社会医療法人同仁会 耳原総合病院様
概要
心臓カテーテル治療の最前線でライブシステムを構築。
医師間で治療内容を共有してリアルタイムカンファレンスを実現。
導入パターン:2地点接続
事例サマリ
課題
- 教育・研修効率化
解決策
必要な医療データが多い心臓カテーテル治療でのリアルタイムカンファレンスを低コストで可能に。
導入の背景
高度な心臓カテーテル治療の技術を持つ耳原総合病院様では、その手技を医師間で共有するために治療映像を別室で見られるライブシステムの導入を検討されていました。機器を選定するにあたり、既存の手術映像配信システムを含め、様々な機器を試されましたが、比較的低コストなシステムでは「配線や操作が複雑」「音声が二重に聞こえてしまう」「リアルタイムに多くの医療用画像を切り替えられない」などの課題があり、導入には至りませんでした。そこで、精度の高いビデオ会議システムであれば医療向けの映像配信システム以上の使用効果が得られるのではないかと考え、HD映像コミュニケーションユニット(HDコム)に注目されました。
導入のポイント
- 柔軟なシステム構築
- 音声品質
- 操作性
“メスを使わない手術”として現代医療の先端を行く心臓カテーテル治療は、直径2mm程度の細い管(カテーテル)を足の付け根や手首の動脈から心臓へ向かって挿入して行う、心疾患に対する治療法です。医師はX線などで撮影された動画や静止画をモニターで確認しながらカテーテルを挿入していきます。1度のカテーテル治療で必要となる動画や静止画は合わせて約10種類にもなり、ライブシステムを構築するにあたっては、この複数の医療データを術中の医師と同じ条件で確認できなければリアルタイムカンファレンスは成立しませんでした。今回のシステムは、HDコムを経由して、心臓カテーテル室に併設する操作室に集約された医療データにノートパソコンから遠隔でアクセスできる機能を持たせ、その課題を克服しました。これにより、カンファレンス中に必要となる医療データを会議室の画面に瞬時に切り替えて表示することが可能です。また、他のシステムで課題となっていた音声品質についても、ライブ会場からHDコムのリモコンボリュームボタンを操作するだけで相手側の音声も調整できるため、音量バランスの良い会話が可能となり、選定の大きなポイントになりました。
導入後のメリット
改善ポイント
- 会議室の専門医が術中の医師の動きを見ながらリアルタイムに医療データの確認が可能に。
- リアルタイムに病巣部を映し出し、状況を確認しながら治療方法の検討会議が可能に。
- 意見交換をしながら治療することができ、より一層の技術向上につながった。
HDコムは、必要な医療データが多い心臓カテーテル治療でのリアルタイムカンファレンスを低コストで可能にしました。
会議室では専門医たちが集まり、HDコム専用カメラでとらえた術中の医師たちの動きを見ながらリアルタイムに医療データを確認することができます。カテーテルが病巣部に到達した際には瞬時にその部位を映し出すことができ、現在の状況を確認しながら治療方法の検討会議を行うことが可能になりました。また、術前の画像と見比べる必要があるときなどは、術前検査データを会議室から遠隔で読み込み、2分割画面で現在の画像と見比べることが可能です。さらに、心臓カテーテル室にはHDコムにつながる8台のワイヤレスインターカムを導入。術中の医師たちがマイク本体に触れることなく会議室の医師たちと会話ができるようになりました。これにより、治療に関わる最大8名の医師が会議室に集まった専門医と意見交換をしながら治療することができ、より一層の技術力向上につながりました。今後は、病院内にホールの建設を予定しており、このシステムで大人数での勉強会を検討されています。HDコムは、心臓カテーテル治療の最前線で“ライブシステム”として活用され、さらなる医療技術の発展に貢献しています。
導入システム
HD映像コミュニケーションユニット KX-VC1600J ×1台
HD映像コミュニケーションユニット KX-VC1300J ×1台
HDコム専用カメラ GP-VD131J ×1台
ワイヤレスインターカムシステム WX-CH450×8台
ワイヤレスインターカムシステム WX-CC411×1台
ダイナミックマイクロホン WM-D170SW-K×1台
レッツノート MXシリーズ×1台
システム概要
お客様情報
社会医療法人同仁会 耳原総合病院 様
社会医療法人同仁会 耳原総合病院様は、医療が行き届かなかった1950年代、地域住民の100円のカンパを支えに民家の中2階から診療をスタートしました。約65年の歳月を経た現在でも、地域住民のための温かな医療空間を守り続け、「いつでも、どこでも、だれでも」安心してよい医療が受けられる環境づくりを理念に大阪南部になくてはならない存在として多くの人々の健康を支えています。
放射線科
主任 藤野 陽介 様