置さてているコンパクトドームネットワークカメラ

各ビニールハウスに設置されているコンパクトドームネットワークカメラWV-S3130J。

写真:設置されたIoTコントローラPLCの拡大写真。

ビニールハウスのそばに設置されたIoTコントローラPLC(FP7/31ES)。


お客様の声

毎日ハウスまで行かなくても、微妙な温度管理ができる

メロン栽培は温湿度の管理が大変重要です。甘いメロンを作るためには、毎日の管理以外にも収穫前の2週間は寒暖の差が重要で、開花後1 ヶ月はハウス巻上げの開け閉めによる微妙な温度管理を必要としていました。

当初の自社の手作り設備は、主要機器が販売終了してしまい追加できなくなったんです。

今回のハウス増設に伴い、パナソニックさんのメロンハウス栽培IoTシステムを導入することになりました。PC画面ではハウス内の温度や湿度の状況だけではなく、巻上げの開閉制御やその状況を監視カメラで確認することができます。

おいしいメロンを作るには、毎日の温度管理が重要で、一日の休みもありません。ハウスまで行かずに管理事務所のPCや休みの日にも自宅や外出先からスマートフォンで操作・対応することができるようになりました。

使いやすいシステムで、とても満足

温度管理のために、私が「これだけ開けたい」という所で止めたいんです。全自動は嫌で、半分自動、半分手動、という感じで自分が思うように動かしたい。パナソニックのシステムは、前の設備と同じような構成なのですが、とてもラクに操作できます。巻き上げも巻き降ろしも、画面の矢印部分に触れるだけで簡単です。

予算も厳しいので一番安いもので揃えてもらいましたが、すごく使いやすく、とても満足しています。


システム構成

システム構成図:8つのビニールハウス内に1台ずつコンパクトドームネットワークカメラを設置。8つのうち3つのハウス内には温湿度センサーも設置されている。さらに、全てのハウスの側面にはハウスを開閉する巻き上げユニットが左右1台ずつ、計16台設置してあり、無線環境ユニットENR1親機を介して、IOTコントローラからハウスの開閉部分の制御を行う。事務所ではPCでハウスの状態を確認、操作できる。また自宅や外出先からはスマホなどで確認、操作可能。

導入システム

  • コンパクトドームネットワークカメラ WV-S3130J ×8台
  • 温湿度センサー UENRST101 ×3台
  • ENR1無線環境ユニット RS-485タイプ(親機)UENRMU002 ×1台
  • プログラマブルコントローラ(IoTコントローラ)PLC(FP7/31ES) ×1台
  • M2Mルーター ×1台
  • PoEインジェクタ ×8台

お客様紹介

写真:メロンを栽培するビニールハウスが並んでいる様子

メロン栽培北限の地で、ハウスの温度管理にIoTを導入

弟子屈町の特産品ながら一般の市場に出回らない“幻のメロン”摩周メロン。開成建設工業株式会社様は2011年からメロン栽培を実験的にスタートし、2019年現在6棟のハウスでメロンを育てています。メロン栽培の北限といわれるこの地域は一日の寒暖差が大きく、おいしく甘いメロンができますが、ハウスの温度管理は大変な労力を要するためIoTを導入しました。

写真:お客様である、開成建設工業株式会社 取締役 管理部次長兼総務課長小澤尚仁 様

今回、取材にご協力いただきました

開成建設工業株式会社
取締役 管理部次長兼総務課長 小澤 尚仁 様


関連機器・サービス

製品写真:コンパクトドームネットワークカメラ WV-S3130J

コンパクトドームネットワークカメラ WV-S3130J


製品写真:温湿度センサー UENRST101

温湿度センサー UENRST101


製品写真:ENR1無線環境ユニット RS-485タイプ(親機) UENRMU002

ENR1無線環境ユニット RS-485タイプ(親機) UENRMU002


製品写真:プログラマブルコントローラ(IoTコントローラ)FP7

プログラマブルコントローラ(IoTコントローラ) PLC(FP7/31ES)