カルビー株式会社様
概要・特長
食に対する信頼が社会的な関心を集める中、各食品関連企業では「フードディフェンス」への取組みが急務となっています。日本を代表する菓子・食品メーカー、カルビー株式会社様では新宇都宮工場をはじめとする16工場にモニタリングカメラシステムを導入されました。
約7年前、海外で食品への毒物混入事件が発生し、社会的に大きな問題となりましたが、その事件をきっかけにカルビー株式会社様でも工場へのモニタリングカメラシステムの導入を検討され、衛生準備室と呼ばれる作業場への出入口等にモニタリングカメラが設置されましたが、その時点で生産ラインへの設置は実施されませんでした。
しかし、近年、国内においても「悪意による、人体に危害が及ぶ異物混入ケース」が発生。万一、不測の事態が起こった際の対応として、カメラの画像をもとに客観的な確認を行ない、従業員が正しく作業していることの証明と、お客様へ早い段階での企業姿勢を発信することを目的として導入を決定されました。
導入のポイント
1.移動式現場調査ユニット(カメラの位置と実際の見え方を確認するためのデモ機)により、工場ごとに異なる生産ラインで、1台1台、見え方(画質、範囲、見通し)を確認しながら設置位置を決定。生産ラインを止めることなく3ヶ月で現場調査を終了した。
- やや暗めの照明でも遠くまで確認することができ、人の動きをしっかりと捉えることができる。
2.全方位カメラ、高容量ディスク、使いやすい操作ソフト採用で台数、コストを削減
- 全方位カメラは幅広い視野が得られ、一台のカメラでカバーできる範囲が広い。
- 4TBディスク新発売で、当初より低コストで長期間録画が可能になった。
設置は基本的に製品が流れているライン、及び人の出入りがある場所は全てカバーする方針で進められました。特にカメラの設置位置を決める作業は、最も試行錯誤を重ねました。全国の工場ごとに図面上へ仮プロットしたカメラの位置と、移動式現場調査ユニットを使用して、実際のカメラの見え方を一台一台確認し、調整を実施しました。また室内では防湿タイプのモニタリングカメラが必要なラインがあり、カルビー株式会社様の責任者立会いの下、機種選択、最終設置場所を決定しました。その結果、工場内や出入口には全方位カメラが中心に設置され、屋外には夜間でも30m先まで確認できる赤外線カメラが導入されました。
お客様の声
今回の全工場への導入は従業員を守るための導入であると位置づけています。また万一不測の事態が起こった時に、お客様への説明責任を果たすことも時代の要請だと思っています。導入したモニタリングカメラシステムは、非常に鮮明な画質で常時録画され、長時間記録できるシステムです。稼動を始めてまだ日が浅いのですが、すでに製造部門から「モノづくりの工程を管理するカメラとして、製造工程の改善や作業動作分析等に活用できるのではないか」という意見もでてきています。フードディフェンスに加え、プラスαの使い道があるのは思わぬ発見でした。フードディフェンスは地道に継続して取り組んでいく事が重要です。今後もその時代で最もふさわしいシステムに改善して行きたいと思います。
主な納入機器 ソリューション
- 全方位ネットワークカメラ WV-SF438×389台
- 屋外対応全方位ネットワークカメラ WV-SW458×391台
- 屋外ハウジング一体型ネットワークカメラ WV-SW316LJ×63台
- ネットワークディスクレコーダー DG-ND400K×20台
- 増設ユニット WJ-HDE400×16台