写真:大型ワイドLED表示装置
写真:大型ワイドLED表示装置

日環アリーナ栃木様

栃木県総合運動公園 東エリア整備運営事業 大型映像設備
栃木初の大型ワイドLED表示装置&ライブスイッチャー。選手も観客も見やすい映像演出を追求して、進化中。
※屋内水泳場設備として(2021年3月現在)

課題

栃木県内の水泳場には、これまで大型の映像装置が存在していなかった。映像の表示装置では、選手も観客も見やすい演出を行いたい。

解決策

縦4,608 mm×横12,864 mmの大型ワイドLED表示装置を採用。ライブスイッチャーで画面合成や編集を行い、見やすさの向上を追求。

コロナ禍で無観客開催がいくつかあり、WEB配信時にはとても重宝しました。今後は映像関係でも、さらにクオリティの高い、会場を盛り上げる演出を行いたいです。

日環アリーナ栃木 副館長 毛利 智成様
小山工業高等専門学校 電気電子創造工学科 教授 鹿野 文久様

背景

2022年『いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会』に相応しい水泳競技場が必要

栃木県は、県民がスポーツを楽しみ 健康づくりを図る施設として、宇都宮市西川田地区内で総合スポーツゾーンの整備を推進。2022年『いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会』の開催に向け、スポーツによる人材育成の推進拠点として3つのエリアが完成し、東エリアの施設は『日環アリーナ栃木』と命名されました。施設内の屋内水泳場には、50 mメインプールと25 mの飛込兼用プールが設けられ、2,000名以上の観客を収容できます。

これまで栃木県では大規模な水泳競技場はありましたが、県の要求水準を満たす大型映像設備を備えた屋内水泳場は、ありませんでした。


導入理由

大型ワイドLED表示装置に、映像とタイムを同時表示できる演出が実現

「これまでの水泳競技場の記録装置は時計があるだけで、レーンの番号とタイムが表示されるだけのものでした。一般の方には見づらく、わかりづらい。そこで国体を開催する水泳場に相応しい大型の表示装置が必要だ、ということになりました。現場の声を反映し、高画質で横長の大型LED表示装置という独自の設備を導入しました」(日環アリーナ栃木 毛利様)。

「画像編集や合成がいろいろ簡単にできるライブスイッチャーを入れてもらいましたので、今までに無いような記録表示方法や、映像とタイムを同時に表示できる演出が実現できます」(小山工業高等専門学校 鹿野様)


導入後の効果

1台の表示装置で選手名・競技のライブ映像・タイムを見ることができる

日環アリーナ栃木様の屋内水泳場に設置された大型映像設備は、各選手のタイム・データと、カメラからのライブ競技映像をライブスイッチャーなどで編集・合成し、大型ワイドLED表示装置に送出するシステムです。
「私たち栃木の表示装置はワイド画面で、名前と記録表示の間に競技のライブ映像が入るところが大きな特長です」(日環アリーナ栃木 毛利様)

小山工業高等専門学校で教鞭をとっておられる鹿野教授は、栃木県開催の水泳大会では記録・速報員として運営に携わり、日環アリーナ栃木様の大型映像設備の映像演出も手掛けていらっしゃいます。
「観客の皆様も、生で競技を見ながら映像も見たい、記録も知りたい、という方も多く、1台の表示装置で選手名・競技のライブ映像・タイムが見えるというのは画期的です。一般的な水泳競技場では、記録表示と映像表示の2台使うことが多いかと思います」(小山高等専門学校 鹿野様)

ライブスイッチャーの活用で、選手も観客も見やすい記録表示を実現

「通常、電光掲示板などの記録表示は黒色のバックに名前やタイムが表示されますが、日環アリーナ栃木の表示装置は横長なので黒バックでは名前とタイムを確認しづらいんです。そこで青と水色で横のストライプパターン(縞模様)を作成し、ライブスイッチャーでSEIKOさんのタイムのリザルトを合成することにしました(写真A)」(鹿野様)

「私もいろいろ競技の表示板を見てきましたが、こういう表示方法はかなり珍しいのではないでしょうか。当水泳場のLED画面は横が約4.6 m、縦が約12.8 mで、16:9の画面が1.5くらい入る感じです。ストライプパターンがあると、横長でも名前と記録が追いやすいんですね」(毛利様)

「選手は泳ぎ終わって壁にタッチするとすぐ振り返って表示装置を見るんです。当水泳場はストライプパターンがあるので自分の結果を拾いやすいんですね。他県の関係者の方にも“見やすい”と好評でした」(鹿野様)

パナソニックとSEIKOが連携して画面表示をカスタマイズ

「競技タイムデータを提供するSEIKOさんのリザルトシステムは、そのままでは当水泳場の表示サイズに合いません。そこで画面をフル活用できるようパナソニックさんとSEIKOさんが連携して調整してくれました」(毛利様)


写真:大型ワイドLED表示装置
50mプールの中からも、観覧席からも見やすい大型ワイドLED表示装置。
写真:送出設備
“こんなテレビ局のような送出設備は水泳競技場としては珍しいと思います”(鹿野様談)
写真:選手名、ライブ映像、記録が一目でわかる画期的な画面構成
選手名、ライブ映像、記録が一目でわかる画期的な画面構成。
写真:ライブスイッチャー。
画面合成や編集が自在に行えるライブスイッチャー。
写真:ストライプパターン
(写真A)横長画面でもストライプパターン(横縞模様)によって、黒1色より名前と記録が見やすい。
写真:ゴールのライブ映像とともに順位がリアルタイムで刻々と表示されてゆく
ゴールのライブ映像とともに順位がリアルタイムで刻々と表示されてゆく、会場が湧きたつ瞬間。
写真:2022年開催予定の『いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会』の告知画面
2022年開催予定の『いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会』の告知画面。
写真:大会新記録がマークされたときには、手作りの祝福動画で会場をさらに盛り上げる
大会新記録がマークされたときには、手作りの祝福動画で会場をさらに盛り上げる。

大型映像設備システムイメージ

SEIKOリザルトシステムからのソースを元に、横長のLED表示装置の画面いっぱいを活用した表示ができるように調整を行ってシステムを構築。

大型映像設備システムイメージ

納入機器

大型ワイドLED表示装置

  • 大型映像装置 ChromaLED6B(ヒビノ株式会社製) ×1台
  • 電源制御ユニット WU-L67 ×1台
  • 他、HD-SDI光コンバーター、光メディアコンバーター、HUB、オペレーションユニットなど

送出設備

  • デジタル入力ブルーレイレコーダー DMR-T4000 ×1台
  • ブルーレイレコーダー DMR-T3000 ×1台
  • 電源制御ユニット WU-L67 ×1台
  • ライブスイッチャー AV-HS410N ×1台
  • SDI入力ボード AV-HS04M1 ×2台、他

お客様の声・今後の展望

無観客での開催時、WEB配信でもさまざまに活躍

2021年はコロナ禍で、大会は開催できても無観客というケースがいくつかありました。その際も、ライブスイッチャーの画面切り替えなど配信業者さんがいろいろ活用していました。大会の様子は日本水泳連盟の公式サイトのYouTubeで公開されますので、今後も活用していくことになると思います。

今後はさらにクオリティの高い映像演出が可能になっていく

大会新記録が出た時は、新記録を知らせる動画をインサートして盛り上げます。この動画は手作りしました。こうした動画を映しますと中継のアナウンスも入りますし、会場から拍手も起きます。今後は映像関係でも会場を盛り上げる演出を行いたいです。また、デジタル入力レコーダーもシステムに入っていますので、映像のリプレイもできますね。これから、さらにクオリティの高い映像演出が可能になっていくのではないでしょうか。

写真:毛利様と鹿野様
日環アリーナ栃木 副館長 毛利 智成様( 写真右)
小山工業高等専門学校 電気電子創造工学科 教授 鹿野 文久様( 写真左)
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

栃木県民に愛され、県民が誇れる県民総スポーツの推進拠点

2021年4月、日環アリーナ栃木様は“栃木の大地と呼応する、スポーツと交流の拠点”をコンセプトに、栃木県総合運動公園東エリアにオープンしました。東エリアは約6.6haの敷地にメインアリーナ、サブアリーナと屋内水泳場、トレーニングルーム、会議室等があり、県民の皆様の様々な活動機会に寄り添い、地域に調和する施設を目指します。

写真:日環アリーナ栃木

関連機器・サービス

製品写真:ライブスイッチャー

ライブスイッチャー

使いやすさを追求したコンパクトライブスイッチャー。


製品写真:DMR-T4000R

デジタル入力レコーダー DMR-T4000R

HD-SDI/HDMI入出力を備え、フルHDの高画質映像を光ディスク/HDDに記録。