福岡大学 総合情報処理センター様

情報・通信システム(教育・研究システム「FUTURE5」)
時代の変化に対応できる人材育成のための学習環境を提供。

システム導入の背景

福岡大学様は「建学の精神」のもと、学部や大学院の教育を通じて専門領域を深く学んで専門的な知識や技術を修得するための「人材教育」と、総合教養教育やクラブなどの課外教育活動を通じて、深い教養と人間としての良識の形成をはかる「人間教育」を実践されています。

学内にある総合情報処理センターは、教育・研究、医療および事務に関する情報化を推進することで、教育・研究および医療の発展を図るとともに、同大学における情報化全般の発展に寄与することを目的に設置されています。

同センターが約20年前に運用を開始した福岡大学教育研究システム「FUTURE(Fukuoka University Telecommunication Utilities for Research and Education)」は、教育・研究活動を支援する大規模情報・通信システムです。平成22年より運用してきた「FUTURE4」に続くシステムとして、このほど第5世代目の「FUTURE5」に更新されました。

写真:図書館などの建物
図書館などの建物。
写真:協働学修教室がある文系センター棟
協働学修教室がある文系センター棟。
写真:協働学修教室やCALL教室があるA棟
協働学修教室やCALL教室があるA棟。

システムの概要

協働学修教室

電子黒板などを活用しながら表現力や対話力を高める訓練が可能になる教室。 教室内でタブレット端末を活用しながら情報を収集し、議論を交わすことで、活発な学びへと繋がります。

写真:文系センター棟PC教室F(協働学修教室)
文系センター棟PC教室F(協働学修教室)
写真:文系センター棟PC教室A(協働学修教室)
文系センター棟PC教室A(協働学修教室)
写真:活発な議論を引き出すために、心理的な効果のある赤いカラーリングのテーブルを選定
活発な議論を引き出すために、心理的な効果のある赤いカラーリングのテーブルを選定。
写真:A棟PC教室B(協働学修教室)
A棟PC教室B(協働学修教室)
写真:グループ毎に椅子を色分けすることで、チームの一体感を意識させ、協働作業の促進を期待
グループ毎に椅子を色分けすることで、チームの一体感を意識させ、協働作業の促進を期待。
写真:教室内のシステムを集中制御できる教師卓
教室内のシステムを集中制御できる教師卓。

CALL教室

CALL教室

語学学習の基本である、話す、聞くを支援するために、PC教室にCALL(Computer-Assisted Language Learning)機能を加えた教室。
機能を豊富に備えたシステムを活用することで、語学学習の効率や効果を高めることができます。授業がない時間帯にはe-Learningシステムを活用することで自習が可能です。

写真:A棟CALL教室
A棟CALL教室
写真:教室内のシステムを集中制御できる教師卓
教室内のシステムを集中制御できる教師卓。
写真:プロジェクター
プロジェクター
写真:スピーカー
スピーカー

ご担当者様インタビュー

本学おけるICTの考え方

ICTというと非常に大きなもの、あるいは特別なものと捉えられがちですが、決してそうではありません。例えば学習を行う際、ICTは学習のためのツールの一つに過ぎないと考えています。しかし、これらをうまく使いこなせなければ学習に遅れが出る可能性はありますし、現代社会を生き抜くことが難しくなると言っても過言ではありません。そのような考えのもとで、総合情報処理センターは利用者の視点を可能な限り取り入れた「FUTURE5」を構築して提供し、福岡大学における教育や研究などの支援に努めています。

過去を振り返ると、初代FUTUREを導入した約20年ほど前は、パソコン自体が高価であり情報機器を持つ学生は極わずかでしたが、現在では個々の学生が1人で複数台の情報機器を持つようになると同時に、学生からの要求は日々高度化しています。そのような要求、そして社会からの期待にも応えることができるよう、総合情報処理センターでは時代の流れに即した学習環境やサービスの提供に取り組んでいます。

FUTURE5のコンセプト

コンセプトは「多様化する教育・研究の支援」で、3つのテーマがあります。

  1. 時と場所を選ばない教育・研究環境の実現の支援。
  2. 教育・研究に利用する持ち込み情報端末を活用しやすい環境の実現の支援。
  3. 従来の授業スタイルにとらわれない新しいラーニング・スタイルを創造できる環境の実現の支援。

いま、学生の多くはスマートフォンやパソコン、タブレットなどを持っています。PC教室を訪れなくても福岡大学とつながり、ソフト面でのサービスが受けられることが重要だと考えました。無線LAN環境が整備されたキャンパス内はもちろんのこと、学生の自宅や留学先からも「FUTURE5」を活用できるようになっています。

その一例としてe-Learningシステムがありますが、24時間いつでも学ぶことができる環境を整えています。これにより、スキマ時間を活用した学習が可能です。またキャンパス内では協働学修教室を学内の3カ所で提供し、電子黒板などの最新ツールを活用しながら議論を交わすなど、新たな学習スタイルの創造を意識した環境も提供しています。

協働学修教室、CALL教室について

学び方には様々なスタイルがありますが、学生同士で議論を交わすことも学びの基軸になります。そのようななか、スマートフォンやタブレットも学びのためのツールとして活用し、その場でリアルタイムに映像などの情報を共有すれば、議論もスムーズに行われ、議論そのものに集中できます。

協働学修教室は人と人とが接することでお互いを高めていくための場と捉えています。学生同士で何かを一緒に創るだけでなく、「人を創り上げていくこと」こそ、協働学修教室が目指すべき最終目標と位置付けています。

お陰さまで、福岡大学の卒業生は「人間力が高い」という評価をいただいています。議論によって意見を交換して知識を共有し、考える力を高めることで、社会を支える人材として成長することを願っています。協働学修教室や関連するシステムはそのためのツールの一つとして活用されることを期待しています。

CALL教室では、話す、聞くという学びを支援するシステムを提供しています。語学学習では学び続けるモチベーションの維持も大切です。そのためには、機能が豊富なシステムを提供するだけでなく、学生自身が学習成果を認識でき、学んだことがしっかりと身に付く、そのようなシステムを学生へ提供することが重要と考えています。

目指すところ

過去に構築した「FUTURE4」では、高等教育に求められる教育環境の提供を強く意識するとともに、情報基盤としての安定運用などシステム全体の安全性や安定性にも配慮した魅力あるシステムを目指して設計・構築を行いました。

今回の「FUTURE5」では、完成度の高い「FUTURE4」のハードウェア面の思想を踏襲しつつ、ソフトウェア面のサービスを充実させるとともに、教育や研究のスタイルなどにおいて良い変化を起こすことができる仕組みと環境の提供を目指しています。そして今後は、その「変化」を「進化」へと導きながらシステム自体も進化を続ける福岡大学教育研究システム「FUTURE」を目指していきます。

写真:福岡大学准教授 博士(工学) 中國真教 様
福岡大学准教授
博士(工学)
中國真教 様

主な納入機器 ソリューション

  • CALLシステム(L³Stage EZV 2)
  • ネットワークカメラ
  • 短焦点プロジェクター
  • その他