「撮る・創る・映す」のワークフローを革新する
映像制作ソリューション「KAIROS クラウドサービス」
CONNECTer チョウ シーケイ
パナソニック コネクト株式会社
メディアエンターテインメント事業部
事業開発センター
パナソニック コネクトの映像制作ソリューション
私たちは長年にわたり、カメラやディスプレイ、プロジェクターなど、ハードウェアを中心にエンターテインメント業界に必要とされる機器を数多く製造・販売してきました。近年は、「単にハードウェアを提供するだけでなく、映像制作現場の撮影・編集・配信までのワークフローをつなぎ、根本から変えたい」という思いから、ソフトウェアの領域にも進出。2020年に販売開始した「KAIROS(ケイロス)」をベースに、2022年6月には新たな映像制作ソリューション「KAIROS クラウドサービス」の提供をスタートします。
映像制作現場の課題
ここ数年、スマートデバイスの普及やコロナ禍の影響により、各種イベントのライブ配信のニーズが高まっています。しかし、リアルタイムに臨場感のある映像を配信するハードルは非常に高い。映像配信を行うための多くの機材と複雑なシステム、そして熟練のスタッフが必要で、場所や人員の制約があります。
さらに、相応のコストが必要となるため、「予算不足で配信を諦めている」というイベントの主催者も少なくありません。魅力的なコンテンツがあっても、ファンに向けて「リアルタイムの興奮を届けることができない」という課題を抱えていました。
「伝えたいのに、伝えられない」。映像制作の現場から聞こえてくる、こうした声に応えるために「KAIROS クラウドサービス」を開発しました。
リアルタイムの臨場感・興奮を伝えるために
「“撮る・創る・映す” のワークフロー全体をシームレスにつなぐ」というコンセプトのもとに誕生した「KAIROS クラウドサービス」は、スイッチング(映像の切り替え)や加工など、映像の制作・配信に必要なオペレーションを効率化します。とくに、スポーツ中継やイベントなど、ライブ配信を行う映像制作の現場で力を発揮しています。
クラウド上に映像素材を集約して、撮影、編集、配信といった作業を分散。メディアでの映像素材の受け渡しの必要がなくなるうえ、PCとネットワーク環境さえあれば、時間や場所を選ばずに作業が可能に。「KAIROS クラウドサービス」の導入により、映像の撮影・制作・納品までの業務フロー時間が約30%削減されるという実験結果も出ており、現場にいるスタッフの負荷を減らすことができます。
また、当社の独自の映像処理技術によって、複数カメラ映像やグラフィックを重ねた演出など、ライブ配信でも自由度の高い映像制作が可能です。
たとえば、「KAIROS クラウドサービス」を試験導入いただいた映像制作会社のトライアンフ様は、富士スピードウェイ(静岡県)で開催されたカーレース「2022年インタープロトシリーズ/KYOJO CUP」のYouTubeライブ配信に利用。
コース上や複数のマシンに設置した車載カメラの映像に、順位表や選手情報などのグラフィックを重ね、臨場感あふれる映像をファンの皆様にお届けしました。従来なら不可能だった映像配信が実現したことで、レースの主催者からは将来的にドライバーの心拍数や体温などのバイタルサインを画面上に表示できないか、といったコンテンツの魅力をより高めるための新たなアイデアも出てきています。
映像制作の裾野を広げ、コンテンツで社会を豊かにしたい
私たちが大切にしているのは、「この一瞬が、つながる。」というビジョンです。一瞬に、すべてを注ぐ人たち。その一瞬がもたらす、ライブの臨場感を伝えたいと奮闘する人たち。そして、その一瞬に感動する人たち。すべての人たちを「KAIROS クラウドサービス」でつないでいきたい。
高品質な映像制作・配信がどこでも、誰にでも、簡単にできるようになれば、その裾野が広がり、より多くの「伝えたい」思いを届けやすくなります。制作現場のワークフローが変わって負荷が減っていけば、よりよい働き方を実現できます。これまで目に触れることのなかった現場の「一瞬」をライブで共有することで、多くの人と興奮を分かち合えるようになるでしょう。こうして、映像コンテンツの力で世の中を元気に、世界を豊かにしたい。「KAIROS クラウドサービス」であれば、かなえられると信じています。