松浦市教育委員会様 松浦市立調川(つきのかわ)小学校
「教育のまち 松浦」の確立を目指し、学校におけるICT機器の整備を推進
松浦市教育委員会様は、「教育のまち 松浦」の確立を教育方針に掲げ、「生きる力(確かな学力、豊かな心、健やかな体)」を育む学校教育の実現に取り組んでおられ、そのために教育現場におけるICT機器の整備を推進されています。中でも先生方の要望の高かった電子黒板は、平成28年度・29年度の2カ年計画で市内の全小中学校(普通教室及び一部の特別教室)に導入されました。
導入の経緯
PCを経由しなくてもホワイトボード機能がすぐに使用できることなどが高評価に
松浦市教育委員会様では、安全・安心で快適な教育環境の整備の一環として、平成28年度・29年度に教育用・教職員用PCの更新などと合わせ、市内の全小中学校に電子黒板と実物投影機(書画カメラ)を導入されました。電子黒板の導入にあたっては、「以前はプロジェクター式の電子黒板を一部の学校に導入していましたが、使用できる画面が大きいというメリットの一方で、外光の影響を受けたり使用前の設定作業に手間がかかったりするなどの意見がありました。そうした課題を解消できるディスプレイ型電子黒板の導入について、検討してきました」(松浦市教育委員会教育総務課 副主任 宮島了敬様)。また、機器の検討には現場の先生方の意見も参考にされました。「パナソニック製の電子黒板は、PCを経由せずにタッチスクリーンで直感的に使えます。大型で明るく、映り込みが少ないのでどの席からもよく見えます。これならどの先生にも活用してもらえると思い、導入を希望しました」(調川小学校 中尾公貴教諭)。その結果、当社製の電子黒板TH-65BF1Jが、市内の全小中学校すべての普通教室と一部の特別教室に設置されました。
システムの紹介
わかりやすい授業のために、電子黒板を道具として使いこなす
調川小学校の中尾教諭は「電子黒板などのICT機器は『自分はこんな風に教えたい、子どもたちにこういうことを考えさせたい』という目的のために、道具として使うもの」と言われます。今回、市内小中学校のすべてに導入され「1教室に1台の配置で、普段から道具として使い慣れる」環境が整備されました。調川小学校では、各先生がオリジナル教材を使って、電子黒板に映して授業を行うほか、副教材やプリントなどを書画カメラで映してその画像に電子黒板の描画ツールを使って書き込んで説明するなど、さまざまに活用されています。見学させていただいた6年生の理科の授業(写真❶)では、リトマス試験紙で実験を行う先生の手元を書画カメラで大きく映し、その手順や試験紙の色が変わる様子を動的にわかりやすく説明されていました。また、4年生の社会科の授業(写真❷)では、350年前の郷土の古地図と現在の地図を組み合わせたオリジナルの教材を使用。児童は電子黒板に映し出された2枚の地図を見比べたり重ね合わせたりすることで違いを発見していくなど、直感的・視覚的な授業が展開されていました。他にも、音楽ではリコーダーの指の運びを映し出したり、体育では児童の動きを動画で撮影し、体の動きを客観的に理解できるように指導するなど、さまざまな授業で工夫して使われています。
ICT機器を活用して児童生徒の興味関心を高める
ICT機器が果たす役割について、中尾教諭は「小学生の間は、授業で学んだことに興味を持ったり、イメージを膨らませることがとても大事です。都会の学校では、博物館や科学館などの施設が近くにあり実物を見せることが容易にできますが、地方ではなかなかできません。その意味で視覚的なインパクトを与える電子黒板などのICT機器は、地方にこそ必要なもの」と感じておられます。教育委員会の宮島様は「ICT機器を効果的に活用することで児童生徒の興味関心を高め、学力向上を期待しています。また、電子黒板では授業準備の省力化が図れ、教職員が児童生徒と向き合う時間がより多く確保できるようになると考えます」とその効果に期待されています。松浦市ではICT支援員を雇用され、導入支援や技術的なサポートを実施されています。また、中尾教諭などICT機器に詳しい先生方が中心になって、電子黒板や教材の活用方法を市内全校に指導しその効果を上げることにも取り組んでおられます。
今後の展望
集会や発表会などでも積極的に活用していきたい
TH-65BF1JにはPCやスマホ、タブレットからネットを介さずワイヤレス伝送できる機能や、プロジェクターなどに接続してより大きな画面に映せるセカンダリディスプレイ機能もあります。授業で子どもたちに効果的に伝えるための道具として使いこなすことはもちろんですが、今後は教室だけでなく集会や発表会などでも、積極的に活用していきたいと思っています。
納入機器
電子黒板(タッチスクリーン液晶ディスプレイ)
TH-65BF1J×144台
66台(2017年度)
78台(2016年度)
直感で、すぐに効果的に使えるホワイトボード機能
PCを経由しなくてもさまざまな外部入力機器から映像を取り込み、
直接書き込むことが可能