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ワークライフバランス実現に向けて踏み出した一歩──
1カ月間の男性育休で見えたもの

POSシステムや決済系アプリケーションの提案・設計・開発・保守に渡る一連の業務を担当している鬼塚 孝行。プロジェクトリーダーとしてチームを牽引する中、2022年に第一子が誕生し、1カ月間の育児休休暇を取得。子育てと向き合ったことで、仕事や家庭への向き合い方はどう変わったのでしょうか。

Profile

鬼塚 孝行

2012年新卒入社。食堂向け自動精算POSシステム・クレジット決済代行会社向け基幹システムなどの決済系アプリケーションの提案・設計・開発・保守を担当。

「子育ては妻に」という考えが一変。育児休暇取得に向けて動き出す

大学では情報工学を専攻、学んだ内容を活かそうと、2012年にパナソニック コネクトに入社しました。

鬼塚

「入社当初より『食堂POSシステム』という、食堂の自動精算用のシステム開発を担当し、提案・設計・開発・保守といった一連の業務に携わっています。それに加えて2017年頃より、クレジットカードの決済代行会社も担当しています。

2023年4月現在は、基幹システムである決済系アプリケーションのリプレイス案件に参画し、SPL(ソフトウェアプロジェクトリーダ)という立場を担っています。リーダーとして心がけているのは、まず自分が深い知見・経験を持つベテラン社員に並び、追い越すような成長をすること。その上で、若手層を伸ばすための育成にも力を入れるようにしています」

リーダーになってからは、自らの技術スキルだけではなく、組織全体にも意識が向くようになったと言う鬼塚。お客様に満足いただける品質を担保するべく、業務と向き合っていると言います。そんな中、2022年6月に第一子が誕生しました。

鬼塚

当社では男性育休の取得率100%をめざしています。しかし、私自身としては仕事も忙しく、妊娠後に仕事を退職し、専業主婦になった妻に子育ての大半を任せることを前提に考えてしまっており、どこかで短期間の育児休暇を取ろうかなぐらいの甘い考えを思っていました

しかし、出産から1カ月後、その考えは一変したと言います。

鬼塚

「子育ては想像以上に大変でした。また、妻が出産後に不安を抱え、精神的にも体力的にも辛そうな姿を目の当たりにし、育児休暇の取得を真剣に考えはじめました。男性育休取得の経験者である直属の上司より、特に育児が大変になる時期や失敗談等を詳細に教えてもらいました。

そして、妻が実家から帰ってくるタイミングとも相談し、生後2カ月にあたる8月から約1カ月間、育児休暇を取得することにしました

周囲の温かいサポートのおかげで、スムーズに育児休暇を取得

1カ月のまとまった育児休暇を取るに当たり、鬼塚は仕事の引き継ぎ方を工夫したと振り返ります。

鬼塚

「自分が抱えている仕事を抜け漏れなくメンバーに伝えられるように、業務全てを洗い出し、不在期間中の依頼事項をリストにまとめました。その上でトラブルが起こったときの連絡ルートと対応方法もしっかり明記し、時間をかけて丁寧に引継ぎを行いました」

育児休暇を取得すると決め準備を進めつつも、職場に迷惑をかけてしまうのではないかという不安もあった、と鬼塚は続けます。

鬼塚

「ちょうど、大きな仕事がひと段落したタイミングでしたが、お客様対応などは継続して発生している状況だったので、私が育児休暇を取ることで周囲に仕事をお願いする形になるのがとても不安で。しかし、実際に育児休暇取得を伝えたところ、周りは快く応援してくれ、不安はすぐに解消されました。

自身も育児休暇を取得した経験のある直属の上司からは、家族との付き合い方、妻との接し方のコツを教わったり、今はもう使っていないチャイルドシートなどのベビーグッズをいただいたりして、とても助かりました。ニュースなどで、男性育休という制度はあるものの、取りづらい雰囲気があるといった話を耳にすることもありますが、当社は制度を活用できる風土が根づいていて、本当にありがたいなと思いました

想像以上に大変な子育て。実感したからこそ、夫婦で育児に向き合う

育児休暇取得前は、育児がどのようなものか、あまり想像がつかなかったと言う鬼塚。育児休暇を取得し、実際に携わってみて感じたのは「想像していた以上に大変だ」ということでした。

鬼塚

「子どもが、なぜ泣いているのか、はじめはわかりませんでした。四六時中、朝から晩まですっとぐずぐずしているときもあります。当たり前ですが、大人の都合は考えてくれません。おむつを替えてもミルクあげても泣き止まず、抱っこしてもだめで、はじめは寝不足になりました」

「これを妻はひとりでやっていたのか」と驚き、二人で育児をすることの大切さを痛感したと言います。

鬼塚

「育児をすることがどれほど忙しく大変なことなのかを実感し、毎日驚きの連続でした。その後、月齢が進み、妻が頑張ってくれたおかげもあり、この時間にはお昼寝をする、ミルクを飲むなど、1日のサイクルができてきました。そのサイクルの中で育児が進むようになったので、だいぶ落ち着いた状態で子どもと向き合うことができました。

生活リズムができて育児にも慣れはじめたタイミングで、ずっと24時間体制で子どもと向き合ってくれた妻に『子どもの面倒は見ておくから、リフレッシュしてきたら』と映画やランチなど息抜きをしてもらう機会を作りました。妻の喜んでいる姿をみて、私も嬉しかったです」

育児休暇から復帰してからも、子育てに積極的に取り組んでいると話します。

鬼塚

できる限り二人で育児をすると決め、今はフレックス勤務をしています。通常より1時間遅い10時出社にして、出社前の1時間で子どもの着替えやおむつ替えをしたり、ときには乾燥防止のクリームを塗ったり。おもちゃで遊んだりして触れ合いの時間を作っています。

それから、在宅勤務時の夕方は、仕事の都合次第では数時間の休憩申請を入れ、離乳食やお風呂のお世話をしています。会社としてさまざまな働き方に対応できる柔軟な体制があり、育児をしながらでも活躍できるようなしくみや、周囲の理解があるので、とても恵まれていると思います

男性育休を取得したことで見えた世界と得た価値観

育児休暇を取得し、家事と子育てに真っ直ぐ向き合った1カ月。その間の業務は、鬼塚自身の丁寧な引き継ぎもあり、滞りなく進んでいました。

鬼塚

「育児休暇を経て、業務時間への考えが変わりました。今まで以上に効率性を追求し、子育てのスケジュールを鑑みて、仕事の時間配分を考えるようになりました。育児や家事において何か自分ができることが発生したら、可能な限り業務を調整しています。

それから、リーダーとしてチームメンバーを見るときの目線も変わりました。自分の家庭を意識することが増えた結果、他の社員の家庭の事情も理解しようと努めるようになりました。それぞれに家庭の事情があって、それぞれの時間の使い方があるはずので、柔軟に理解を示せるリーダーでありたいと思っています。

また、育児に限らず、急なお休みは誰にでも起こりうるものです。“その人にしかできない業務”をできるだけ作らないよう、属人化しないしくみ作りに努めています」

最後に、これから子育てを経験していく社員にメッセージを聞きました。

鬼塚

「性別に関わらず育児休暇を取り、いかにパートナーや家族を大事にするかを、考えることが大切だと思います。

全従業員がイキイキと働けるようにする取り組みのひとつが男性育休です。私のケースでは1カ月間の育児休暇でしたが、特に女性の場合は年単位で育児休暇を取得するケースが多く、キャリアアップへの不安があるかもしれません。私の同期の女性も、2年ほど育児休暇を取って復帰しましたが、仕事と育児を両立しています。会社として、男女ともに育児をしながら活躍できるようなしくみや応援する雰囲気がありますので、安心していただけたらと思います。

今回の育児休暇で、さまざまなことを学びました。仕事面ももちろんですが、家庭面でも親身で役に立つアドバイスができるような先輩社員になりたいと思っています」

育児休暇を経験し、視野が大きく広がった鬼塚。自身の経験を後輩たちに伝えながら、リーダーとして、より働きやすい環境づくりをめざしていきます。

※ 所属・内容等は取材当時のものです

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