コスモ松山石油株式会社様

設備診断支援システム
プラント検査業務を効率化するため、粉塵や雨にも耐えられるタフパッドを導入。検査業務の負担を軽減し、残業時間が1人あたり1.5時間削減されました。

業界にさきがけたタブレット端末の導入で、プラント検査業務を効率化。
製造機器内の粉塵や屋外の雨にも耐え抜くタフさが決め手に。

コスモエネルギーグループ企業として石油化学製品及び石油製品の製造・販売を行うコスモ松山石油様では、工場設備の検査業務をシンプル化するため、7インチ画面のTOUGHPAD「FZ-M1」を導入されました。端末には、日揮プラントイノベーション株式会社(以下、略称 JPI)様が提供するプラント管理システムを現場端末用に改良した「A-MIS Log-Book」を搭載。紙に手書きで検査結果を記入する従来の方式から、業界で初めてタブレット端末を使ったダイレクトなデータ入力に切り替え、業務の効率化に成功されました。

写真:コスモ松山石油株式会社 松山工場 工務課 泉 洋輔 様
コスモ松山石油株式会社
松山工場 工務課
泉 洋輔 様
写真:コスモ松山石油株式会社 松山工場 工務課 田中 寛幸 様
コスモ松山石油株式会社
松山工場 工務課
田中 寛幸 様
写真:日揮プラントイノベーション株式会社 第2事業本部 情報技術部 システムサポートグループ 井村 裕義 様
日揮プラントイノベーション株式会社
第2事業本部 情報技術部 システムサポートグループ
井村 裕義 様
写真:検査時は主にタッチペンでTOUGHPADの画面に検査結果を入力。手書き文字の認識もスムーズで作業を妨げません。
検査時は主にタッチペンでTOUGHPADの画面に検査結果を入力。手書き文字の認識もスムーズで作業を妨げません。
写真:作業風景
写真:TOUGHPAD「FZ-M1」

導入の背景

報告書を手書きし、パソコンでデータ入力する二度手間を解消。
負担の大きい検査業務を「スマート」に。

コスモ松山石油様がTOUGHPADを導入されたのは、検査業務の中でも最も大規模な「シャット・ダウン・メンテナンス」における検査です。工場内の全ての機器の運転を停止し、機器本体はもちろん何百とある機器の部品一つひとつ、配管についてまで所定の項目を調べ上げます。検査期間が通常3~4週間にもおよぶ大仕事であり、期間中はどうしても残業が増加する傾向にありました。TOUGHPAD導入以前の検査では、JPI様が提供されているプラント管理システム「A-MIS」に蓄積されたデータから、検査対象の機器の図面や記入用紙などを出力し、現場で検査結果を用紙に手書き。その内容を事務所に戻ってからパソコンにエクセルデータとして入力する…というプロセスになっており、中でもパソコンでの入力作業が大きな負担となっていました。

そこでコスモ松山石油様から業務負担軽減の相談を受けたJPIの井村様は、「A-MIS Log-Book」をタブレットに搭載することで、現場で検査のデータを直接入力する」という解決策をご提案。しかし検査現場は粉塵や雨にさらされたり、開放した機器の内部では閉所のためぶつけたりすることも想定されます。電子機器にとって過酷なこの環境に耐え抜くタフさが決め手となり、システムの搭載機としてTOUGHPADが選ばれました。タッチペンでの手書き文字入力のしやすさや図面の見やすさ、携帯時の動きやすさを考慮し、サイズは7型に決定。
導入前には当時の工務課課長様が課員の方へ向けてTOUGHPADを用いた検査について熱いプレゼンテーションをされたと工務課の泉様と田中様は語ります。「課長が何度も仰ったキーワードは“カッコ良く、スマートに”でした。もちろん第一の目的は業務の効率化ですが、ともするとルーティーンになりがちな検査業務に、“新しさ”を取り入れたいという想いや、汚れる、きついという検査業務のイメージアップを図る狙いもあったのだと思います」。


導入のポイント

  • 工場内の過酷な環境に耐える防塵・防水性
  • 閉所でぶつけても壊れない耐衝撃性
  • パソコンとの接続もスムーズな拡張性

導入のメリット

  1. 残業時間をひとり約1.5時間/日 削減
  2. 検査データ記録時の入力ミスを軽減
  3. 高精度の文字認識機能で文字入力をスピードアップ

現場での検査中も、検査後の作業も、さまざまな機能で効率化に貢献。
残業時間を1人約1.5時間削減。

コスモ松山石油様では当初の狙い通り、TOUGHPADを初導入した2015年3月の定期検査で検査後のデータ入力の手間を削減。1日の残業時間を1人あたり約1.5時間短縮することに成功されました。実際に使用されて実感したメリットをお伺いすると、特に検査現場での記録作業がよりスムーズにできたと仰います。

導入前は「紙の方がページがめくりやすくて速いのでは?」「タブレットへの手書き記入は不便では?」などの不安もあったそうですが、その不安はすぐに解消。危惧されたシステム画面の切り換えによるストレスは全くありませんでした。「TOUGHPADは防水仕様ですから、雨に降られた時に慌てて屋根のある場所に逃げたり、濡れた用紙が破れないようそっとめくる…ということがなく、その点ではむしろ紙より便利でした」。手書き文字入力でも予想以上の性能を発揮。「我ながら汚いと思う字でも正しく認識されましたし、誤字があっても前後の文脈から正しい文字に変換されるのが便利でした」。さらには予測変換機能により、使うほどに素早い入力が可能に。

検査は2人で行い、1人が機器の近くで目視検査や計器による数値測定を担当し、記入を担当するもう1人に口頭で結果を伝える形式。記入がもたつくと検査の遅延を招くため、スピーディーに入力できる性能は好評を博しました。

これらに加えて予想外に活躍したのが、パソコン並みの大容量記憶メディアと内蔵カメラです。
今回の検査では、従来は印刷して現場に持ち込んでいた前回検査時の記録や機器の図面など必要な資料をTOUGHPADに保存して荷物を減少。現場では時に地上30mもの高いタワーへ登ったり、身動きするのもギリギリの閉所を這って進むこともあるため、余計な荷物は極力減らしたいという現場のニーズにマッチしていたそうです。また、TOUGHPADの内蔵カメラで検査箇所を撮影し、「A-MIS Log-Book」の機能である写真らくがき機能を使えば、画像にタッチペンでコメントなどを記入して報告書に。
「別機器のデジカメで撮影した場合は、パソコンへの画像データの取り込みやエクセルへの貼り付け、コメントの入力などの手間があったので、それが省けて助かりました」。

写真:TOUGHPAD導入前の記録用紙。すすや雨で傷みが目立つ。
TOUGHPAD導入前の記録用紙。すすや雨で傷みが目立つ。
写真:現場で撮影した画像や気づいたことのメモをPCへ取り込み、報告書をスムーズに作成。
現場で撮影した画像や気づいたことのメモをPCへ取り込み、報告書をスムーズに作成。

TOUGHPADを活用したこれからの展望

グループ内の別工場でも導入を検討。
ネットワーク化による、オンラインでの情報共有にも期待。

現場でTOUGHPADを使っていると他部署の方から非常に興味を持たれたそうです。
検査の応援に駆けつけたグループ内の別工場のご担当者様にも好評をいただき、現在、別工場でも導入が検討されています。
そちらでは、腐食の有無を測定する肉厚計とTOUGHPADをBluetoothで接続し、測定した数値を直接TOUGHPADに入力できるJPI様の既存システムの使用を検討されています。

また、お2人が今後の展望として期待されているのが、ネットワークを介した情報共有。
「特に現場の進捗管理にTOUGHPAD活用できるのではと考えています。
現在は所定の場所にある1つの掲示板に各自が進捗を書き込むというアナログな方法で情報を共有していますから、作業終了から進捗を書き込むまでの間にタイムラグがある場合もあって…。
オンラインで情報共有できれば、より作業もスムーズになると期待しています」。

電子機器にとって過酷な環境のため、これまでタブレット端末の使用が進んでいなかった検査業務にとって、今回のタブレット端末導入はさらなる業務効率アップへの大きな一歩となるかもしれません。

写真:採用機種:TOUGHPAD 7型 FZ-M1 用途:設備診断支援システム
採用機種:TOUGHPAD 7型 FZ-M1
用途:設備診断支援システム

導入機種