写真:マルチビュー画面
写真:マルチビュー画面

株式会社サイバーエージェント様 Chateau Ameba

IT/IPプラットフォーム“KAIROS”
マルチレイヤー構成による柔軟な演出を実現する“KAIROS”が生放送を中心とする多彩なジャンルの番組制作に貢献。

課題

多彩なジャンルの番組づくりを行う「ABEMA」の制作拠点として、これまで以上に高品質な番組制作へ対応できる堅牢なスイッチャーが必要。

解決策

GPUパワーの許す限りME数やKEY数の制約がないマルチレイヤー構成やNDI®などのIP入力対応が、魅力的な番組づくりに貢献。

柔軟な演出が可能になるシーン合成や様々な映像をひと目で確認できるフレキシブルレイアウトのマルチビューで、これまで以上に直感的な制作作業が行えるようになりました。

株式会社サイバーエージェント スタジオ戦略室 近藤 信輝様
導入事例|KAIROS:株式会社サイバーエージェント様 株式会社AbemaTV様 Chateau Ameba

背景

NDI®入力対応で、魅力的な演出を効率的に行えるスイッチャー

株式会社サイバーエージェント様は、インターネット領域でメディア事業や広告事業、ゲーム事業などを展開されています。その事業のひとつである「ABEMA」では、多彩なジャンルの約20チャンネルを24時間365日放送。番組制作拠点である「Chateau Ameba」は9つのスタジオを備え、複数のチャンネルが同時に配信されています。2020年、同拠点におけるスタジオサブの機材更新の計画が始動。その際、NDI®入力に対応し、魅力的な番組を制作するための様々な映像効果が効率的に行えるスイッチャーが求められました。


導入理由

「ABEMA」の番組に求められる優れた映像表現を実現

システム選定にあたり、これまで使用していたスイッチャーと操作感があまり変わらないことを基本にしながら、堅牢性の向上やライブ番組での優れた映像表現を行えるスイッチャーを条件に検討されていました。その要望にKAIROSが対応していたことで8つのスタジオサブで採用が決定。NDI®やSMPTE ST 2110などの入力ができるIPとの親和性により、これまでの取り組みはしっかりと生かしながら、今後の運用性もさらに向上できることが大きな決め手になりました。KAIROSはスイッチャーでありながら映像編集のソフトウェアのように扱えるため、これまで以上に柔軟な対応ができるようになり、演出の幅を大きく広げることに貢献しました。


導入後の効果

ME数やKEY数に制限されることなくレイヤー合成などを行った“シーン”を準備可能

KAIROSの特長として、従来のハードウェアスイッチャーと同様の素材選択やトランジション、レイヤー合成の映像処理を、GPUの映像処理能力の範囲でME数やKEY数に制限されることなく“シーン”として準備することができます。ABEMAの番組でオペレートを担当されている株式会社ブルの矢川祐介様は、「あらかじめ準備した合成済みのシーンをそのまま使用できることは非常に便利です。特に生放送では魅力的な演出のために自然とMEの数が増える傾向にあります。例えば昨今、WEB会議システムの画面を取り込んだ演出が増えていますが、それらを全て入力するとシーン数が2桁になることも珍しくありません。このような場合、以前はスイッチャーを2段で組むことで対応していたのですが、KAIROSはGPUの許容する限りシーンの数やレイヤー数を意識することなく重ねられるため、1台で完結できます。そのため、番組の準備も放送時のオペレーションも非常に円滑に行えるようになりました。また番組のジャンルによって頻繁に使用するボタンは異なってきますが、コントロールパネルのクロスポイントを好みの配置にできるので、より操作がしやすくなりました」と語ります。

操作するスタッフや放送する番組ごとにフレキシブルに設定できるマルチビュー画面

マルチビュー画面は2系統で出力し、スイッチャー卓の前とミキサー卓の前に設置された大型ディスプレイへそれぞれ異なるレイアウトで表示させています。株式会社サイバーエージェント スタジオ戦略室の近藤信輝様は「マルチビュー画面のレイアウトは自由にカスタマイズできるのですが、これはとても効率的です。なぜならスイッチャー操作とミキサー操作の人が見やすいと感じるレイアウトが異なるからです。スイッチャー操作ではMEを見ないといけませんし、外線で入ってきている素材も確認する必要があります。一方でミキサー操作では基本的に素材が見られることが重要で、オーディオレベルメーターで映像素材が回っているかを目で確認できることも安心です。また、画面レイアウト自体も、例えば上部に本線を表示させて素材は下部にまとめ、あまり頻繁に確認する必要のない素材は端の方に小さく置くなど、スタッフそれぞれが使いやすいように工夫しています。実際、ここまで変える必要があるのだろうかというほど皆がカスタマイズしていますが、それほどに番組ごと、スタッフごとで使いやすいレイアウトが異なるという証拠だと思います」と評価します。


写真:マルチビュー画面
Kairos ControlとKairos Creator、マルチビュー画面。
写真:Kairos Core 100などが設置されたラック
Kairos Core 100などが設置されたラック。
写真:Studio-9
競輪やオートレースの番組が制作されるStudio-9。
写真:マルチビュー画面
KAIROSのコントロールパネルの前に設置されたマルチビュー画面。
写真:Sub Studio-0
様々な番組制作が行われるSub Studio-0。
写真:Studio-0
白ホリゾントで多彩な番組に対応するStudio-0。

主なシステム構成

構成図

納入機器

IT/IPプラットフォーム “KAIROS” ×8式(2021年7月~11月に順次納入・運用)


お客様の声

新しい画づくりや新しい演出が可能になることに惹かれました

システム検討時は、当然ながら安定したシステムを求めていました。しかし一方で、新しい挑戦が必要であることも分かっていました。この2つの思いに応えてくれたのがKAIROSです。もちろん、このシステムの最初のユーザーとなることに不安がなかったと言うと嘘になります。しかし、それ以上に新しい画づくりや新しい演出が可能になることに惹かれました。また、パナソニックさんが真摯に対応してくださることは、これまでの経験から明確で、それも採用を後押ししました。現在実現できる、求めていたシステムに近い制作環境が構築できたと思っています。(近藤信輝様)

面白いスイッチャーで面白い番組づくりをしたかったので、KAIROSの採用は朗報でした。新しい演出に挑戦できる、制作者のモチベーションアップにつながるスイッチャーです。現在、日常的に運用していますが、以前の環境には戻りたくないと思うほどに、自在な機能や操作感で自由な発想を表現できるシステムに、頼もしさを感じています。(矢川祐介様)

写真:近藤様と矢川様
株式会社サイバーエージェント スタジオ戦略室 近藤 信輝様(写真右)
株式会社ブル 制作技術部 配信技術課長 矢川 祐介様(写真左)
※所属は納入時のものです。

お客様紹介

好きな時間に好きな場所で楽しめる新しい未来のテレビ

「ABEMA」は、緊急・速報をはじめ、24 時間編成のニュース専門チャンネルやオリジナルのドラマ、恋愛番組、アニメ、スポーツなどの番組を展開されている動画配信サービスです。そのエンターテインメント番組の制作・配信に特化した拠点「Chateau Ameba」では、連日多くの生放送や収録が行われています。


写真:Chateau Ameba外観
9つのスタジオサブを備えるABEMAの番組制作拠点「Chateau Ameba」外観
写真:地図

※NDI®とは、NewTek, Inc.によって開発されたIP利用における新しいライブ映像制作ワークフロー支援プロトコルです。NDI®はNewTek, Inc.の米国およびその他の国における登録商標です。ここでのNDI®は、High bandwidth NDI®を意味します。


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※1:NDI®とは、NewTek, Inc.によって開発されたIP利用における新しいライブ映像制作ワークフロー支援プロトコルです。NDI®はNewTek, Inc.の米国およびその他の国における登録商標です。ここでのNDI®は、High bandwidth NDI®を意味します。
※2:SRTはSecure Reliable Transportの略です。
※3:I/O拡張オプションAT-SF002G及び4K入出力には4KオプションAT-SF001Gが必要です。


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IT/IPプラットフォーム –AT-KC10C1G コントロールパネル Kairos Control

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