トライアンフ株式会社様、株式会社インタープロトモータースポーツ様
課題
準備時間とリソースを抑えて効率良く、臨場感あるレース中継のライブ配信を行うことで、モータースポーツの認知向上とファン・エンゲージメントを高めたい。
解決策
カメラ映像の無線伝送技術と、KAIROS クラウドサービスの組み合わせにより、最小限の機材とリソースで、実況やレース状況に合わせたリアルタイムで臨場感あるレース中継をライブ配信。
事前準備の手間や機器の設定などを最小限のリソースで、効率よく配信を行うことができました。臨場感ある映像をリアルタイムに届けることが出来、今後様々なスポーツへの活用の可能性も感じられました。
背景
モータースポーツの楽しさを多くの方に伝えることで、ファン・エンゲージメントを高めたい
日本を代表するトップドライバーたちが同じ車に乗り、ドライビングスキルだけで真剣バトルを展開するモータースポーツ“インタープロトシリーズ”は、2013年に元レーシングドライバーの関谷正徳氏が発起人となりスタートしました。また、女性ドライバー限定のプロレースシリーズ“KYOJO-CUP”も同時開催。2021年12月11-12日の2日間、静岡県「富士スピードウェイ」で行われました。
スポーツを生で観たい、今やっていることをすぐに知りたいというファンにレースをライブで観てもらいたい思いから、2年前よりライブ配信を開始されており、現場に足を運んでくれるファンを増やすためにも、楽しいと思えるような配信を行いたいと考えられていました。そこで、開発中の「KAIROS クラウドサービス」により、撮影から編集・配信まで最小限の機材で効率よく、かつ臨場感あるライブ配信の実現を目指し、事前にテストを行ったうえで、本レースでの配信を実施しました。
実証実験の概要
映像の無線伝送とKAIROS クラウドサービスの組み合わせにより、効率的な配信の実用性を検証
モータースポーツのレースにおいて、ライバルと競い合う迫力や臨場感を映像で伝えるためには、従来のレース会場に常設されている定点カメラだけではなく、様々な視点からの映像シーンが求められます。しかし、レース会場のような大規模な屋外施設では、カメラの配線引き回しや高額な中継車利用等、限られた時間内での準備や、コスト面で導入が困難でした。また、定点カメラの映像は、悪天候の際には不鮮明になることもあり、視聴者に満足いただける映像を届けることに課題がありました。そこで、今回の実証実験では、カメラ映像の無線伝送技術と、KAIROS クラウドサービスの組み合わせにより、最小限の機材とリソースで、臨場感あるレースのライブ配信に成功いたしました。
今回の実証実験により、以下2点の実用性の検証をいたしました。
- 映像の無線伝送により、屋外の大規模施設における効率的かつ安定した映像配信の実用性の検証
- 映像配信の準備からライブ配信時のオペレーションまで、一連のワークフロー実用性の検証
実証実験の効果
映像の無線伝送と「KAIROS クラウドサービス」の組み合わせにより、効率的な配信を実現
コースとレーシングカーに設置したカメラ映像の無線伝送とKAIROS クラウドサービスの組み合わせにより、安定した配信を実現。大規模な屋外施設でも、映像伝送のための配線やネットワーク設定など機材準備や設定の手間を削減しました。また、直感操作が可能なGUIソフトウェア「Kairos Creator」により、複数のカメラ映像や順位表を生実況とともに、臨場感あるレース中継として、ライブ配信することができました。
①カメラ映像の無線伝送から「KAIROS クラウドサービス」への入力により、臨場感ある映像を安定してライブ配信
従来、大規模施設において無線環境での映像伝送をするためには、伝送した映像を受信する機材や会場のネットワーク回線の設定変更など、準備時間だけでも3~4時間ほどと効率が悪く、時間がかかっていました。今回の実証実験では、ドライバーの競い合いで順位変動の多いコーナーにパナソニック製カメラレコーダー「AG-CX350」 x 2台設置、また、ドライバーの視点をリアルに体験できるようレーシングカーにカメラ1台を搭載。それらのカメラ映像は映像伝送機器「LiveU Solo」※を用いた無線伝送で、KAIROS クラウドサービスに直接ストリーミング入力することで、大掛かりな受信機や配線準備なしで、視聴者が見たい、臨場感ある安定した映像を配信することが出来ました。
※LiveU社の無線環境で使用できる映像伝送機器です。LiveU は5G 4K HEVC対応のリモートプロダクション・ライブ映像伝送ソリューションを提供しています。企業・製品の詳細はホームページ(https://www.liveu.tv/ja)をご参照下さい。
② 「KAIROS クラウドサービス」環境にアクセスすることで、映像配信の事前準備や画作り、スイッチング、音声操作を最小限の機材と1人のオペレーターで完結
映像配信の事前準備やスイッチング操作は、KAIROS クラウドサービス環境にアクセスすることで、汎用のノートPCを使用し、1人のオペレーターのみで操作することができました。視聴者に、レース状況をリアルタイムに伝えるためには、順位表を常に表示しておくことが重要です。ノートPCにインストールされたGUIソフトウェア「Kairos Creator」は、多レイヤーの組み合わせなど、直感的なUIで自由にカスタマイズすることができるため、順位表の画のトリミングやサイズ変更、またカメラ映像と重ね合わせた表示の画作りなど、事前準備も容易に行うことが出来ました。また、今まではシナリオに沿った配信のみでしたが、KAIROS クラウドサービスを用いることで、演出の追加など配信直前の変更にも柔軟に対応。実況やレース状況に合わせたリアルタイムで臨場感あるライブ配信を視聴者にお届けすることができました。
お客様の声
実証実験を終えて
モータースポーツは本当に面白いスポーツで、見ていただくことでその楽しさを実感いただけると思っています。しかし、なかなか認知が広がらないことを悔しく感じています。そこで、今回のようなライブ配信を行うことで、楽しさを伝え、会場に足を運んでくれるファンの方を増やしていきたいです。今後は、さらにドライバーの競い合いやドライビングスキルをファンの方々にお届けできるよう、車載カメラを搭載した車両の台数を増やすなど、ドライバー目線でリアルな映像を届けるような配信をしていきたいです。
今までの配信では、予算やリソースが限られていることもあり、もっとファンの方々に迫力ある映像を届けたいと考えていました。どう実現できるかと悩んでいたところに、今回のKAIROS クラウドサービスの実証実験のお話を頂きました。今まで実現できなかった車載カメラの映像など、屋外の環境下にあっても、ファンの方々にも非常に満足いただける迫力ある映像の配信ができることが実証できました。ライブで中継したいスポーツは、自転車やバイクレース、マラソンなど、他にもニーズはあります。「KAIROS クラウドサービス」が実用化されることで、リモートでも手軽に配信ができるため、ファンの方々が楽しめる映像の配信が増えていくことが期待できます。
※本件は実証実験事例のため、ご提供できない内容が含まれている可能性があります。