成田国際空港株式会社様
(AcroSignサイネージソリューション)
課題
日本に到着したお客様に、日本の魅力や“おもてなし”を伝えたい。
解決策
到着コンコースの9か所にプロジェクターやディスプレイを配置して訪日歓迎映像による大規模空間演出を実施。
今までは白い壁に囲まれて歩くだけのコンコースでしたが、この空間演出により、驚きの表情を浮かべながら楽しんで歩いてくださるお客様の顔が見られるようになりました。
背景
入国審査へと向かう長い通路を、移動しながら楽しんでもらえる空間に
2019年1月から12月までの成田国際空港の国際線発着回数は5年連続で開港以来最高値を更新し、成田空港における外国人旅客数も1822万人以上と6年連続で最高値となりました。年々増加する外国人旅客に向けて、空港の整備・改修に着手した成田国際空港株式会社様が注目したのは、日本に降り立ち初めに歩く「到着コンコース」でした。以前までの到着コンコースは、真っ白な壁に囲まれた入国審査へ向かう通路という位置づけでしたが、この長く巨大な空間を使って歓迎の気持ちを伝えようと、大規模な空間演出の計画をスタートしました。
導入した理由
各エリアの特徴を生かしてプロジェクターとディスプレイを配置
空間演出は第1・第2ターミナルの到着コンコース全9か所で実施され、広い空間ではプロジェクターを最大6台使用した大画面投写を実現。また、窓からの外光がある場所では明るさを保つために液晶ディスプレイを活用し、80v型の大型モデルを最大26台連結した、全長28mのマルチディスプレイをつくり上げました。計画を担当された営業企画推進室室長の平岡様は、「到着コンコースを使った演出の提案をお願いしたところ、各エリアの環境を考慮した大画面演出の案をいただき、これなら日本の魅力を大迫力の映像で発信できると考え採用に至りました」と語ります。
導入後の効果
合計35台のプロジェクターと68台のディスプレイで大規模空間演出
第1・第2ターミナル到着コンコースに設置された空間演出用映像装置は、パナソニックのサイネージソリューションである「AcroSign」で統合的にコントロールされ、あらかじめ登録された起動、終了、コンテンツ放映等のスケジュールに従い自動運転による空間演出を実現しています。
第1ターミナルでは4か所のエリアで空間演出を実施。そのうち4階にある3つのエリアでは解像度1920×1080のフルハイビジョン液晶ディスプレイTH-80SF2HJをそれぞれ18台、24台、26台連結して配置しています。また、2階にある南ウイングでは12,000ルーメンの1チップDLP®方式レーザープロジェクターPT-RZ120JLWを7台使って演出しています。どのエリアも動く歩道に沿って一直線に配置されており、移動しながら鑑賞できるようになっています。
第2ターミナルでは5か所のエリアを演出しており、プロジェクターPT-RZ120JLWを6台×4か所、4台×1か所で構成。最も広いエリアで投影面積68㎡の規模となり、空港ならではの大空間を存分に活用した演出となっています。
コンテンツは、移動中でも視覚的にイメージが伝達できるよう短い映像を繰り返し表示。観光資源の4要素である自然、文化、食、気候をテーマにした風景映像や、訪日外国人が旅をする様子が繰り広げられ、これから始まる日本観光に対する期待感を醸成するような内容になっています。平岡様は、「今までは白い壁に囲まれて歩くだけのコンコースでしたが、この空間演出により、驚きの表情を浮かべながら楽しんで歩いてくださるお客様の顔が見られるようになりました。日本の良さを感じてもらえていると思います」と語ります。
万が一の災害時には、緊急情報案内ツールとしても活用
通常は空間演出として活用されていますが、成田国際空港様では地震や異常気象などに備えて緊急情報表示用のテンプレートを用意しています。大画面のため、大きな文字で瞬時に情報伝達ができると期待されています。施設保全部 情報通信グループの椎名様は、「表示情報を柔軟に変更できる映像機器というのは緊急時において非常に有効な手段です。刻一刻と変化する状況に対する即時性という意味でも、今後の活躍が期待できます」と話します。
システム概要
納入機器
- AcroSign管理サーバー × 1式
- AcroSign STB(EM-JDSSC3STD) × 9台
- 1チップDLP®方式プロジェクター PT-RZ120JLW × 35台
- 80型液晶ディスプレイ TH-80SF2HJ × 68台
お客様紹介
日本を代表する空の玄関口として、質の高いサービスを提供
成田国際空港を運営している成田国際空港株式会社様は、2018年に第1・第2ターミナルのバリューアップを目指し大規模リニューアルを発表しました。各種手続きの自動化や案内表示の分かりやすさ向上、また“ウェルカム感”の演出など、2020年の夏に向けて様々なサービスの改革を実施されています。
営業企画推進室 室長 平岡 和巳様(写真右)
成田国際空港株式会社 空港運用部門 施設保全部
情報通信グループ 椎名 慧様(写真左)