日本航空株式会社様
課題
航空会社の各空港における地上業務は早朝・深夜勤務が多いため、子育て中の社員などが働き続けることが困難。
解決策
アバターを使ったリモート案内サービスで、遠隔地からお客さまとの細やかなコミュニケーションを実現。
この実証実験によって「空港にいなければ業務ができない」という前提を覆すような、新しい働き方への可能性を感じました。
背景
リモート案内サービスで働き方改革を目指す
日本航空株式会社様は、運航時刻に合わせて昼夜を問わず勤務しなければならない空港での地上案内業務に対し、以前から課題を持っていました。特に女性社員が多く、子育て中は早朝や深夜勤務が困難なため、全社員が負担なく働き続けることのできる労働環境づくりを検討していました。そこで、アバターを使ったリモート案内サービスに注目。その有効性を確かめるために羽田空港内で実証実験を実施しました。この実験は、昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からも、社員の安全を確保する上で非常に有益なものとなりました。
システムの概要
ディスプレイを介して“もう1人の自分”がお客さまをご案内
本システムはディスプレイに表示させたアバターをPCから遠隔で操作し、マイクとスピーカーを使った音声の双方向コミュニケーションを実現します。アバターを使うことで社員のプライバシーにも配慮し、自宅からでも抵抗なくお客さまと会話することが可能なシステムです。実証実験は、2020年9月14日から25日までの12日間、羽田空港国内線第一ターミナルで実施。ディスプレイは既設のものを使用し、チケット発券カウンターに1台、搭乗ゲート3か所に各1台を設置。オペレーターは空港内のオフィスから問い合わせへの対応や搭乗案内を行いました。
実証実験の効果
アバターによって、お客さまとの会話を楽しみながら案内業務
ディスプレイ上部にはカメラが設置されており、オペレーターは周囲の状況をリアルタイムに確認しながら対応可能です。例えば、お客さまがカメラに向かって搭乗券を提示し、座席のアップグレードを問い合わせると、オペレーターが瞬時に空席状況を確認して伝達。即時性の高い案内業務を実現しました。また、オペレーターの口の動きや表情を自動で認識し、アバターへ反映させるため、非対面でありながら対面に近いリアルな会話が可能です。実際に操作した社員様は、「お客さまがアバターに興味を持って話しかけてくださり、実際に搭乗口でご案内する時よりも会話を楽しみながら対応することができました」と語ります。
簡単オペレーションでスムーズな案内業務をサポート
顔の向きなどを自動で認識する機能のほか、操作画面には「礼をする」や「右を指す」など、アバターの動きをワンタッチで制御できるボタンを搭載しており、操作の簡単さやGUI画面の分かりやすさも好評でした。なお、今回はリモート対話式で実証実験を行いましたが、本システムはチャットボットによる「AI対話」にも対応しています。
アバター式リモート案内サービスの運用イメージ図
納入機器
アバター式リモート案内サービス×1式
今後の展望
この技術を活用することで、これからは新しい形で空港の地上業務に向き合っていくことができると感じています。
今回の実証実験では「空港にいなければ業務ができない」という空港での地上業務の前提を覆すような、新しい働き方への可能性を感じました。社内において、アバターを使ったリモート案内サービスを活用できる場はまだまだたくさんあります。一つでも多くの課題を解決していくことができるよう、これからもパナソニックの皆さまと一緒に、より一層使いやすいシステムとなるよう向上を図り、本格導入を積極的に検討していきたいと思います。
お客様紹介
お客さまに最高のサービスを
1951年に設立した日本航空株式会社様は、「お客さまに最高のサービスを提供する」を企業理念に掲げ、日本を代表する航空会社として、世界中の人々に安全で快適な空の旅を提供しています。
※本件は実証実験事例のため、ご提供できない内容が含まれている可能性があります。