2023年7月21日パナソニックコネクト(以下PCO)エバンジェリストの一力が第3回「(名古屋)Japan IT Week」 の併設セミナー「製造業DX]カテゴリーで登壇しました。「IE×DXの融合により製造業が競争力を高めるためのDX~実証実験で終わらないDXの実装~」をテーマに、当社パナソニック コネクトでの考え方や実際に取り組んでいることを事例としてご紹介しました。競争力をデジタルでどう強くして行くか、DXに取り組むとどのような効果があるのか。製造業である当社が取り組んでいるインダストリアルエンジニアリング(以下IE)でAIを導入しています。実証実験でない、リアルな現場での業務改善と経営効果を狙った企業でのDX実装の事例をご紹介しました。
「IE×DXの融合により製造業が競争力を高めるためのDX~実証実験で終わらないDXの実装~」
当社では競争力についてお客様から見える領域を「表の競争力」、お客様から見えない見えづらい部分を「裏の競争力」と定義しています。裏の競争力はその商品サービスを提供するにあたって非常に重要な要素です。DXによって裏の競争力の領域にも経営効果を出すことができるため、経営の競争力が高まります。
作業をデジタルで可視化し、インダストリアルエンジニアリング(以下IE)の考え方で作業を「付加価値作業」と、「非付加価値作業」(迷う、移動、考える、など)にわけることができます。
現在、人手不足と言われていますが、非付加価値作業を取り除けば利益や効率があがり、リードタイムが減少し、原価が下がります。これがDXで取り組む裏の競争力となります。
デジタル化DXを行うもうひとつの目的は経営のスピードを上げることです。デジタル化して裏の競争力の改善にをデジタル化してすぐに手をうつことで、投資原資を創出し、そのリソースを成長戦略の方に投入する、というサイクルを高速に回すことができるようになります。
こちらはパナソニックグループの戦略です。地球環境に貢献する会社へと成長するため2030年までに変わろうとしています。
そのためにも、デジタルを中心とした、オペレーション力強化とカルチャーマインド変革に取り組んでいます。
この取り組みの一環で、当社はコネクトAI(チャットGPT)を全社員が使えるようにしています。
このように最新のデジタルツールを使ってスピードを上げて、新しい領域へ成長してまいります。
競争力強化においてAIの活用は必要不可欠です。しかし、なかなか実証実験より先に行かないケースも多くあるのが実態です。いくつかある原因の中で、大きなものは、教師データが作れないこと、AIの計算に時間がかかることです。
皆さんご存じの通り、昨今のAIは、機械学習が主であり、正解である教師データを人間が教えないと答えは出せないのが前提にあります。現場の正解がわからない、教師データが作れない、もしくは作るのに時間がかかります。実は、このAIの実装に関する課題も、IEと融合することで解決しています。
これは部品のピッキング作業をしています。AIがリアルタイムに何の作業をしているかを割り出すことができます。例えば標準作業のばらつきがあり、時間がかかっているのであの工程を改善しようという施策をうつことが可能となります。
これを実現しているのは、標準作業を定義するIEの概念です。標準作業は、AI用語で言いかえると教師データなのです。つまり、業務の標準化をIEで行い、その結果をAIに学習させているので実現できています。また、高速で割り出すアルゴリズムを開発し、リアルタイムにAIが計算結果をだせるようにしたことで、解析する工程を増やしてもすぐに結果を得ることが可能となりました。
自社の業務プロセスの標準化とDXは密接につながっているということを説明してきた通り、DXをけん引するメンバーは自社の人材であることが重要です。それはデジタルの導入だけではなくて、経営変革であり経営のサイクルを変えること、カルチャーを変えること。この二つがセットであることが不可欠だからです。
※活動実績紹介での社名及び役職は公開当時のものです。