学校法人 郁文館夢学園様
「夢の実現」に繋がる 実践的なグローバル教育
郁文館夢学園様は「子どもたちに夢を持たせ、夢を追わせ、夢を叶えさせる」ための実践的なキャリア教育“夢教育”を教育目的に掲げる私立学校です。学園内には中学校・高等学校の他にグローバル教育に力を入れる「郁文館グローバル高等学校」があります。ここでは全生徒が1年間の海外留学を経験し、現地で自分が興味を持った事柄について研究活動を行うなど、生徒一人ひとりの自主性を尊重した、特徴的なグローバル教育が実施されています。
導入の経緯
高画質なHDインテグレーテッドカメラで、教師を自動で追尾して生きた授業を撮影・配信
明治22年創立という長い歴史を持つ郁文館夢学園様は、2019年11月に創立130周年を迎えます。 その記念プロジェクトの一環として、ICTを活用した先進的な教室「FUTURE LAB」を新設しました。教室の前後には、壁一面に広がるホワイトボード兼プロジェクター投射用のスクリーンが配備され、スクリーンの上にはHDインテグレーテッドカメラAW-HE70HK9を設置。教師と生徒の双方向コミュニケーションによる遠隔授業が可能となりました。撮影・配信システムには、教師を自動で追尾してカメラがパン・チルト・ズームする「自動追尾ソフトウェアAW-SF100G」と、LANケーブルで接続されたHDインテグレーテッドカメラを仮想USBカメラとして使用できる無償ソフトウェア「PTZバーチャルUSBドライバー」が導入されました。自動追尾ソフトウェアは、特定力の高い“顔認証”と高性能な“人体検出”という2つのコア技術を採用し、教師がどの方向を向いても追従。途切れの少ない自動追尾撮影を実現します。機器選定を担当した郁文館グローバル高等学校の木村和貴教頭は「他社の自動追尾撮影システムとも比較検討しましたが、AW-SF100Gはまるで人の手で操作しているかのように自然な動きで、教師が速く動いた際や板書のために後ろを向いた際もフレームアウトすることなくしっかりと追尾できたため、採用を決定しました」と語ります。
システムの紹介
教師を自動で追尾して海外留学生に遠隔授業
郁文館グローバル高等学校では、2年次に必ず1年間の海外留学を経験させる試みが行われています。生徒たちは日本との接触を一切絶ち、英語のみの環境で生活する規則となっていますが、2018年に始動した理数系のクラス「Global Science Track」においては、英語による現地の授業だけでは理解が困難だという課題がありました。そこで、自動追尾ソフトウェアとPTZバーチャルUSBドライバーを活用し、現地での学びをサポート。研究の進捗確認や日々の学習状況など、リアルタイムな映像と音声により、細かなフォローが可能となりました。村野廣太教員は、「コントローラーが不要でカメラが自動で動作するため、教師はカメラ位置を気にせず授業に集中することができます。また、教室内を移動しても教師をしっかりと追尾し、同じ教室、同じ時間を共有しているかのようにスムーズな授業を行うことが可能になりました」と話します。
高画質なHDインテグレーテッドカメラをウェブカメラとして活用
同校では現在約120名の生徒が海外に留学しており、この日、オーストラリアに留学中の生徒11名と同時接続した学習報告会が行われました。PTZバーチャルUSBドライバー(無償ソフトウェア)をインストールしたHDインテグレーテッドカメラを、Skypeやハングアウトなどのウェブ配信システムに接続することで、ウェブカメラとして使用することが可能です。カメラの自動検出やネットワーク設定にも対応し、事前準備の時間を短縮したスムーズな遠隔授業をサポートします。また、USBケーブルではなくLANケーブルで接続できるため、カメラとPC間の距離を長くすることができ、カメラを天井設置して広い教室内を広域に撮影することが可能です。 なお、留学生との接続の他に、バングラデシュにある姉妹校と接続した遠隔授業や教員同士の会議にも同システムが活躍しています。
「FUTURE LAB」の入り口にはタッチスクリーン液晶ディスプレイTH-65BFE1Jを設置。株式会社内田洋行様の情報配信サイネージシステム「Energy Wall」が表示されている。
導入を終えて
生徒たちの自由な発想で、新しい使い方を発見してほしい
今回「FUTURE LAB」を開設するにあたり、海外の大学のような講義収録を行いたいという思いから、自動追尾ソフトウェアを含むリモートカメラシステムを導入しました。自動追尾ソフトウェアは期待以上の追尾性能で、誰にでも使いやすい優れた操作性を持ち、海外の留学生へも日本にいる生徒と変わらない生きた授業を開講できるようになりました。設定も簡単なため、設置してすぐに自動追尾撮影を実施することができました。
現在、様々な授業でこのシステムを活用していますが、ここでの授業を体験した生徒たちから「自分たちのプログラミングの授業を配信したい」という声も上がっています。生徒たちの想像力は計り知れないものです。このシステムを生徒たちの自由な発想で活用していき、今後さらに新しい使い方を一緒に探っていけたらと考えています。
上級生から下級生へ、学びの伝承に使っていきたい
生徒の顔を見ながら、まるで目の前にいるかのように会話することが可能なため、留学生との緊密なコミュニケーションが取れるようになりました。複数名との同時接続もでき、互いの学びの進捗を報告・共有することにも活用できます。現在留学中の生徒とこれから留学を控える下級生をライブで繋いで、留学のやりがいや喜び、いかに学びがあるかを共有できたら尚良いだろうと考えています。本システムが導入されたこの教室は、学びの伝承に最適な場所になると思います。これからの活用が楽しみです。